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公開番号2025005704
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105995
出願日2023-06-28
発明の名称ガラス物品の製造方法
出願人日本電気硝子株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C03B 33/02 20060101AFI20250109BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】
ガラスリボンを元にしてガラス物品を製造するに際し、ガラスリボンに不良クラックが発生した場合に、ガラスリボンから不良クラックを迅速に除去できるようにすること。
【解決手段】
ガラスリボンGを搬送経路11に沿って搬送する搬送工程P4と、搬送経路11の下流端11eでガラスリボンGからガラス板Gsを取得する取得工程P5と、を備えたガラス物品の製造方法において、ガラスリボンGに、ガラスリボンGの上流側に向かって進展する不良クラックCが発生した場合に、不良クラックCをガラスリボンGの幅方向端縁Geに誘導する誘導工程P6を更に備え、誘導工程P6では、不良クラックCを境界として隔てられたガラスリボンGの幅方向の一方側部位G1と他方側部位G2との間に張力差を設けるようにした。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ガラスリボンを搬送経路に沿って搬送する搬送工程と、前記搬送経路の下流端でガラスリボンからガラス物品を取得する取得工程と、を備えたガラス物品の製造方法であって、
前記ガラスリボンに、該ガラスリボンの上流側に向かって進展する不良クラックが発生した場合に、該不良クラックを前記ガラスリボンの幅方向端縁に誘導する誘導工程を更に備え、
前記誘導工程では、前記不良クラックを境界として隔てられた前記ガラスリボンの幅方向の一方側部位に生じる張力と他方側部位に生じる張力との間に張力差を設けることを特徴とするガラス物品の製造方法。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記誘導工程では、前記一方側部位と前記他方側部位との一方の搬送速度を加速させることで、前記張力差を設けることを特徴とする請求項1に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項3】
前記誘導工程では、前記一方側部位と前記他方側部位との一方に対し、(1)前記ガラスリボンの搬送方向下流側の向きの外力、又は、(2)前記ガラスリボンの搬送方向下流側の向きの成分、及び、幅方向中央側から外側の向きの成分を有する外力、を付与することで、前記張力差を設けることを特徴とする請求項2に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項4】
前記ガラスリボンにおける幅方向端縁と前記不良クラックとの相互間に位置する部位に対し、前記外力を付与することを特徴とする請求項3に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項5】
前記一方側部位と前記他方側部位とのうち、幅寸法が小さい方の部位に対し、前記外力を付与することを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項6】
前記外力を付与するにあたり、前記外力の向きと同方向となる送り方向を有する送り部材を前記ガラスリボンに接触させることを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項7】
前記送り部材がローラーであることを特徴とする請求項6に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項8】
前記ローラーと前記ガラスリボンとの接触時に、前記ローラーの周速度を前記ガラスリボンの搬送速度よりも高速にすることを特徴とする請求項7に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項9】
前記外力を付与するにあたり、ガスを前記ガラスリボンに向けて噴き付けることを特徴とする請求項3又は4に記載のガラス物品の製造方法。
【請求項10】
前記誘導工程では、前記ガラスリボンを撮像して画像を得ると共に、該画像を画像処理することで、前記不良クラックの発生を検出することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のガラス物品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ガラス物品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ガラス板やガラスロール等に代表されるガラス物品は、ガラスリボンを元にして製造される場合が多い。特許文献1には、ガラスリボンからガラスロールを製造する形態の一例が開示されている。
【0003】
同形態では、まず、ダウンドロー法を利用して溶融ガラスから連続的にガラスリボンを成形する。次に、成形したガラスリボンの搬送方向を縦方向から横方向に転換させる。その後、ガラスリボンの幅方向の一方側および他方側にそれぞれ存する不要部をガラスリボンから分断して除去する。最後に、不要部が除去されたガラスリボンを巻芯の周りにロール状に巻き取ってガラスロールとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-40755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のようにガラスリボンを元にしてガラス物品を製造する場合、意図せずガラスリボンに発生したクラック(以下、「不良クラック」と表記)に起因して、ガラス物品の生産ロスが生じてしまうことがある。
【0006】
例えば、図6に示した態様のごとく、A方向に搬送されるガラスリボン100をその搬送経路の下流端で繰り返し切断することで、ガラスリボン100からガラス板200を連続的に切り出すような場合に生産ロスが生じ得る。同態様では、ガラス板200の切り出しに失敗した場合に、ガラスリボン100が割れる等して不良クラックCが発生することがある。不良クラックCは、ガラスリボン100の搬送方向(A方向)とは反対に、ガラスリボン100の上流側(B方向)に向かって進展する。なお、同図に示したガラスリボン100の幅方向の一方側部位101と他方側部位102は、不良クラックCを境界として分断された状態となる。
【0007】
上述した不良クラックCが発生した場合、この不良クラックCがガラスリボン100から除去されるまでの間、ガラスリボン100から新たにガラス板200を切り出すことが不可能となる。詳述すると、不良クラックCは、これがガラスリボン100の幅方向端縁100aに逸れない限り上流側への進展が停止せず、ガラスリボン100上に存在し続ける。そのため、不良クラックCが偶然に幅方向端縁100aに逸れるまでは、ガラス板200の切り出しを中止せざる得なくなる。これにより、ガラス板200の生産ロスが生じてしまう。従って、ガラスリボン100に不良クラックCが発生した場合に、ガラスリボン100から不良クラックCを迅速に除去できる技術の確立が期待されていた。
【0008】
上述の事情に鑑みて解決すべき技術的課題は、ガラスリボンを元にしてガラス物品を製造するに際し、ガラスリボンに不良クラックが発生した場合に、ガラスリボンから不良クラックを迅速に除去できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための第1のガラス物品の製造方法は、ガラスリボンを搬送経路に沿って搬送する搬送工程と、搬送経路の下流端でガラスリボンからガラス物品を取得する取得工程と、を備えたガラス物品の製造方法であって、ガラスリボンに、ガラスリボンの上流側に向かって進展する不良クラックが発生した場合に、不良クラックをガラスリボンの幅方向端縁に誘導する誘導工程を更に備え、誘導工程では、不良クラックを境界として隔てられたガラスリボンの幅方向の一方側部位に生じる張力と他方側部位に生じる張力との間に張力差を設けることを特徴とする。
【0010】
第1のガラス物品の製造方法では、誘導工程の実行に伴い、不良クラックを境界として隔てられたガラスリボンの幅方向の一方側部位に生じる張力と他方側部位に生じる張力との間に張力差が生じる(以下、両部位のうちの張力が大きい方の部位を「張力大部位」と表記)。この張力差が生じることで、不良クラックは、ガラスリボンの幅方向両端縁のうち、張力大部位に含まれる方の幅方向端縁に向かって進展し、同端縁へと速やかに到達する。これに伴って、ガラスリボンから不良クラックを除去できる。このとおり、本製造方法によれば、ガラスリボンに不良クラックが発生した場合に、ガラスリボンから不良クラックを迅速に除去することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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