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公開番号2025012085
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114651
出願日2023-07-12
発明の名称オーステナイト系ステンレス鋼板、水素ガス配管、バルブ、継手、および計器
出願人日鉄ステンレス株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250117BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】予ひずみ付与後の耐水素ガス脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】母材と酸化皮膜とを有し、母材の化学組成が、質量%で、C:0.150%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.50%以下、P:0.060%以下、S:0.0080%以下、Cr:16.0~20.0%、Mo:3.00%以下、Ni:8.0~14.0%、Cu:1.0%以下、Co:0.01~1.0%、N:0.250%以下、Al:0.10%以下、任意元素、残部:Feおよび不純物であり、M値[=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.2Mo]が-180~-75を満足し、GDSによって測定される、最表面から20nm深さ位置までのA値[=Cr+4Si+5Mo+10Al]の最大値が30以上であり、酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、板厚が4.5mm以上である、オーステナイト系ステンレス鋼板。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
母材と、前記母材の表面上に形成された酸化皮膜とを有する鋼板であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.50%以下、
P:0.060%以下、
S:0.0080%以下、
Cr:16.0~20.0%、
Mo:3.00%以下、
Ni:8.0~14.0%、
Cu:1.0%以下、
Co:0.01~1.0%、
N:0.250%以下、
Al:0.10%以下、
Nb:0~0.10%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.0050%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Ga:0~0.050%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で算出されるM値が-180以上-75以下を満足し、
グロー放電発光分光分析法を用いて、前記鋼板の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記酸化皮膜での測定結果において、下記(ii)式で算出されるA値の最大値が30以上であり、
前記酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、
前記鋼板の板厚が4.5mm以上である、
オーステナイト系ステンレス鋼板。
M値=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.2Mo ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は、前記母材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
A値=Cr+4Si+5Mo+10Al ・・・(ii)
但し、上記(ii)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.10%、
Ti:0.01~0.10%、
B:0.0002~0.0050%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Ga:0.001~0.050%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を用いた、
水素ガス配管。
【請求項4】
請求項3に記載の水素ガス配管に接続され、
請求項1または請求項2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を用いた、
バルブ、継手、または計器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板、水素ガス配管、バルブ、継手、および計器に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、化石燃料に代わる新たなエネルギー源として、水素ガスが注目されている。水素ガスは、CO

を排出しないクリーンなエネルギー源である。その一方、水素ガスは、例えば、素材を脆化させる水素脆化を引き起こすことがある。そこで、特許文献1には、耐水素ガス脆化性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-196842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、実際に水素ガスをエネルギー源として使用するためには、水素ガスを輸送するための配管が必要となる。そして、水素ガス配管の素材として、耐水素ガス脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の厚板が好適に用いられている。
【0005】
厚鋼板から配管を製造する際には、所定の形状への加工に伴い、一定量のひずみを鋼板に導入する必要がある。しかしながら、厚い素材に一定量のひずみを導入して、水素環境で使用すると、水素脆化が生じやすくなるという課題がある。
【0006】
特許文献1に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼では、上述した予ひずみ付与後の耐水素ガス脆化性について十分な検討がなされておらず、さらに、改善の余地が残されている。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決し、予ひずみ付与後の耐水素ガス脆化性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板、ならびにそれを用いた水素ガス配管、バルブ、継手、および計器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のオーステナイト系ステンレス鋼板、水素ガス配管、バルブ、継手、および計器を要旨とする。
【0009】
(1)母材と、前記母材の表面上に形成された酸化皮膜とを有する鋼板であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.150%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:2.50%以下、
P:0.060%以下、
S:0.0080%以下、
Cr:16.0~20.0%、
Mo:3.00%以下、
Ni:8.0~14.0%、
Cu:1.0%以下、
Co:0.01~1.0%、
N:0.250%以下、
Al:0.10%以下、
Nb:0~0.10%、
Ti:0~0.10%、
B:0~0.0050%、
V:0~0.50%、
W:0~0.50%、
Ca:0~0.0100%、
Mg:0~0.0100%、
Zr:0~0.50%、
Ga:0~0.050%、
Hf:0~0.10%、
REM:0~0.10%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で算出されるM値が-180以上-75以下を満足し、
グロー放電発光分光分析法を用いて、前記鋼板の最表面から深さ方向において、O、Fe、Cr、Mn、Ni、Mo、Si、AlおよびNの濃度変化を測定し、Oを除いたその他の元素の総量が、質量%で100%となるように換算した場合に、
前記酸化皮膜での測定結果において、下記(ii)式で算出されるA値の最大値が30以上であり、
前記酸化皮膜の厚さが3nm以上であり、
前記鋼板の板厚が4.5mm以上である、
オーステナイト系ステンレス鋼板。
M値=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.2Mo ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は、前記母材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
A値=Cr+4Si+5Mo+10Al ・・・(ii)
但し、上記(ii)式中の各元素記号は、グロー放電発光分光分析法において、各深さ位置において測定される各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
【0010】
(2)前記化学組成が、質量%で、
Nb:0.01~0.10%、
Ti:0.01~0.10%、
B:0.0002~0.0050%、
V:0.05~0.50%、
W:0.05~0.50%、
Ca:0.0002~0.0100%、
Mg:0.0002~0.0100%、
Zr:0.01~0.50%、
Ga:0.001~0.050%、
Hf:0.01~0.10%、および
REM:0.01~0.10%、
から選択される1種以上を含有する、
上記(1)に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
(【0011】以降は省略されています)

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