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公開番号
2025007323
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-17
出願番号
2023108630
出願日
2023-06-30
発明の名称
炭化珪素半導体装置の製造方法
出願人
富士電機株式会社
,
株式会社デンソー
代理人
個人
主分類
H10D
30/01 20250101AFI20250109BHJP()
要約
【課題】炭化珪素半導体基板表裏面のカーボンを一つの工程で除去でき、かつ、炭化珪素半導体基板表面を汚すことがなく、高い良品率を得ることができる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電型の出発基板のおもて面側に、出発基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層が設けられた炭化珪素半導体基板を用意する。次に、第1半導体層内に、不純物イオンを注入する。次に、炭化珪素半導体基板のおもて面側の表面に表面カーボン膜を成膜する。次に、表面カーボン膜を保護膜として炭化珪素半導体基板を活性化熱処理する。次に、活性化熱処理により炭化珪素半導体基板の裏面に析出した裏面カーボン膜と表面カーボン膜とを除去する。最初にリフトピンで炭化珪素半導体基板をステージから浮かせた状態で、裏面カーボン膜を除去し、次にリフトピンを下げて炭化珪素半導体基板をステージに接触させた状態で、表面カーボン膜を除去する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
炭化珪素からなる第1導電型の出発基板のおもて面側に、前記出発基板より低不純物濃度の第1導電型の第1半導体層が設けられた炭化珪素半導体基板を用意する第1工程と、
前記第1半導体層内に、不純物イオンを注入する第2工程と、
前記炭化珪素半導体基板のおもて面側の表面に表面カーボン膜を成膜する第3工程と、
前記表面カーボン膜を保護膜として前記炭化珪素半導体基板を活性化熱処理する第4工程と、
前記活性化熱処理により前記炭化珪素半導体基板の裏面に析出した裏面カーボン膜と前記表面カーボン膜とを除去する第5工程と、
を含み、
前記第5工程では、最初にリフトピンで前記炭化珪素半導体基板をステージから浮かせた状態で、前記裏面カーボン膜を除去し、次にリフトピンを下げて前記炭化珪素半導体基板をステージに接触させた状態で、前記表面カーボン膜を除去することを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記第5工程では、同一のプラズマ装置を用いて、酸素を含むプラズマを発生させることによって、前記裏面カーボン膜と前記表面カーボン膜を除去することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第5工程より後、または、前記第2工程より前に、
前記第1半導体層内にトレンチを形成する第6工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第5工程では、前記リフトピンで前記炭化珪素半導体基板を前記ステージから浮かせる際の前記炭化珪素半導体基板と前記ステージとの間隔が5mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第5工程では、前記ステージの温度を150℃以上350℃以下にすることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第4工程では、前記活性化熱処理を1600℃以上1900℃以下の炉を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第5工程より後に、前記炭化珪素半導体基板の表面に硫酸と過酸化水素の混合液による洗浄を行う第7工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第5工程より後に、フッ化水素による洗浄を行う第8工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に代わる次世代の半導体材料として期待されている。炭化珪素を半導体材料に用いた半導体素子(以下、炭化珪素半導体装置とする)は、シリコンを半導体材料に用いた従来の半導体素子と比較して、オン状態における素子の抵抗を数百分の1に低減可能であることや、より高温(200℃以上)の環境下で使用可能なこと等、様々な利点がある。これは、炭化珪素のバンドギャップがシリコンに対して3倍程度大きく、シリコンよりも絶縁破壊電界強度が1桁近く大きいという材料自体の特長による。
【0003】
炭化珪素半導体装置としては、現在までに、ショットキーバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)、プレーナゲート構造やトレンチゲート構造の縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)が製品化されている。
【0004】
従来の炭化珪素半導体装置の構造について、トレンチ型MOSFETを例に説明する。トレンチ型MOSFETでは、n
+
型出発基板のおもて面にn
+
型バッファ層およびn型炭化珪素エピタキシャル層が堆積される。n型炭化珪素エピタキシャル層のn
+
型出発基板側に対して反対側の表面側は、n型高濃度領域が設けられている。また、n型高濃度領域のn
+
型出発基板側に対して反対側の表面層には、第1p
+
型ベース領域が選択的に設けられている。n型高濃度領域には、トレンチの底面全体を覆うように第2p
+
型ベース領域が選択的に設けられている。
【0005】
また、従来のトレンチ型MOSFETには、さらにp型ベース領域、n
+
型ソース領域、p
++
型コンタクト領域、ゲート絶縁膜、ゲート電極、層間絶縁膜、ソース電極、裏面電極、トレンチ、ソース電極パッドおよびドレイン電極パッドが設けられている。ソース電極は、n
+
型ソース領域、p
++
型コンタクト領域上に設けられ、ソース電極上にソース電極パッドが設けられている。
【0006】
SiCは、Siに比べ、SiC中の不純物の拡散係数が極めて小さいという問題がある。イオン注入にて不純物層を形成する場合、深さ方向に深く形成することが難しい。このため、トレンチ型MOSFETの様に基板の縦方向に構造を形成する場合に、イオン注入とエピタキシャル成長を組み合わせて不純物層を形成する。
【0007】
従来、トレンチ型MOSFETは、例えば、以下のように不純物層を形成している。まず、n
+
型出発基板のおもて面にn
+
型バッファ層およびn型炭化珪素エピタキシャル層を堆積して、炭化珪素半導体基板を形成する。次に、n型の不純物をイオン注入することにより、n型高濃度領域を形成する。次に、p型の不純物をイオン注入することにより、第1p
+
型ベース領域および第2p
+
型ベース領域を形成する。次に、n型炭化珪素層をエピタキシャル成長させる。次に、p型の不純物をイオン注入することにより、p型ベース領域を形成する。次に、n型の不純物をイオン注入することにより、n
+
型ソース領域を形成する。次に、p型の不純物をイオン注入することにより、p
++
型コンタクト領域を形成する。この後、活性化処理をして、トレンチを形成している。このように、イオン注入とエピタキシャル成長を組み合わせて不純物層を形成している。
【0008】
ここで、炭化珪素半導体基板にイオン注入された不純物は活性化させる必要がある。活性化させるために、炭化珪素半導体基板を非常に高温で熱処理を行っている。この活性化熱処理により炭化珪素半導体基板表面からSiが昇華し、表面荒れが発生することが確認されている。そこで、炭化珪素半導体基板表面からSiが抜け出る事を抑制するため、活性化熱処理をする前に炭化珪素半導体基板表面に保護膜としてカーボン膜を形成することが知られている。
【0009】
図14は、従来の枚葉装置での活性化熱処理を示す図である。炭化珪素半導体基板の活性化熱処理は、カーボントレー140に炭化珪素半導体基板(SiCウェハ)134を載せて枚葉処理している。活性化熱処理の後に、炭化珪素半導体基板134表面に成膜したカーボン膜を除去している。カーボン膜除去はアッシャーを用いて、一般的なレジスト除去と同じ方法で実施している。
【0010】
また、SiC基板の表面に保護膜を形成する工程と、保護膜が形成されたSiC基板を熱処理する工程と、熱処理においてSiC基板の裏面に形成されたカーボンリッチ層を除去する工程とを含む炭化珪素半導体素子の製造方法が公知である(下記、特許文献1参照)。
(【0011】以降は省略されています)
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