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公開番号2025016663
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-04
出願番号2024192548,2021569452
出願日2024-11-01,2020-05-20
発明の名称光学フィルム及び光学積層体
出願人スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250128BHJP(光学)
要約【課題】吸収偏光子と反射偏光子とを有する光学積層体をディスプレイ内で使用する場合、フィルムの層における波形/座屈を指すマイクロリンクルが発生する問題がある。
【解決手段】光学フィルムは、複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含み、第1のポリマー層は第2のポリマー層よりも小さい平均面内屈折率を有し、第1のポリマー層は少なくとも摂氏107度のガラス転移温度を有する。光学積層体は、直線吸収偏光子と、吸収偏光子上に配置され、吸収偏光子に結合されている反射偏光子とを含む。反射偏光子は、第1の偏光状態に対する少なくとも60%の光反射率と、直交する第2の偏光状態に対する少なくとも60%の光透過率とを有する。摂氏105度で15分間加熱された場合、第1の偏光状態及び第2の偏光状態に沿った、反射偏光子と吸収偏光子との収縮率の差は、それぞれ、約ゼロ超及び約0.2%超である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直線吸収偏光子と、
前記直線吸収偏光子上に配置され、前記直線吸収偏光子に結合されている反射偏光子と、を備え、
実質的な垂直入射光に対して、かつ約420nm~約650nmにわたる可視波長範囲の少なくとも第1の波長に対して、
前記反射偏光子が、第1の偏光状態に対する少なくとも60%の光反射率と、直交する第2の偏光状態に対する少なくとも60%の光透過率とを有し、
前記直線吸収偏光子が、前記第1の偏光状態に対する少なくとも60%の光吸収率と、前記第2の偏光状態に対する少なくとも60%の光透過率とを有し、
摂氏105度で15分間加熱された場合、前記第1の偏光状態及び前記第2の偏光状態に沿った、前記反射偏光子と前記直線吸収偏光子との収縮率の差が、それぞれ、約ゼロ超及び約0.2%超であり、
前記反射偏光子が、複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含み、少なくとも前記第1の波長に対して、前記第1のポリマー層が、前記第2のポリマー層よりも小さい平均面内屈折率を有し、前記第1のポリマー層が、少なくとも摂氏107度のガラス転移温度を有する、光学積層体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1のポリマー層が、少なくとも摂氏109度のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記第1のポリマー層が、少なくとも摂氏115度のガラス転移温度を有する、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記第1のポリマー層及び前記第2のポリマー層内の各層が、厚さ約500nm未満である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記反射偏光子の前記複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層が、前記反射偏光子の互いに反対側にある2個の最外層の間に配置されており、各最外層が、約0.5ミクロン~約5ミクロンの厚さを有する、請求項4に記載の光学積層体。
【請求項6】
少なくとも前記第2のポリマー層が、実質的に一軸配向されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の光学積層体。
【請求項7】
実質的な垂直入射光に対して、かつ少なくとも前記第1の波長に対して、前記複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層が、前記第1の偏光状態に対する約80%超の光反射率と、前記第2の偏光状態に対する約85%超の光透過率と、前記第1の偏光状態に対する約0.1%未満の光透過率とを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の光学積層体。
【請求項8】
前記反射偏光子と前記直線吸収偏光子とが、接着剤で一体に結合されており、前記接着剤が、約10kPa未満の、摂氏105度における貯蔵弾性率G’と、摂氏105度における損失弾性率G”であって、前記貯蔵弾性率G’に対する前記損失弾性率G”の比が、少なくとも約0.5であるような、損失弾性率G”とを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の光学積層体。
【請求項9】
互いに反対側にある2個の最外ポリマー層の間に配置されている、合計で少なくとも50個の、複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を備える、一体的に形成された光学フィルムであって、第1のポリマー層及び第2のポリマー層のそれぞれが、厚さ約400nm未満であり、各最外ポリマー層が、厚さ約500nm超であり、前記第1のポリマー層が、少なくとも摂氏107度のガラス転移温度を有し、前記第2のポリマー層よりも小さい平均面内屈折率を有し、前記一体形成された光学フィルムの2つの部分間の最小平均剥離強度が、約0.4N/cm超であり、前記2つの部分のそれぞれが、前記最外ポリマー層のうちの一方を含む、一体形成された光学フィルム。
【請求項10】
前記最小平均剥離強度が、約0.6N/cm超、又は約0.8N/cm超である、請求項9に記載の光学フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【背景技術】
【0001】
偏光子積層体は、一体に結合されている吸収偏光子と反射偏光子とを含み得る。そのような偏光子積層体は、ディスプレイ用途において使用され得る。
続きを表示(約 3,100 文字)【発明の概要】
【0002】
