TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025001668
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-08
出願番号
2024150282,2021542448
出願日
2024-08-30,2020-01-22
発明の名称
NMDA、グリシンおよびAMPA受容体のモジュレーターの薬理ゲノミクス決定支援
出願人
ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン
,
THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G16B
20/00 20190101AFI20241225BHJP(特定の用途分野に特に適合した情報通信技術)
要約
【課題】どの患者が薬物の有効性を経験し、どの患者が有害な薬物事象を経験するかについてのより効果的な決定を可能にし、用量、投薬の頻度に関する推奨及び薬物の選択に関する推奨を患者に対して個別に提供する方法及びコンピューティングデバイスを提供する。
【解決手段】N-メチル-D-アスパルテート受容体アンタゴニスト、グリシン受容体ベータモジュレーター又はα-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸受容体ベースの療法を受ける資格のある、治療抵抗性又は難治性のうつ病、疼痛或いはその他の臨床適応症と診断された患者を特定する方法であって、適切な薬剤、各患者に最適な用量の決定及び療法を受ける資格のない患者の決定を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
神経精神障害に罹患している患者に投与する1つまたは複数の薬物を決定するためのコンピューティングデバイスであって、前記コンピューティングデバイスが、
通信ネットワークと、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合され、命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読メモリと、を備え、前記命令により、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記コンピューティングデバイスが、
患者の生物学的サンプルからデータを入手し、
グルタメートN-メチル-d-アスパルテート受容体(NMDAR)アンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現を、参照データベースから入手し、
前記参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現を考慮して前記生物学的サンプルからの前記データを分析し、
前記分析に基づいて前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現を決定し、
前記患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現と前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現との比較に従って類似性スコアを決定し、
薬物動態の薬理メタボロミクス分析を使用して前記生物学的サンプルからの前記データを分析することにより、前記患者における既存の薬剤、前記既存の薬剤の代謝物、および前記既存の薬剤の投与量を決定し、
(i)前記類似性スコア、および(ii)前記患者の既存の薬剤と前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストとの間の薬物-遺伝子もしくは薬物-薬物相互作用に基づいて、前記患者に前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを投与することを決定し、
前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを投与するための命令を表示することにより、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストが患者に投与されるようにするものであり、
前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストが前記患者に投与される、コンピューティングデバイス。
続きを表示(約 6,900 文字)
【請求項2】
前記命令は、さらに、前記コンピューティングデバイスに、
前記参照データベースから、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストについて、少なくとも参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークおよび参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークを含む構成サブネットワークを取得させ、前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークのバリアントの第1サブセットは、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの有害事象に因果関係があり、前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークのバリアントの第2サブセットは、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの有効性に因果関係があるものであり、
