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公開番号
2025017063
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023119939
出願日
2023-07-24
発明の名称
パスタ粉砕物を配合したパスタの製造方法
出願人
株式会社ニップン
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A23L
7/109 20160101AFI20250129BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】本発明は、従来の乾燥パスタの煮崩れのない外観を維持しながらも、滑らかさや風味を感じやすい乾燥パスタを提供することを課題とする。
【解決手段】下記工程(1)粉砕物用乾燥パスタを粉砕し、D50が220μm以下、かつ、損傷澱粉が7~22質量%の乾燥パスタ粉砕物を得る工程、(2)工程(1)で得られた乾燥パスタ粉砕物と小麦粉砕物を混合する工程であって、前記乾燥パスタ粉砕物の量が、前記乾燥パスタ粉砕物と前記小麦粉砕物との合計に対して4~32質量%である、前記工程、及び(3)工程(2)で得られた混合物を用いて乾燥パスタを製造する工程を含む、乾燥パスタの製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記工程
(1)粉砕物用乾燥パスタを粉砕し、D50が220μm以下、かつ、損傷澱粉が7~22質量%の乾燥パスタ粉砕物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた乾燥パスタ粉砕物と小麦粉砕物を混合する工程であって、前記乾燥パスタ粉砕物の量が、前記乾燥パスタ粉砕物と前記小麦粉砕物との合計に対して4~32質量%である、前記工程、及び
(3)工程(2)で得られた混合物を用いて乾燥パスタを製造する工程を含む、乾燥パスタの製造方法。
続きを表示(約 57 文字)
【請求項2】
前記小麦粉砕物が、デュラム小麦粉砕物である、請求項1に記載の乾燥パスタの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はパスタ粉砕物を配合したパスタの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 4,000 文字)
【背景技術】
【0002】
パスタは主にデュラムセモリナを用いて製造される。デュラムセモリナはデュラム小麦の製粉工程において得られる比較的粒度の粗い状態の胚乳の粉砕物を指し、一般的には目開き約300μmの篩を抜けない程度の粗さのものをいう。このセモリナの粒度の粗さが、パスタの煮崩れがない良い外観にするために重要である。一方で、前記のような粗い粒度分布のデュラムセモリナを使用したパスタは、その粒子の大きさが原因で滑らかさが感じられず、また粒子が大きいことで損傷澱粉が少なくなり、損傷澱粉の少なさが原因で風味を感じにくいという課題がある。そこで煮崩れのない外観を維持しながらも、滑らかさや風味を感じやすいパスタの製造方法が求められていた。
麺類に使用する原料によって麺類を改質する方法について、例えば特許文献1にはパスタの製造に用いる穀粉を含有する原料に所定量の乾熱処理したデュラムふすまを混合することでふすま特有の穀物臭が抑えられた、食感がなめらかであり、かつ、粒感の少ない、食物繊維等の栄養成分に富むパスタを提供出来ることが開示されている。しかしながら特許文献1ではパスタ粉砕品を混合することについては検討されていない。また特許文献2には、乾燥パスタ粉砕物を5~80重量%含有する穀粉原料を用いて製麺することにより、硬さと粘弾性に富んだ食感と、自然な黄色みと豊かな風味を有する麺類(具体的には中華麺)を提供出来ることが開示されている。しかしながら、特許文献2では乾燥パスタ粉砕物の粒子径や損傷澱粉の量についての記載はない。
煮崩れのない外観を維持しながらも、滑らかさや風味を感じやすいパスタの製造方法についてさらなる改良が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-129712
特開2002-291430
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来の乾燥パスタの煮崩れのない外観や滑らかさを維持しながら、風味を感じやすい乾燥パスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、工程(1)粉砕物用乾燥パスタを粉砕し、D50が220μm以下、かつ、損傷澱粉が7~22質量%の乾燥パスタ粉砕物を得る工程、(2)工程(1)で得られた乾燥パスタ粉砕物と小麦粉砕物を混合する工程であって、前記乾燥パスタ粉砕物の量が、前記乾燥パスタ粉砕物と前記小麦粉砕物との合計に対して4~32質量%である、前記工程、及び(3)工程(2)で得られた混合物を用いて乾燥パスタを製造する工程を含む、乾燥パスタの製造方法により、従来の乾燥パスタの煮崩れのない外観や滑らかさを維持しながらも、風味を感じやすい乾燥パスタを提供することが出来ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]下記工程
(1)粉砕物用乾燥パスタを粉砕し、D50が220μm以下、かつ、損傷澱粉が7~22質量%の乾燥パスタ粉砕物を得る工程、
(2)工程(1)で得られた乾燥パスタ粉砕物と小麦粉砕物を混合する工程であって、前記乾燥パスタ粉砕物の量が、前記乾燥パスタ粉砕物と前記小麦粉粉砕物との合計に対して4~32質量%である、前記工程、及び
(3)工程(2)で得られた混合物を用いて乾燥パスタを製造する工程を含む、乾燥パスタの製造方法。