本明細書のいくつかの態様では、直線吸収偏光子と、直線吸収偏光子上に配置され、直線吸収偏光子に結合されている反射偏光子と、を含む、光学積層体が提供されている。実質的な垂直入射光に対して、かつ約420nm~約650nmにわたる可視波長範囲の少なくとも第1の波長に対して、反射偏光子は、第1の偏光状態に対する少なくとも60%の光反射率と、直交する第2の偏光状態に対する少なくとも60%の光透過率とを有し、直線吸収偏光子は、第1の偏光状態に対する少なくとも60%の光吸収率と、第2の偏光状態に対する少なくとも60%の光透過率とを有する。摂氏105度で15分間加熱された場合、第1の偏光状態及び第2の偏光状態に沿った、反射偏光子と直線吸収偏光子との収縮率の差は、それぞれ、約ゼロ超及び約0.2%超である。反射偏光子は、複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含み、少なくとも第1の波長に対して、第1のポリマー層は、第2のポリマー層よりも小さい平均面内屈折率を有する。第1のポリマー層は、少なくとも摂氏107度のガラス転移温度を有する。
【0003】
本明細書のいくつかの態様では、一体形成された光学フィルムが提供されている。一体形成された光学フィルムは、互いに反対側にある2個の最外ポリマー層の間に配置されている、合計で少なくとも50個の、複数の交互する第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含む。第1のポリマー層及び第2のポリマー層のそれぞれは、厚さ約400nm未満であり、各最外ポリマー層は、厚さ約500nm超である。第1のポリマー層は、少なくとも摂氏107度のガラス転移温度を有し、第2のポリマー層よりも小さい平均面内屈折率を有する。一体形成された光学フィルムの2つの部分間の最小平均剥離強度は、約0.4N/cm超であり、2つの部分のそれぞれは、最外ポリマー層のうちの一方を含む。いくつかの実施形態では、光学積層体は、直線吸収偏光子と、直線吸収偏光子上に配置され、直線吸収偏光子に結合されている、一体形成された光学フィルムと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
光学積層体の概略断面図である。
反射偏光子の通過軸及び直線吸収偏光子の通過軸の概略図である。
光学部材の概略断面図である。
光学フィルムの概略断面図である。
剥離試験の概略図である。
反射偏光子の層厚さプロファイルを示すプロットである。
図6の反射偏光子に関する透過率対波長のプロットである。
別の反射偏光子の層厚さプロファイルを示すプロットである。
図8の反射偏光子に関する透過率対波長のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、本明細書の一部を構成し様々な実施形態が例示として示されている添付図面が参照される。図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。他の実施形態が想到され、本明細書の範囲又は趣旨から逸脱することなく実施されてもよい点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味で解釈されるべきでない。
【0006】
吸収偏光子と、光学フィルム及び/又は反射偏光子と、を含む、光学積層体は、様々なディスプレイ用途において有用である。例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display;LCD)内の内側偏光子(観察者から離れる方向を向いている偏光子)は、バックライトに面する反射偏光子と、ディスプレイパネルに面する吸収偏光子と、を含む、光学積層体を含み得る。偏光子積層体、及びディスプレイ用途におけるそれらの使用は、例えば、米国特許第6,025,897号(Weberら)で概説されている。
【0007】
吸収偏光子と、従来の反射偏光子と、を有する、光学積層体を、ディスプレイ内で使用することに関する問題は、フィルムの層における波形/座屈を指すマイクロリンクル(micro-wrinkling)の現象である。そのようなマイクロリンクルは、光学積層体を構成要素にラミネートする間に生じ得る、又は、経時的に生じ得る。例えば、光学積層体は、自動車用途(例えば、自動車内のLCDディスプレイ)において使用される場合があり、その場合、光学積層体は、マイクロリンクルを引き起こし得る高温に晒される場合がある。マイクロリンクルは、多層フィルムの隣接する表面又は境界面が、互いに平行ではないことによって特徴付けられる。例えば、PCT出願国際公開第2017/205106号(Stoverら)及び対応する米国特許出願第16/301106号に記載されているように、マイクロリンクルは、反射偏光子フィルムの収縮率を増大させることによって低減され得、それにより、高温に晒された場合の、吸収偏光子の収縮に起因する、反射偏光子フィルム内での圧縮応力の形成が回避される。
【0008】
多層光学フィルム(例えば、反射偏光子フィルム)は、典型的には、交互する高屈折率層及び低屈折率層を含む。本明細書によれば、低屈折率層用に選択される従来のポリマーよりも高いガラス転移温度を有する、低屈折率層用のポリマーを選択することによって、マイクロリンクルは低減され得ることが見出された。従来は、多層フィルムが、隣接する層間における十分な層間剥離抵抗又は剥離強度を有するためには、低屈折率層は、比較的低いガラス転移温度(例えば、摂氏105度以下)を有するべきであると考えられてきた。しかしながら、現在は、より高いガラス転移温度を有する低屈折率層を使用することにより、許容可能な層間剥離抵抗が提供され得、マイクロリンクルの低減がもたらされ得ることが見出された。また、多層光学フィルムを吸収偏光子に結合するために使用される接着剤はマイクロリンクルを低減するように選択され得ることが見出された。例えば、低い貯蔵弾性率及び/又は高いtanδを有する接着剤は、マイクロリンクルを低減することができることが見出された。反射偏光子若しくは光学フィルムと吸収偏光子との相対収縮率を選択すること、低屈折率層のガラス転移温度を選択すること、又は接着剤を選択することの任意の組み合わせは、マイクロリンクルを低減するために使用され得る。
【0009】
図1は、直線吸収偏光子110と、直線吸収偏光子120上に配置され、直線吸収偏光子120に結合されている光学フィルム及び/又は反射偏光子110と、を含む、光学積層体100の概略断面図である。図示の実施形態では、光学フィルム及び/又は反射偏光子110と、直線吸収偏光子120とは、接着剤130で一体に結合されている。いくつかの実施形態では、光学フィルム及び/又は反射偏光子110は、一体形成された光学フィルムである。いくつかの実施形態では、一体形成された光学フィルムは、直線吸収偏光子の通過軸と実質的に整列している通過軸を有する、反射偏光子である。
【0010】
図2は、反射偏光子の通過軸112及び直線吸収偏光子の通過軸122の概略図である。通過軸112と通過軸122との間の角度θが示されている。通過軸は、例えば、角度が約30度未満である場合、実質的に整列しているとして説明され得る。いくつかの実施形態では、角度θは、約30度未満、又は約10度未満、又は約5度未満、又は約3度未満である。
(【0011】以降は省略されています)

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