前記患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現には、患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークと患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークが含まれ、前記類似度スコアを決定するために、前記命令は、前記コンピューティングデバイスに、
前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークと前記患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークとの比較、または、
前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークと前記患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークとの比較、
のうちの少なくとも1つに従って前記類似度スコアを決定させる、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現には、前記患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワーク、前記患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワーク、クロマチンリモデリングサブネットワーク、ならびに参照薬物動態酵素およびホルモンサブネットワークが含まれ、前記参照データベースからの前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記構成サブネットワークには、前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワーク、前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワーク、参照クロマチンリモデリングサブネットワーク、ならびにヒトの薬物応答変動にまたがる参照薬物動態酵素およびホルモンサブネットワークが含まれ、
前記類似性スコアを決定するために、前記命令により、前記コンピューティングデバイスが、
前記患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークと前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークとの間の類似性の量に基づいて、第1のスコアを前記患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークに割り当て、
前記患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークと前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークとの間の類似性の量に基づいて、第2のスコアを前記患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークに割り当てる、請求項2に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記類似性スコアに基づいて前記患者へ前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを投与することを決定するために、前記命令により、前記コンピューティングデバイスが、
前記第1のスコアが第1の閾値スコアを超えるか、または前記第2のスコアが第2の閾値スコアを下回る場合、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを前記患者に投与することを決定する、請求項3に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記第1のスコアが第1の閾値スコアを超えるか、または前記第2のスコアが第2の閾値スコアを下回るときに、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを前記患者に投与することを決定するために、前記命令により、前記コンピューティングデバイスが、
前記第1および第2のスコアを組み合わせて、前記類似性スコアを決定し、
前記類似性スコアが第3の閾値スコアを超える場合、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを前記患者に投与することを決定する、請求項4に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記命令により、さらに、前記コンピューティングデバイスが、
前記類似性スコアに基づいて、前記患者に投与するための前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの投与量を決定し、
決定された投与量で前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを投与するための命令を表示することにより、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記決定された投与量を前記患者に投与させる、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記患者に投与するための前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの投与量を決定するために、前記命令により、前記コンピューティングデバイスが、