[2]前記小麦粉砕物が、デュラム小麦粉砕物である、請求項1に記載の乾燥パスタの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来の乾燥パスタの煮崩れのない外観を維持しながらも、滑らかさや風味を感じやすい乾燥パスタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(乾燥パスタの製造方法)
本発明の乾燥パスタの製造方法は、工程(1)粉砕物用乾燥パスタを粉砕し、D50が220μm以下、かつ、損傷澱粉が7~22質量%の乾燥パスタ粉砕物を得る工程、(2)工程(1)で得られた乾燥パスタ粉砕物と小麦粉砕物を混合する工程であって、前記乾燥パスタ粉砕物の量が、前記乾燥パスタ粉砕物と前記小麦粉砕物との合計に対して4~32質量%である、前記工程、及び(3)工程(2)で得られた混合物を用いて乾燥パスタを製造する工程を含む。
【0008】
(乾燥パスタ粉砕物及び乾燥パスタ粉砕物を得る工程)
乾燥パスタ粉砕物を得るための乾燥パスタ(以下、「粉砕物用乾燥パスタ」という)は、従来公知の方法で製造されたものでよく、穀粉原料に加水をした後混合し、減圧下で押出成型した後乾燥することによって得られる乾燥パスタが挙げられる。ここで乾燥パスタ粉砕物を得るための乾燥パスタの穀粉原料としては、デュラム小麦粉砕物であるデュラムセモリナあるいはファリナの他、強力粉等の小麦粉等を挙げることができ、好ましくはデュラムセモリナである。
粉砕物用乾燥パスタは常法で製造及び乾燥されていればその形状は制限されず、例えば市販の製品以外にも乾燥後に麺の端を切った切断片、U字型の切断片等も使用することができる。
前記粉砕物用乾燥パスタを粉砕機等で粉砕することにより、乾燥パスタ粉砕物を得ることができる。粉砕前に加湿をすることで、粉砕後の目的の損傷澱粉量とD50に調整する。損傷澱粉は粉砕時の熱や物理的な衝撃によって発生する。一般的に、粒度を細かくしようとすると、粉砕時の物理的な衝撃が大きくなることで熱が発生しやすくなり、損傷澱粉も多くなるが、加湿をすることで粉砕時の熱が気化熱に代わり、熱による澱粉の損傷を防ぐことができる。例えば、粒度は同じだが損傷澱粉量が異なる各段階の乾燥パスタ粉砕物を調製する際には、粉砕前の粉砕物用乾燥パスタへの段階的な加湿により、水分含量を増やしたパスタ(水分含量10~37質量%)を粉砕する手法が挙げられる。粉砕機は、目的の損傷澱粉量とD50に粉砕できれば特に制限されず、一般的な乾麺の粉砕機であるハンマーミルやピンミル、ロールいずれも選択できるが、粒度を小さく、かつ損傷澱粉量を少なく粉砕する必要があることから、比較的損傷澱粉を少なく、かつ粒度を小さく粉砕できる気流粉砕機が好ましい。
乾燥パスタ粉砕物のD50が小さいほど、乾燥パスタ粉砕物入り乾燥パスタの食感が滑らかであり、好ましい。乾燥パスタ粉砕物のD50は220μm以下であり、好ましくは150μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。製造コストの観点から乾燥パスタ粉砕物のD50は好ましくは50μm以上であり、より好ましくは100μm以上、さらに好ましくは150μm以上である。乾燥パスタ粉砕物のD50が220μm以下であることにより食感の滑らかさが維持される。
また、乾燥パスタ粉砕物の損傷澱粉量は7~22質量%であり、好ましくは8~17質量%、より好ましくは9~15質量%、更に好ましくは10~13質量%である。乾燥パスタ粉砕物の損傷澱粉量が本願所定の範囲にあれば、従来の乾燥パスタの煮崩れのない外観を維持しながら甘みなどの良好な風味を感じやすい乾燥パスタを提供することができる。後述するように損傷澱粉量が少ないと甘みを感じにくくなる傾向があり、損傷澱粉量が多いと茹で時の煮崩れ量が多くなり外観が不適となる傾向にある。
【0009】
(D50)
本発明における粒度分布及び粒径は湿式で測定した体積基準であり、D50(平均粒径、50%積算粒子径、メディアン径とも称される)は粒子径積算分布曲線において粒子の小さい方から積算した積算50%における粒径を表す。体積基準の粒子径の測定は、公知のレーザー回折・散乱法で測定することができ、その様な装置として、具体的には例えば粒子径分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製、MT3000)等を使用することができる。
【0010】
(損傷澱粉)
本発明における損傷澱粉とは、粉砕時の熱や衝撃で損傷を受けた生澱粉のことである。一般的に、粉砕物のD50が小さいほど粉砕物に大きな物理的衝撃が加わっているため、損傷澱粉量が多い傾向にある。また、損傷を受けた澱粉粒は損傷を受けていない澱粉粒に比べて、酵素による影響を受けやすい。このため、損傷澱粉量が多いほど、口腔内での唾液中の酵素によって澱粉から糖への分解が進みやすく、甘さを感じやすくなる。また、損傷澱粉は損傷を受けていない澱粉に比べて、加熱時に吸水して膨潤しやすく、麺表面の煮崩れに繋がり、外観に悪影響を及ぼす。
このような損傷澱粉の量は、AACC法によれば、物理的な損傷を受けた生澱粉がα-アミラーゼによって分解され易いことを利用して測定することができる。具体的には、損傷澱粉を含む穀粉等を一定条件下でα-アミラーゼ処理することにより産生してきたマルトースを定量し、計算により、損傷澱粉量として換算されるものである。損傷澱粉の量は、AACC法76-31.01に従って測定されてもよい。測定には市販されている測定キットを用いて測定することができ、例えばMegaZyme製のStarch Damage Assay Kit等が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)
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