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公開番号2025002832
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103195
出願日2023-06-23
発明の名称細胞培養足場および細胞を培養する手法
出願人帝人フロンティア株式会社,国立大学法人福井大学
代理人個人
主分類C12M 3/00 20060101AFI20241226BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】湿式不織布からなる細胞培養足場であって、細胞培養効率や生存率を向上させることが可能な細胞培養足場、および細胞を培養する手法を提供する。
【解決手段】湿式不織布からなる細胞培養足場であって、捲縮数が3~25個/25.4mmの短繊維を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
湿式不織布からなる細胞培養足場であって、捲縮数が3~25個/25.4mmの短繊維を含むことを特徴とする細胞培養足場。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
短繊維が異型度1.5~6.0の異型断面短繊維である、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項3】
短繊維が、繊維の断面形状において3~10個の突起部を有する異型断面短繊維である、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項4】
短繊維において、繊維長0.5~30mm、繊維径0.5~60μmである、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項5】
短繊維がポリエチレンテレフタレートからなる、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項6】
さらにバインダー繊維を含有し、該バインダー繊維において、繊維長が0.5~30mm、繊維径が0.5~50μmである、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項7】
空隙率が80~99%である、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項8】
平均孔径が20μm~60μmである、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項9】
目付けが10~100g/m

、厚さが0.10~1.0mmである、請求項1に記載の細胞培養足場。
【請求項10】
細胞培養足場に細胞を播種後、振盪培養と静置培養を組み合わせて行うことを特徴とする細胞培養方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式不織布からなる細胞培養足場であって、細胞培養効率や生存率を向上させることが可能な細胞培養足場、および細胞を培養する手法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、医療やワクチンに必要な、酵素、ホルモン、抗体、サイトカイン、ウイルス(ウイルスたんぱく質)等のタンパク質が培養細胞を用いて工業的に産生されている。しかし、こうしたたんぱく質の生産技術は効率面に課題を抱えており、それが持続的かつ広範な供給が不可欠であるバイオ医薬品について、タイムリーな安定供給等に影響を及ぼす状況が生じていた。そのため、高効率かつ安定で迅速な生産方法の確立に向けて、高密度に細胞を培養する技術や、高効率連続生産法等のたんぱく質の産生量を増大させるような技術が求められていた。
【0003】
タンパク質を産生させる細胞として、培養基材に接着する足場依存性の接着細胞が用いられることがある。特に、再生医療分野において、様々な組織または器官に誘導する幹細胞が注目されている。例えば、間葉系幹細胞は、哺乳類の骨髄などに存在し、脂肪細胞、軟骨細胞、骨細胞に分化する幹細胞として知られており、骨、軟骨、神経、腱または歯周組織など多くの組織の再生のために注目を浴びている。こうした細胞は、足場依存的に増殖するため、シャーレ、プレートまたはチャンバーの表面に接着させて培養する必要がある。従来、こうした接着細胞を大量に培養するためには、接着するための表面積を大きくする必要があった。ところが、培養面積を大きくするためには、空間を必然的に増大させる必要があり、それが培養効率を低下させ、設備の煩雑化や大型化を招く要因となっていた。培養空間を小さくしつつ、接着細胞を大量に培養する方法として、微小多孔を有する担体、特に、マイクロキャリアを用いた培養法が開発されている(例えば、特許文献1)。マイクロキャリアを用いた細胞培養系は、マイクロキャリアが互いに凝集しないようにするために十分に攪拌・拡散される必要がある。そのため、マイクロキャリアを分散させた培養液を十分に攪拌・拡散することができるだけの容積が必要となるため、培養できる細かな粒子を分別できるフィルターで分離させる必要があり、それがバイオ医薬品等のたんぱく質やワクチン等の生産性を低下させる原因ともなっていた。こうした状況から、高密度の細胞を培養する細胞培養の方法論が望まれていた。
【0004】
従来、付着性培養細胞の培養において、高密度培養を目的としてポリエステル繊維からなる繊維集積体を用いる培養方法(例えば、特許文献2)、皮膚や歯周組織、顎骨などの組織再生・修復用の足場やテンプレートとしての不織布シートを用いる培養方法(例えば、特許文献3)、繊維束を構成する繊維間の配向と平均繊維径の両方を制御することによって、細胞の接着性と増殖性の両方の効率を向上させる方法(例えば、特許文献4)、さらに、骨補填材を含有する不織布を細胞足場材として使用する骨芽細胞を増殖させる方法(例えば、特許文献5)が知られている。
【0005】
また、哺乳動物や昆虫細胞の培養用支持体として、ポリエステル不織布で構成されるマクロ多孔性担体であるBioNOCII(商標)担体が市販されている。一方、不織布(ポリフッ化ビニリデン繊維)を足場として用いる細胞移植を目的とした3次元培養において、間葉系間質細胞の増殖における該繊維の断面形状の影響を検討した報告もある(例えば、非特許文献1)。また、ポリオレフィン繊維を親水化処理した細胞培養足場およびモジュールにより培養する方法も知られている(例えば、特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2003/054174号パンフレット
特開平8-33473号公報
特開2015-158026号公報
国際公開第2016/68279号パンフレット
特開2012-192105号公報
特開2019-126342号公報
【非特許文献】
【0007】
Schellengber.A.,et al.,PLOS One,vol.9,e94353(2014).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、湿式不織布からなる細胞培養足場であって、細胞培養効率や生存率を向上させることが可能な細胞培養足場、および細胞を培養する手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意研究した結果、前記課題を達成できる細胞培養足場、および細胞を培養する手法を発明するに至った。かくして、本発明によれば以下の発明が提供される。
【0010】
1.湿式不織布からなる細胞培養足場であって、捲縮数が3~25個/25.4mmの短繊維を含むことを特徴とする細胞培養足場。
2.短繊維が異型度1.5~6.0の異型断面短繊維である、上記1に記載の細胞培養足場。
3.短繊維が、繊維の断面形状において3~10個の突起部を有する異型断面短繊維である、上記1または2に記載の細胞培養足場。
4.短繊維において、繊維長0.5~30mm、繊維径0.5~60μmである、上記1~3のいずれかに記載の細胞培養足場。
5.短繊維がポリエチレンテレフタレートからなる、上記1~4のいずれかに記載の細胞培養足場。
6.さらにバインダー繊維を含有し、該バインダー繊維において、繊維長が0.5~30mm、繊維径が0.5~50μmである、上記1~5のいずれかに記載の細胞培養足場。
7.空隙率が80~99%である、上記1~6のいずれかに記載の細胞培養足場。
8.平均孔径が20μm~60μmである、上記1~7のいずれかに記載の細胞培養足場。
9.目付けが10~100g/m

、厚さが0.10~1.0mmである、上記1~8のいずれかに記載の細胞培養足場。
10.細胞培養足場に細胞を播種後、振盪培養と静置培養を組み合わせて行うことを特徴とする細胞培養方法。
11.上記1~9のいずれかに記載の細胞培養足場を用いる、上記10に記載の細胞培養方法。
12.上記1~9のいずれかに記載の培養足場を用い、バイオリアクターに培養液とともに供給する、細胞培養方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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