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公開番号2025019034
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2024120722
出願日2024-07-26
発明の名称血管新生促進用医薬組成物
出願人日本臓器製薬株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人
主分類A61K 31/714 20060101AFI20250130BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】末梢神経損傷等の組織損傷の治療において、血管新生促進作用を有する有用な薬剤を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係るビタミンB12を有効成分とする医薬組成物は、血管内皮細胞遊走作用、脈管形成促進作用を有し、さらにPI3K、Akt、mTORのリン酸化促進作用を示し血管新生に関与しているPI3K-Akt-mTOR経路賦活化作用を有することが示された。また、本医薬組成物は、メチル化サイクルとIcmtの働きを介したAkt経路活性化作用やRASタンパク発現活性化作用、マクロファージのRas活性化作用、M-Ras活性化作用等を有するため、末梢神経損傷等の組織損傷の受傷後初期における血管新生促進剤として有用性が高いものである。さらに、糖尿病や老化等では創傷治癒が遅延するので、そのような組織創傷の治癒を促進する血管新生促進剤としても本医薬組成物は利用できる。
【選択図】 図2

特許請求の範囲【請求項1】
ビタミンB
12
を含有する、血管新生促進用医薬組成物。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
血管新生促進が血管内皮細胞の遊走促進及び/又は脈管の形成促進によるものである請求項1に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項3】
血管新生促進が細胞内シグナル伝達経路におけるRasの活性化によるものである請求項1に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項4】
RasがM-Rasである請求項3に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項5】
細胞が血管内皮細胞及び/又はマクロファージである請求項3に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項6】
組織損傷の治療に用いられる、請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項7】
末梢神経損傷の治療に用いられる、請求項6に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項8】
創傷治癒促進に用いられる、請求項6に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項9】
ビタミンB
12
がメチルコバラミンである請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物。
【請求項10】
請求項1~5のいずれか一項に記載の血管新生促進用医薬組成物の製造のための、ビタミンB
12
の使用。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、血管新生促進用医薬組成物等に関し、より具体的には、組織損傷に対する治療効果のある医薬組成物(以下、単に「本医薬組成物」ということがある。)等に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
組織損傷には様々なものがあるが、例えば末梢神経損傷は重度四肢外傷や医原性損傷に伴って生じ、感覚障害や痛みの遺残等を引き起こす。末梢神経は自己再生能が備わっているものの、現在選択可能な治療方法をもってしても完全な機能回復にまでは至らないことが少なくなく、その治療に難渋することもしばしばある。
末梢神経損傷後の治癒過程として、神経軸索の再生に先立って損傷部を架橋するように新生血管が形成されるという事実が明らかになり、末消神経損傷等の治癒における神経と血管の関連性について近年ますます注目が高まっている。
【0003】
血管新生とは血管が新しくつくられる様式である。既に存在する血管から伸び出るように血管が増生する。これは成長、骨格筋肥大、月経、妊娠及び創傷治癒を可能にする極めて重要な生理的プロセスである。
【0004】
例えば、末梢神経損傷は、損傷部での連続性が絶たれる不連続性損傷と、絞扼性神経障害(手根管症候群等)等の損傷部での連続性を有する有連続性神経損傷に大別される。不連続性損傷に対する治療法としては、直接縫合、自家神経移植等が選択される。一方で有連続性神経損傷に対する治療法としては、神経剥離術や保存治療が選択されることになる。これまで、末梢神経損傷に対する再生効果を有するデバイスとして、人工神経の開発が進められてきたが、これは不連続性神経損傷に対してのみ用いられるものである。また、それらは損傷部の欠損を単に架橋するだけであり、神経軸索再生を促進する効果は有していない。末梢神経損傷後、回復までに長期間を要すると、筋組織に不可逆的な変化が生じるために、神経軸索再生を促進させることは重要な課題となっている。そのため、有連続性神経損傷と不連続性神経損傷のいずれにも適用でき、神経損傷の治療に効果のある薬剤が医療現場において求められている。
【0005】
末梢神経は損傷後の再生能を有しているが、神経機能の回復は十分とはいえない。神経が損傷すると、ワーラー変性により軸索と髄鞘は貪食除去される。次いで、再生過程において、未分化なシュワン細胞で形成されるビュングナー帯(Bungner's band)内を再生軸索が遠位方向へ伸長し、目標となる筋肉の再神経化が起こる。最終的には、再生軸索の周囲を取り巻いたシュワン細胞による髄鞘が形成される。しかし、再生神経の伸長速度は非常に遅く、目標となる筋肉までの距離が長い場合には筋萎縮が生じて十分な機能回復が望めなくなる。ところで、前述した再生過程の各段階においては、マクロファージが重要な役割を担っていることが近年明らかになり注目されている。マクロファージの炎症を起こす働きはよく知られているが、これとは逆に抗炎症性の働きを持つ表現型も持っており、前者はM1型、後者はM2型と呼ばれ、その表現型間には連続性がある(M1-M2間のシフトが起きる。)と考えられている。そして、一般的に、抗炎症性の表現型であるM2マクロファージを増加させた方が神経再生は促進されると言われている。
【0006】
本医薬組成物の有効成分のひとつとしてビタミンB
12
がある。ビタミンB
12
はビタミンB
12
欠乏症の治療に有効であり、ビタミンB
12
欠乏症では末梢神経炎、脊髄変化といった神経学的変化も起こりうることが知られている(特許文献1)。
【0007】
ビタミンB
12
は神経系の正常な機能のために重要であり、その欠乏は、「亜急性連合性脊髄変性症(subacute combined degeneration of the spinal cord)」と呼ばれる全身性の神経障害を引き起こすことが知られている(非特許文献1)。本発明者らは、ビタミンB
12
のアナログであるメチルコバラミン(Methylcobalamin、以下「MeCbl」と表記することがある。)は、100nM以上の濃度において、神経突起伸長及びニューロンの生存を促進すること、これらの効果はメチル化に関する反応であるメチル化サイクルによって媒介されること、MeCblがメチル化サイクルを通してERK1/2及びAktの活性を増大させること、ならびに、ラット坐骨神経損傷モデルにおいて、MeCblの高用量の連続投与は、神経再生と機能回復を向上させることを報告している(非特許文献2)。
【0008】
過去の報告にあるようにMeCblには末梢神経の再生を促進する効果があるということが知られている。しかしながら、MeCblの神経再生促進作用の一つとして損傷初期における血管新生を促進することは開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特表2016-513694号公報
【非特許文献】
【0010】
Scalabrino et al., Laboratory Investigation, 62(1990), 297-304
Okada et al,. Experimental Neurology, 222(2010), 191-203
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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