前記患者の性別、前記患者の年齢、前記患者が喫煙するか否か、前記患者の民族性、前記患者の身長、前記患者の体重、および前記患者の精神病歴のうちの2つ以上の組み合わせに基づき、回帰モデルを使用して前記投与量を決定する、請求項6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記参照データベースから入手された前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現が、ケタミン薬理ゲノミクスネットワーク表現であり、以下のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のコンピューティングデバイス:活性調節細胞骨格関連タンパク質(ARC)遺伝子、Achaete-ScuteファミリーbHLH転写因子1(ASCL1)遺伝子、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子、BDNFアンチセンスRNA(BDNF-AS)遺伝子、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼIIアルファ(CAMK2A)遺伝子、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤1A(CDKN1A)遺伝子、cAMP応答エレメントモジュレーター(CREM)遺伝子、Cut様ホメオボックス2(CUX2)遺伝子、DCCネトリン1受容体(DCC)遺伝子、ドーパミン受容体D2(DRD2)遺伝子、脆弱X精神遅滞1(FMR1)遺伝子、ガングリオシド誘導分化関連タンパク質1様1(GDAP1L1)遺伝子、グルタメート代謝受容体5(GRM5)遺伝子、ホーマー足場タンパク質1(HOMER1)遺伝子、5-ヒドロキシトリプタミン受容体1B(HTR1B)遺伝子、5-ヒドロキシトリプタミン受容体2A(HTR2A)遺伝子、クルッペル様因子6(KLF6)遺伝子、Lin-7ホモログC、crumbs細胞極性複合体成分(LIN7C)の長鎖ノンコーディングRNA、LOC105379109の長鎖ノンコーディングRNA、筋細胞エンハンサー因子2D(MEF2D)遺伝子、ミオシンVI(MYO6)遺伝子、ミエリン転写因子1様(MYT1L)遺伝子、神経分化1(NEUROD1)遺伝子、神経分化2(NEUROD2)遺伝子、ネシェントヘリックスループヘリックス2(NHLH2)遺伝子、ニューロメジンB(NMB)遺伝子、NMDA受容体シナプト核シグナル伝達およびニューロン遊走因子(NSMF)遺伝子、神経栄養受容体チロシンキナーゼ2(NTRK2)遺伝子、ホスホターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)遺伝子、プロスタグランジン-エンドペルオキシドシンターゼ2(PTGS2)遺伝子、Racファミリー低分子GTPase 1(RAC1)遺伝子、Rasタンパク質特異的グアニンヌクレオチド放出因子2(RASGRF2)遺伝子、RasホモログファミリーメンバーA(RHOA)遺伝子、ラウンドアバウトガイダンス受容体2(ROBO2)遺伝子、RP11_360A181の長鎖ノンコーディングRNA、セマフォリン3A(SEMA3A)遺伝子、SH3および複数のアンキリン反復ドメイン1(SHANK1)遺伝子、SH3および複数のアンキリン反復ドメイン2(SHANK2)遺伝子、SH3および複数のアンキリン反復ドメイン3(SHANK3)遺伝子、溶質キャリアファミリー22メンバー15(SLC22A15)遺伝子、溶質キャリアファミリー6メンバー2(SLC6A2)遺伝子、スリットガイダンスリガンド1(SLIT1)遺伝子、スリットガイダンスリガンド2(SLIT2)遺伝子、シナプトソーム関連タンパク質25(SNAP25)遺伝子、シナプシンI(SYN1)遺伝子、シナプシンII(SYN2)遺伝子、シナプシンIII(SYN3)遺伝子、Tボックス、脳1(TBR1)遺伝子、転写因子4(TCF4)遺伝子、アセチルコリンエステラーゼ(ACHE)遺伝子、活性化転写因子7相互作用タンパク質(ATF7IP)遺伝子、転写活性化因子7相互作用タンパク質2(ATF7IP2)遺伝子、ATPase Na+/K+輸送サブユニットアルファ1(ATP1A1)遺伝子、BLOC-1関連複合ユニット7(BORCS7)遺伝子、ブロモドメイン含有4(BRD4)遺伝子、カルシウム電圧ゲートチャネルサブユニットアルファ1C(CACNA1C)遺伝子、カルシウム電圧ゲートチャネル補助サブユニットベータ1(CACNB1)遺伝子、カルシウム電圧ゲートチャネル補助サブユニットベータ2(CACNB2)遺伝子、カルシウム電圧ゲートチャネル補助サブユニットガンマ2(CACNG2)遺伝子、コリン作動性受容体ムスカリン性2(CHRM2)遺伝子、コリン作動性受容体ニコチン性アルファ3サブユニット(CHRNA3)遺伝子、コリン作動性受容体ニコチンアルファ5サブユニット(CHRNA5)遺伝子、コリン作動性受容体ニコチンアルファ7サブユニット(CHRNA7)遺伝子、カンナビノイド受容体1(CNR1)遺伝子、ディスクラージホモログ3(DLG3)遺伝子、ディスクラージホモログ4(DLG4)遺伝子、DNAメチルトランスフェラーゼ1(DNMT1)遺伝子、ユークロマティックヒストンリジンメチルトランスフェラーゼ1(EHMT1)遺伝子、ガンマアミノ酪酸