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公開番号2025005246
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2023105358
出願日2023-06-27
発明の名称水変色体、水変色体セット
出願人株式会社パイロットコーポレーション,パイロットインキ株式会社
代理人
主分類B43L 1/00 20060101AFI20250108BHJP(筆記用または製図用の器具;机上付属具)
要約【課題】 多孔質層に水を付着させて吸水状態にした水変色材をカバー材で覆うことにより、カバー材内で多孔質層の吸水状態と乾燥状態を部分的に制御し、水変色材に所望の像を形成することのできる水変色体、水変色体セットを提供する。
【解決手段】 低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層5を着色層4の上層に備えた水変色材と、前記水変色材の多孔質層が吸収した水の乾燥を遅延させるカバー材とからなり、前記カバー材は基材7内面の一部に吸水性繊維からなる布帛8を設けた水変色体1、前記水変色体と水付着具とからなる水変色体セット。
【選択図】 図3
特許請求の範囲【請求項1】
低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色材と、前記水変色材の多孔質層が吸収した水の乾燥を遅延させるカバー材とからなり、前記カバー材は基材内面の一部に吸水性繊維からなる布帛を設けてなることを特徴とする水変色体。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記基材は不透明である請求項1記載の水変色体。
【請求項3】
前記カバー材は、基材下面の周縁部が水変色材表面と密接し、周縁部内方は水変色材表面と非接触状態に保持する空隙部を備えてなる請求項1又は2記載の水変色体。
【請求項4】
前記基材は一端又は両端が開口した筒状体である請求項1又は2記載の水変色体。
【請求項5】
前記カバー材の布帛と、水変色材の多孔質層が接触しない請求項4記載の水変色体。
【請求項6】
複数の前記水変色材と、複数の前記カバー材とからなる請求項1又は2記載の水変色体。
【請求項7】
請求項1又は2記載の水変色体と、水付着具とからなる水変色体セット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は水変色体、水変色体セットに関する。更に詳細には水変色材と、前記水変色材に付着した水の乾燥を制御するカバー材とを備えた水変色体、水変色体セットに関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、非吸水状態で不透明であり、吸水状態で透明化する低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層上に配した水変色シートが開示されており、筆記又はスタンプ具や手指等によって水を付着させて水変色像を形成した直後に、前記水変色像をカバー部材で覆うことにより、水変色像の維持時間を延長化させる水変色材セットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記水変色材セットは水変色像の維持時間を延長でき、玩具、教習具への実用性を満足させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2002-254547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この種の多孔質層が吸水状態の水変色材をカバー材で覆うことによって、多孔質層の吸水状態と乾燥状態を制御し、所望の像を形成することのできる意外性に富む水変色体、水変色体セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を着色層の上層に備えた水変色材と、前記水変色材の多孔質層が吸収した水の乾燥を遅延させるカバー材とからなり、前記カバー材は基材内面の一部に吸水性繊維からなる布帛を設けてなることを特徴とする水変色体を要件とする。
更には、前記基材は不透明であること、前記カバー材は、基材下面の周縁部が水変色材表面と密接し、周縁部内方は水変色材表面と非接触状態に保持する空隙部を備えてなること、前記基材は一端又は両端が開口した筒状体であること、前記カバー材の布帛と、水変色材の多孔質層が接触しないこと、複数の前記水変色材と、複数の前記カバー材とからなること等を要件とする。
更には、前記水変色体と、水付着具とからなる水変色体セットを要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、多孔質層に水を付着させて吸水状態にした水変色材をカバー材で覆うことにより、カバー材内で多孔質層の吸水状態と乾燥状態を部分的に制御し、水変色材に所望の像を形成することのできる玩具、教習具としての商品性と実用性を満足させる水変色体、水変色体セットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の一実施例の水変色材の縦断面説明図である。
本発明の一実施例のカバー材の縦断面説明図である。
本発明の一実施例の水変色材とカバー材とからなる水変色体の縦断面説明図である。
本発明の他の実施例の水変色材の縦断面説明図である。
本発明の他の実施例のカバー材の縦断面説明図である。
本発明の他の実施例の水変色材とカバー材とからなる水変色体の縦断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前記水変色材は、着色層の上層に低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた多孔質層を設けてなる。
着色層は、支持体自体が着色層を兼ねてもよいが、支持体表面に着色層(任意形状の像を含む)を設けることが好ましい。
前記支持体は、紙、合成紙、織物、編物、組物、不織布等の布帛、天然又は合成皮革、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属、木材、石材等が用いられる。また、形状としては平面状のものが好ましいが、凹凸状の形態であってもよい。
前記支持体表面に設けられる着色層は、着色剤を含むバインダー樹脂により形成されてなる。
前記着色剤としては、一般染料、一般顔料、蛍光染料、蛍光顔料、金属光沢顔料等が挙げられる。
前記着色剤はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に含有されたインキや塗料を支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて着色層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記着色層は、プロセス印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、インクジェット印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等により支持体上に形成される。
また、予め別の基材上に着色剤とバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に含有されたインキや塗料を塗布して転写層を設け、前記転写層を支持体上に転写して着色層を設けることもできる。
更に、前記支持体が透明性を有する場合は、支持体の裏面(多孔質層を設けていない面)に着色層を設けることもできる。
【0009】
前記着色層上に低屈折率顔料をバインダー樹脂により分散状態に固着した多孔質層を積層して水変色材を得ることができる。
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4~1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
また、前記低屈折率顔料は二種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒子径は特に限定されるものではないが、0.03~10.0μmのものが好適に用いられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
また、前記多孔質層は、水を吸液させるものであるから、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
なお、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0010】
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1~50g/m

であることが好ましく、より好ましくは、5~50g/m

である。1g/m

未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、また、50g/m

を越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体上に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5~2質量部であり、より好ましくは、0.8~1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への水の浸透性が損なわれ易くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、二種以上を併用することもできる。また、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、水との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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