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公開番号2025007084
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108252
出願日2023-06-30
発明の名称電子楽器および位置検出回路の温度補償方法
出願人ローランド株式会社
代理人弁理士法人真明センチュリー
主分類G10H 1/34 20060101AFI20250109BHJP(楽器;音響)
要約【課題】操作子の位置の検出精度を向上できる電子楽器および位置検出回路の温度補償方法を提供すること。
【解決手段】位置検出回路30では、鍵11(操作子)の位置に応じた磁気センサ31からの交流電圧に対し、整流ダイオード36の順方向電圧が減算(電圧降下)され、温度補償ダイオード42の順方向電圧から算出された補償電圧が加算される。この整流ダイオード36の順方向電圧と補償電圧とが、温度に応じて同様に変動する。これにより、整流ダイオード36による電圧降下の温度依存性を、補償電圧の温度依存性によって打ち消すことができる。その結果、位置検出回路30の検出結果の温度依存性を小さくでき、その検出結果に基づいた鍵11の位置の検出精度を向上できる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
演奏者により操作されて位置が変動する操作子と、
前記操作子の位置の変動に応じて交流電圧を出力する磁気センサと、
前記磁気センサからの交流電圧がアノードに入力され、整流された電圧をカソードから出力する整流ダイオードと、
順方向に所定電圧が印加されたダイオードに生じる順方向電圧から補償電圧を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記補償電圧を、前記磁気センサからの交流電圧が入力されている状態の前記整流ダイオードのアノード側またはカソード側に加える補償手段と、を備え、前記補償手段により前記補償電圧が加えられた前記整流ダイオードからの電圧に応じて前記操作子の位置を検出することを特徴とする電子楽器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記算出手段で用いられる前記ダイオードは、前記整流ダイオードとは別に設けられた温度補償ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
【請求項3】
前記算出手段は、前記温度補償ダイオードのアノード側の電圧と、前記温度補償ダイオードのカソード側の電圧とが入力されて、それらの電圧の差分を前記補償電圧として出力端子から出力する、オペアンプを用いた減算回路であることを特徴とする請求項2記載の電子楽器。
【請求項4】
前記補償手段は、前記磁気センサと前記整流ダイオードとの間を繋ぐコンデンサと、前記コンデンサ及び前記整流ダイオードの間からの分岐を前記オペアンプの前記出力端子に繋ぐ抵抗と、によって形成されるACカップリングであることを特徴とする請求項3記載の電子楽器。
【請求項5】
前記コンデンサの前記磁気センサ側の電圧が前記所定電圧となるように、前記コンデンサの前記磁気センサ側から分岐して前記温度補償ダイオードのアノードに接続される分岐電線と、
前記磁気センサから出力される交流電圧に直流のオフセット電圧を加えて、前記所定電圧の全体を前記温度補償ダイオードの順方向電圧以上にさせるオフセット電源と、を備えることを特徴とする請求項4記載の電子楽器。
【請求項6】
前記整流ダイオードと前記温度補償ダイオードとは、仕様およびロットナンバーが同一のダイオードであることを特徴とする請求項2記載の電子楽器。
【請求項7】
前記整流ダイオードと前記温度補償ダイオードとが熱結合されていることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の電子楽器。
【請求項8】
前記整流ダイオードと前記温度補償ダイオードとは、同一の封止材に封入されていることを特徴とする請求項7記載の電子楽器。
【請求項9】
前記算出手段で用いられる前記ダイオードは、前記磁気センサからの交流電圧が入力されていない状態の前記整流ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の電子楽器。
【請求項10】
演奏者により操作されて位置が変動する操作子と、前記操作子の位置の変動に応じて交流電圧を出力する磁気センサと、前記磁気センサからの交流電圧がアノードに入力され、整流された電圧をカソードから出力する整流ダイオードと、を備える電子楽器における位置検出回路の温度補償方法であって、
順方向に所定電圧が印加されたダイオードに生じる順方向電圧から補償電圧を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによって算出された前記補償電圧を、前記磁気センサからの交流電圧が入力されている状態の前記整流ダイオードのアノード側またはカソード側に加える補償ステップと、を備え、前記補償ステップにより前記補償電圧が加えられた前記整流ダイオードからの電圧に応じて前記操作子の位置を検出することを特徴とする位置検出回路の温度補償方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子楽器および位置検出回路の温度補償方法に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子楽器の鍵盤装置において、鍵2(操作子)に固定された磁石8(被検出部)をコイルに対して相対変位させる磁気センサにより、操作子の位置を検出する位置検出回路が記載されている。この位置検出回路によれば、コイルに対する被検出部の距離などに応じた直流電圧がコイルに生じるので、その直流電圧に応じて操作子の位置をCPU等の検出部で検出することができる。
【0003】
磁気センサによっては、操作子(被検出部)の位置に応じた交流電圧をコイルから出力するものがある。この場合、位置検出回路には、磁気センサからの出力を検出部への入力に適した信号にするため、磁気センサからの交流電圧を整流ダイオード等で直流電圧に変換し、その直流電圧を更に変換して検出部へ出力するものがある。この整流ダイオードの入力(アノード)側に対し出力(カソード)側では、整流ダイオードの順方向電圧だけ電圧降下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
実開平02-111199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記技術では、整流ダイオードの順方向電圧が整流ダイオードの温度によって変動するため、検出部に入力される信号も温度によって変動してしまう。よって、その信号から操作子の正確な位置を検出することが困難となる。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、操作子の位置の検出精度を向上できる電子楽器および位置検出回路の温度補償方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために本発明の電子楽器は、演奏者により操作されて位置が変動する操作子と、前記操作子の位置の変動に応じて交流電圧を出力する磁気センサと、前記磁気センサからの交流電圧がアノードに入力され、整流された電圧をカソードから出力する整流ダイオードと、順方向に所定電圧が印加されたダイオードに生じる順方向電圧から補償電圧を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記補償電圧を、前記磁気センサからの交流電圧が入力されている状態の前記整流ダイオードのアノード側またはカソード側に加える補償手段と、を備え、前記補償手段により前記補償電圧が加えられた前記整流ダイオードからの電圧に応じて前記操作子の位置を検出する。
【0008】
本発明の位置検出回路の温度補償方法は、演奏者により操作されて位置が変動する操作子と、前記操作子の位置の変動に応じて交流電圧を出力する磁気センサと、前記磁気センサからの交流電圧がアノードに入力され、整流された電圧をカソードから出力する整流ダイオードと、を備える電子楽器における方法であって、順方向に所定電圧が印加されたダイオードに生じる順方向電圧から補償電圧を算出する算出ステップと、前記算出ステップによって算出された前記補償電圧を、前記磁気センサからの交流電圧が入力されている状態の前記整流ダイオードのアノード側またはカソード側に加える補償ステップと、を備え、前記補償ステップにより前記補償電圧が加えられた前記整流ダイオードからの電圧に応じて前記操作子の位置を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態における電子楽器の断面図である。
電子楽器の電気的構成を示すブロック図である。
位置検出回路を模式的に示した図である。
温度補償しない場合の各部の電圧状態を示した図である。
温度補償する場合の各部の電圧状態を示した図である。
第2実施形態における電子楽器の位置検出回路を模式的に示した図である。
温度補償する場合の第2実施形態の各部の電圧状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、第1実施形態の電子楽器10について説明する。図1は、電子楽器10の断面図である。なお、以下の説明においては、演奏者から見て手前側(図1の左側)を電子楽器10の前方側、それとは反対側(図1の右側)を後方側として説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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