タイプA受容体アルファ2サブユニット(GABRA2)遺伝子、ガンマアミノ酪酸タイプA受容体アルファ5サブユニット(GABRA5)遺伝子、グルタミン酸デカルボキシラーゼ1(GAD1)遺伝子、グリシン受容体アルファ1(GLRA1)遺伝子、グリシン受容体アルファ2(GLRA2)遺伝子、グリシン受容体ベータ(GLRB)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体AMPA型サブユニット1(GRIA1)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体AMPA型サブユニット2(GRIA2)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体AMPA型サブユニット4(GRIA4)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット1(GRIN1)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット2A(GRIN2A)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット2B(GRIN2B)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット2C(GRIN2C)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット2D(GRIN2D)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット3A(GRIN3A)遺伝子、グルタミン酸イオンチャネル内蔵型受容体NMDA型サブユニット3B(GRIN3B)遺伝子、過分極活性化環状ヌクレオチドゲートカリウムチャネル1(HCN1)遺伝子、ヒストンデアセチラーゼ5(HDAC5)遺伝子、メチル-CpG結合ドメインタンパク質1(MBD1)遺伝子、M相リン酸化タンパク質8(MPHOSPH8)遺伝子、神経細胞接着分子1(NCAM1)遺伝子、硝酸シンターゼ1(NOS1)遺伝子、硝酸シンターゼ2(NOS2)遺伝子、硝酸シンターゼ3(NOS3)遺伝子、NAD(P)Hキノンデヒドロゲナーゼ1(NQO1)遺伝子、オピオイド受容体カッパ1(OPRK1)遺伝子、オピオイド受容体ミュー1(OPRM1)遺伝子、ラウンドアバウトガイダンス受容体2(ROBO2)遺伝子、SETドメイン分岐1(SETDB1)遺伝子、SH3および複数のアンキリン反復ドメイン2(SHANK2)遺伝子、シグマ非オピオイド細胞内受容体1(SIGMAR1)遺伝子、溶質キャリアファミリー6メンバー9(SLC6A9)遺伝子、転写活性化サプレッサー(TASOR)遺伝子、軸索微小管のTOGアレイレギュレーター2(TOG array regulator of axonemal microtubules 2)(TOGORAM2)遺伝子、三要素モチーフ含有28(TRIM28)遺伝子、亜鉛フィンガータンパク質274(ZNF274)遺伝子、後期促進複合体サブユニット2(ANAPC2)遺伝子、チトクロームP450ファミリー2サブファミリーAメンバー6(CYP2A6)遺伝子、チトクロームP450ファミリー2サブファミリーBメンバー6(CYP2B6)遺伝子、チトクロームP450ファミリー3サブファミリーAメンバー4(CYP3A4)遺伝子、真核生物伸長因子2キナーゼ(EEF2K)遺伝子、エストロゲン受容体1(ESR1)遺伝子、または転写伸長レギュレーター1(TCERG1)遺伝子。
【請求項9】
神経精神障害に罹患している患者を治療するための方法であって、
患者の生物学的サンプルを入手することと、
グルタメートN-メチル-d-アスパルテート受容体(NMDAR)アンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現を、参照データベースから、入手することと、
前記参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現を考慮して前記生物学的サンプルを分析することと、
前記分析に基づいて前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現を決定することと、
前記患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現と前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの前記参照薬物薬理ゲノミクスネットワーク表現との比較に従って類似性スコアを決定することと、
前記患者の臨床データを取得することと、
薬物動態の薬理メタボロミクス分析を使用して前記生物学的サンプルからのデータを分析することにより、前記患者における既存の薬剤、前記既存の薬剤の代謝物、および前記既存の薬剤の投与量を決定することと、
(i)前記類似性スコア、および(ii)前記患者の既存の薬剤と前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストとの間の薬物-遺伝子もしくは薬物-薬物相互作用に基づいて、前記患者への投与について、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの投与を決定することと、
前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストを前記患者に投与することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記参照データベースから、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストについて、少なくとも参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークおよび参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークを含む構成サブネットワークを取得すること、をさらに含み、
前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークのバリアントの第1サブセットは、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの有害事象に因果関係があり、前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークのバリアントの第2サブセットは、前記NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニストの有効性に因果関係があるものであり、
前記患者の薬理ゲノミクスネットワーク表現には、患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークと患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークが含まれ、
前記類似度スコアを決定することには、
前記参照薬物の薬力学的有効性サブネットワークと前記患者の薬物の薬力学的有効性サブネットワークとの比較、または、
前記参照薬物の薬力学的有害事象サブネットワークと前記患者の薬物の薬力学的有害事象サブネットワークとの比較、
のうちの少なくとも1つに従って前記類似度スコアを決定することが含まれる、
請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、(1)2019年1月23日に出願された「薬理ゲノミクス調節相互作用から薬物空間ネットワークを再構築するための方法およびシステム、ならびにそれらの使用」と題された米国仮出願第62/795,705号、および(2)2019年1月23日に出願された「N-メチル-D-アスパルテート受容体モジュレーターのコンパニオン診断アッセイ」と題された米国仮出願第62/795,710号に対する優先権および当該仮出願の出願日の利益を主張し、各々の開示全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
続きを表示(約 5,300 文字)
【0002】
本明細書に記載の技術は、ケタミンおよびそのエナンチオマーを例として使用する、N-メチル-D-アスパルテート(NMDA)受容体、グリシン受容体、およびα-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体ベースのうつ病(特に、治療抵抗性または難治性うつ病)、ならびに感覚消失および痛覚消失/疼痛障害、神経精神障害、および神経学的障害を含む他の臨床適応症の療法の選択に有用な薬理ゲノミクス臨床決定支援アッセイに関する。より具体的には、これらの技術は、個々の患者のこれらの受容体ネットワークおよび用量に影響を与える薬剤の選択を最適化するための、遺伝子マーカー、臨床的価値、および患者に由来する疾患表現型を含む特定のバイオマーカーに関する。
【背景技術】
【0003】
既存の抗うつ薬は多くの患者に効果的ではない。ヒト前脳のグルタメート受容体を標的とする新しいクラスの抗うつ薬が開発されている。米国食品医薬品局(FDA)によって麻酔薬として承認された、グルタメートN-メチル-d-アスパルテート受容体(NMDAR)非競合的アンタゴニストであるケタミン(RS-2-クロロフェニル-2-メチルアミノ-シクロヘキサノン)は、治療抵抗性うつ病(TRD)患者の抗うつ薬として有望であることが示されている。ラセミ処方物(formula)は、いくつかの変数に応じて、強力で望ましくない精神異常発現性の副作用および他の副作用を有する可能性があるが、ケタミンの化学類似体は、有害事象の減少を示す。静脈内製剤および経口製剤は、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)を含む、セロトニントランスポーター(SLC6A4、5HTTまたはSERT1とも呼ばれる)を標的とする従来の抗うつ薬からの応答がほとんどまたはまったくない場合が多いことがよく知られている患者集団全体の対照試験および非盲検試験において有効性および忍容性を実証されている。
証拠は、ケタミン、そのエナンチオマー、およびケタミン類似体が、主にヒト脳におけるこのネットワーク内でのNMDA受容体(NMDAR)および下流受容体の調節を通じて、それらの作用機序を発揮することを示唆している。
【0004】
ケタミン様薬物の薬力学的(PD)標的は、GRIN1およびGRIN2サブユニットからなるNMDARであり、グルタメートおよびN-メチル-D-アスパルテート、GLRBによってコードされるグリシンおよびD-セリンの結合部位、ならびにポリアミン、ヒスタミンおよびカチオンを結合する部位に結合する。アンタゴニスト、部分的アンタゴニスト、および受容体モジュレーター(ケタミン、ならびにそのNMDARおよび他のNMDARなど)、ならびにグリシンモジュレーター(フェンシクリジン、アマンタジン、デキストロメトルファン、チレタミン、リルゾール、メトキセタミン、メトックスフェニジン、およびメマンチンを含む)は、内向きのCa
+2
流入を遮断し、シナプス後脱分極を防ぐ。ニューロイメージング研究は、ケタミンの静脈内注入が、迅速な抗うつ効果と協調して、前頭前皮質で観察されるグルタメートレベルの一時的な急上昇を引き起こすことを実証している。NMDAR遮断後、グルタメートはα-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸(AMPA)受容体のGRIA1、GRIA2、およびGRIA4サブユニットに優先的に結合することが示されている。いくつかのNMDARアンタゴニストおよび部分的アンタゴニスト、GLRBモジュレーター、ならびにAMPARアゴニストは、難治性うつ病の療法用に開発中であるが、患者において解離作用を示す。さらに、安全上の懸念に基づいて臨床試験で失敗したこのクラスの薬物と同じネットワークで作用するNMDARアンタゴニスト、GLRBアンタゴニストおよびAMPARモジュレーター、部分的アンタゴニストおよび受容体モジュレーターを、本開示の方法を使用して転用することにより、臨床試験で成功する見込みが高くなる可能性がある。
【0005】
ヒト調節エピゲノムの3次元(3D)アーキテクチャは、ヒト表現型を決定する上で主要な役割を果たしている。ゲノムワイド関連解析(GWAS)で見つかった疾患リスク、薬物応答、および他のヒト形質に関連する重要な一塩基多型(SNP)の大部分は、エンハンサー、プロモーター、および他のノンコーディング調節エレメント内にあることが現在認められている。機能的な4Dヌクレオームの構成に関する最近の洞察と相まって、豊富な生物医学の「ビッグデータ」がオープンソースおよび独自のリソースにおいてアクセスできるようになり、ヒトゲノムにおける薬物調節経路の再構築が可能になった。ゲノムワイド関連解析(GWAS)、フェノームワイド関連解析(PheWAS)、ならびに電子カルテデータおよび臨床試験データのマイニングの結果からの調節バリアントのマイニングに新しい方法が適用されている。これらのデータソースからの一塩基多型(SNP)特性の関連付けが、経路分析の観点から再評価され、同じまたは関連する生物学的ネットワークに解決されるため、重要であると判明していることは、今や当技術分野の常識である。豊富な生物医学データと生物学的ネットワークをマイニングするための革新的な方法とを組み合わせることで、有害な薬物事象を含む薬物応答の変動性に影響を与える可能性のある遺伝子バリアントを検出するための基盤が提供されている。このアプローチは、薬物の有効性の欠如および大量の薬物有害事象が患者のケアにおいて特に問題があることが証明されている、精神医学などの専門分野でのきわめて大きな進歩を約束する。
【0006】
全アメリカ人の半数以上が、生涯にわたって精神障害の症状を示す。最も一般的な生涯精神障害は、ストレスおよび不安障害、気分障害(大うつ病性障害および双極性障害を含む)、衝動調節障害、物質使用障害および統合失調感情障害である。米国におけるいずれかの精神障害の生涯有病率は53%であり、28%は2つ以上の生涯障害、18%は3つ以上の生涯障害を有しており、これは、精神障害の併存症が重大な医学的課題であることを示している。双極1型障害などの一部の精神障害は、約80%の浸透率で家族に遺伝するが、他の精神障害は明らかな遺伝率を示していない。大うつ病性障害(MDD)の場合、家族、双生児および養子縁組の研究によって示されているように、遺伝的要因が疾患の病因に重要な役割を果たす。双生児研究は50%の遺伝率を示唆しており、家族研究は一親等の血縁者の間でMDDを発症する生涯リスクが2倍から3倍増加することを示している。いくつかの社会人口統計学的変数は、コホートを管理した研究における精神障害の生涯リスクと有意に関連している。例えば、女性(生物学的性別)は不安神経症および大うつ病性障害の男性よりも有意に高いリスクを有し、男性(生物学的性別)は衝動調節障害および物質乱用障害の女性よりも有意に高いリスクを有する。非ヒスパニック系黒人およびヒスパニック系白人は、不安、気分、および物質乱用障害の非ヒスパニック系白人よりもリスクが有意に低く、教育水準が低いと物質乱用障害のリスクが高くなる。データは、環境的および社会学的要因、生物学的性別、民族性および家族性遺伝学に至るまでの多くの要因がすべて精神疾患の病因に寄与することを示している。さらに、他の精神障害およびストレス関連疾患との併存疾患を含む、個々の患者または患者のコホート内の表現型の複雑さは、現在利用可能なものを超えて精密療法を正確に特定するために、機械学習を含む一連の異なるアルゴリズム分類ソリューション、および線形回帰を含む複数の統計分析を必要とする。
【0007】
精神疾患は、他のどの病気よりも人間の健康に大きな影響を及ぼす。例えば、大うつ病性障害(MDD)は、癌、心臓病、脳卒中、慢性閉塞性肺疾患、およびHIV/AIDSなどの他のどの病状よりも世界中で大きな障害の負担を引き起こすが、依然として、人類に知られている最も診断されておらず、誤診されている、未治療または治療が不十分な疾患である。2013年、米国国立衛生研究所(NIH)は、うつ病の研究に比べて腫瘍学の研究に13倍の資金(4億1500万ドルに対して約53億ドル)を提供した。米国では、2009年から2011年にかけて、処方された抗うつ薬に関連する有害事象は年間25,000回を超える救急治療室への訪問に達し、処方薬関連の入院全体の30%を毎年占めている。大うつ病性障害および併存疾患(comorbid medical conditions)のある患者は、併存疾患(comorbid conditions)のない患者と比較して、より重度のうつ病の症状、ならびに抗うつ薬治療による応答率および寛解率の低下を経験する。治療抵抗性うつ病(TRD)は、MDDと診断された全患者の30~40%を占め、「証拠に基づいた許容可能な用量および期間であることが知られている2つの確立された抗うつ薬過程の後に寛解を遂げられない」と定義される。
【0008】
現代の抗うつ薬は多くの患者に効果的ではなく、応答または寛解する患者では、症状の緩和が達成される前に数週間から数ヶ月の薬物療法が必要とされる。それゆえ、より新しく、より効果的な抗うつ薬が開発されている。例えば、ケタミンのラセミ混合物およびケタミンのS-エナンチオマーの両方が、TRDの治療のために米国食品医薬品局(FDA)によって承認されたN-メチル-D-アスパルテート受容体(NMDAR)部分的アンタゴニストの例である。ケタミンは、Montgomery-Åsbergうつ病評価尺度(MADRS)の合計スコアによって測定した場合、TRD患者の約50%で、迅速な抗うつ薬応答およびそれに付随する皮質におけるグルタメートレベルの上昇を誘発する。
R、S-ケタミンは1970年以来、慢性疼痛、周術期痛覚消失、および鎮静などの臨床適応症に使用されてきたが、ケタミン治療後の薬物有害事象(AE)は一般的であり、使用を入院治療および外来治療設定に制限することで転用が制限されている。例えば、FDAに提出する前のTRDに対するエスケタミンの第III相臨床試験では、TRD患者のほぼ4分の1が重度の妄想作用を経験し、2人の死亡が報告され、治療群のTRD患者のさらに6.9%が、せん妄、妄想、および自殺念慮、ならびに自殺未遂などの重度の精神異常発現作用を経験した。
【0009】
精神医学における課題の1つは、個々の患者の複雑な症状に正確に対処するための薬物療法の正確な一致である。精神病患者は広範な併存障害を示し、抗うつ薬、抗精神病薬、および抗躁療法を患者に正確に合わせるための診断基準として使用できる客観的なバイオマーカーはほとんどない。ハミルトンうつ病尺度(HAM-D)などの診断評価尺度は、評価者間の信頼性が高いことを示しているが、うつ病などの精神障害は、様々な異なる表現型として存在する。非薬理学的療法は、TRDまたは再発性うつ病を有する患者において有効性の改善を示す可能性がある。例えば、反復経頭蓋磁気刺激法(rTMS)は、TRDに罹患している患者の非薬剤療法の代替手段として有望である。しかしながら、TRDで最良の結果が得られるのは、NMDARアンタゴニストもしくは部分的アンタゴニスト、GLRBモジュレーター、またはAMPARアゴニストを含む抗うつ薬クラスの薬剤の場合と同様に、rTMSを従来の抗うつ薬薬物療法の補助として使用した場合であり、これはすでに別の抗うつ薬を服薬している患者に臨床現場でしか提供することができない。
【0010】
rTMS療法は数十回の臨床訪問を必要とし、寛解はTRD患者間で大きく異なり、rTMSはうつ病からの寛解が1~2年も続く症例の約20~40%でしか有効ではない。
ニューロイメージングと組み合わせたrTMSの最近の結果は、rTMSアレイの配置の違いに基づく、無快感症および不安神経症の軸に沿った4つの異なる表現型へのうつ病患者の特定のクラスター化を示している。これらの結果は、異なる脳接続経路、患者間でかなりの個人間変動を示すネットワークの活性化に基づく表現型によって精神病患者を層別化することができ、個々の患者に対する最適な療法の正確な一致の機会を大幅に改善するという実質的な証拠となる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
抗体パスポート
3か月前
個人
N式トータルシステム
1か月前
株式会社リンク
心理分析システム
4か月前
個人
自動車乗員の健康管理システム
4か月前
株式会社Y4.com
情報処理装置
3か月前
富士通株式会社
リスクと診断
2か月前
株式会社I.W.G
医療支援システム
3か月前
株式会社M-INT
情報処理システム
1か月前
株式会社タカゾノ
作業時間計測システム
2か月前
住友化学株式会社
組成提案システム
3か月前
株式会社日立製作所
情報システム
29日前
株式会社Smart119
情報処理システム
2か月前
富士通株式会社
介入方法及び介入プログラム
4か月前
個人
弾塑性有限要素法におけるデータ同化の演算方法
1か月前
株式会社BiPSEE
情報処理装置及びプログラム
4か月前
公益財団法人がん研究会
画像診断報告書作成システム
1か月前
富士通株式会社
機器特定方法及び機器特定プログラム
4か月前
株式会社バシラックス
零売サービス提供システム
1か月前
ロゴスサイエンス株式会社
ヘルスケアシステムおよびその方法
3か月前
トヨタ自動車株式会社
情報処理装置
23日前
ロゴスサイエンス株式会社
ヘルスケアシステムおよびその方法
21日前
株式会社ミラボ
スケジュール案内装置、及びプログラム
4か月前
トヨタ自動車株式会社
情報処理装置
23日前
三幸電子株式会社
医薬品販売管理システム
4か月前
日清食品ホールディングス株式会社
シニアの健康状態の改善方法
4か月前
TIS株式会社
処方箋管理システム
3か月前
大和ハウス工業株式会社
消費カロリー推定システム
今日
個人
プログラムおよび情報処理装置
1か月前
株式会社AIVICK
食品提供装置及びプログラム
1か月前
KDDI株式会社
情報処理装置、方法及びプログラム
3か月前
KDDI株式会社
食事管理装置、方法及びプログラム
3か月前
KDDI株式会社
摂食監視装置、方法及びプログラム
3か月前
ダイキン工業株式会社
睡眠評価方法及び情報処理装置
3か月前
三島光産株式会社
お薬パック供給装置
3か月前
株式会社100
サービス提供サーバおよびサービス提供方法
4か月前
富士通株式会社
評価プログラム、評価装置及び評価方法
3か月前
続きを見る
他の特許を見る