TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025000586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2024097777
出願日2024-06-18
発明の名称ビールテイスト飲料
出願人サントリーホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C12C 5/02 20060101AFI20241224BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】良好な香りの芳醇さを有しつつ、アルコールによる過度の刺激感が少ないビールテイスト飲料が求められていた。
【解決手段】アルコール度数が10.0(v/v)%以上であり、酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上であり、酢酸イソアミルの含有量が3質量ppm以上である、ビールテイスト飲料。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルコール度数が10.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上であり、
酢酸イソアミルの含有量が3質量ppm以上である、ビールテイスト飲料。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
アルコール度数が12.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上である、ビールテイスト飲料。
【請求項3】
n-プロパノールの含有量が55質量ppm以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項4】
酢酸エチルの含有量が60質量ppm以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項5】
アルコール度数が50.00(v/v)%以下である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項6】
イソアミルアルコールの含有量が110~1000質量ppmである、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項7】
下記式(1)を満たす、
式(1):X/Y>3.00
[上記式(1)中、Xは下記群Xの化合物の合計含有量を示し、Yは下記群Yの化合物の合計含有量を示す。]請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料:
群X:イソアミルアルコール、n-プロパノール、イソブタノール、およびフェネチルアルコールからなる群から選択される1種以上、
群Y:酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、およびオクタン酸エチルからなる群から選択される1種以上。
【請求項8】
麦芽比率が50質量%以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項9】
発酵飲料である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。
【請求項10】
上面発酵ビールテイスト飲料である、請求項9に記載のビールテイスト飲料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、麦芽ベース原液と炭酸水などとを混合することによって、ビール飲料を製造する方法や装置が知られている。
例えば、特許文献1には、麦芽ベース発酵飲料濃縮物と炭酸液体希釈剤とを混合することによって、麦芽ベース発酵飲料を製造するビール飲料製造方法やのビール飲料ディスペンサー装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
WO2018/100071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の麦芽ベース原液のように、希釈することを前提とするビールテイスト原液は、通常のビールテイスト飲料と比べるとアルコール度数が高く設計される。近年、このようなアルコール度数の高い原液を希釈せずに飲用に供する需要も高まる中、本発明者らは、アルコール度数の高い原液をそのまま飲用に供する際にアルコールによる過度の刺激感という不適な香味が残りやすいという問題に直面した。
このような状況下、良好な香りの芳醇さを有しつつ、アルコールによる過度の刺激感が少ないビールテイスト飲料が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、特定の酢酸系成分の含有量を所定の範囲に調整することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明には、以下の態様が含まれる。
[1]
アルコール度数が10.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上であり、
酢酸イソアミルの含有量が3質量ppm以上である、ビールテイスト飲料。
[2]
アルコール度数が12.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上である、ビールテイスト飲料。
[3]
n-プロパノールの含有量が55質量ppm以上である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
酢酸エチルの含有量が60質量ppm以上である、[1]~[3]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[5]
アルコール度数が50.00(v/v)%以下である、[1]~[4]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[6]
イソアミルアルコールの含有量が110~1000質量ppmである、[1]~[5]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[7]
下記式(1)を満たす、
式(1):X/Y>3.00
[上記式(1)中、Xは下記群Xの化合物の合計含有量を示し、Yは下記群Yの化合物の合計含有量を示す。][1]~[6]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料:
群X:イソアミルアルコール、n-プロパノール、イソブタノール、およびフェネチルアルコールからなる群から選択される1種以上、
群Y:酢酸エチル、酢酸イソアミル、カプロン酸エチル、およびオクタン酸エチルからなる群から選択される1種以上。
[8]
麦芽比率が50質量%以上である、[1]~[7]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[9]
発酵飲料である、[1]~[8]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[10]
上面発酵ビールテイスト飲料である、[1]~[9]のいずれか一項に記載のビールテイスト飲料。
[11]
アルコール度数が10.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上であり、
酢酸イソアミルの含有量が3質量ppm以上である、ビールテイスト原液。
[12]
アルコール度数が12.0(v/v)%以上であり、
酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上である、ビールテイスト原液。
[13]
2~10倍希釈用の原液である、[11]又は[12]に記載のビールテイスト原液。
[14]
[11]又は[12]に記載のビールテイスト原液に可食性水溶液を混合して作られたビールテイスト飲料。
[15]
[11]又は[12]に記載のビールテイスト原液に可食性水溶液を混合する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様によれば、良好な香りの芳醇さを有するビールテイスト飲料を提供する。また、本発明の好適な一態様によれば、アルコールによる過度の刺激感が抑制されたビールテイスト飲料を提供する。また、本発明の好適な一態様によれば、良好な香りの芳醇さを有しつつ、アルコールによる過度の刺激感が抑制されたビールテイスト飲料を製造できるビールテイスト原液を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.ビールテイスト飲料
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有の炭酸飲料をいう。つまり、本明細書のビールテイスト飲料は、特に断わりがない場合、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料をも包含する。
したがって、「ビールテイスト飲料」は、麦芽、ホップ、および水を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる麦芽発酵飲料であるビールや、発酵ビールテイスト飲料だけでなく、エステルや高級アルコールやラクトンなどを含むビール香料が添加された炭酸飲料、その他日本の酒税法上の名称における発泡酒、発泡性のリキュール類を包含する。
【0008】
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵ビールテイスト飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
発酵ビールテイスト飲料としては、上面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造されたエールビールテイスト飲料であってもよく、下面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造されたラガービールテイスト飲料、ピルスナービールテイスト飲料であってもよいし、これらのビールテイスト飲料をブレンドしたものであってもよい。また、本明細書でいう「発酵」は、アルコールが生じるアルコール発酵であってもよく、アルコールが生じない非アルコール発酵であってもよい。
加えて、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原料として麦芽(例えば、大麦麦芽、小麦麦芽等)を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよい。麦芽使用ビールテイスト飲料としては、例えば、大麦麦芽使用ビールテイスト飲料が挙げられる。
また、本発明の一態様のビールテイスト飲料は、原料として麦(例えば、大麦、小麦等)を用いた麦使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦を用いない麦不使用ビールテイスト飲料であってもよい。麦使用ビールテイスト飲料としては、例えば、大麦使用ビールテイスト飲料が挙げられる。
【0009】
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール度数が10.0(v/v)%以上であり、酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上であり、酢酸イソアミルの含有量が3質量ppm以上である、ビールテイスト飲料である。
また、本発明の別の一態様のビールテイスト飲料は、アルコール度数が12.0(v/v)%以上であり、酢酸エチルの含有量が50質量ppm以上である、ビールテイスト飲料である。
ビールテイスト飲料においてアルコール度数を高く設計すると、アルコールによる刺激感が強くなり、飲みにくい飲料となり易い傾向があった。このような問題に対し、本発明者らが検討を重ねたところ、アルコール度数を10.0(v/v)%以上又は12.0(v/v)%以上と高く設計しても、酢酸エチル及び/又は酢酸イソアミルの含有量を所定の範囲に調整することで、芳醇な香りがしっかりと感じられるようになり、これにより、アルコール度数の高さに起因する過度な刺激感を感じにくくなることが分かった。
【0010】
本発明の一態様のビールテイスト飲料は、適度な刺激感を有するビールテイスト飲料とする観点から、アルコール度数(エタノールの含有量)(v/v)%は、8.0(v/v)%以上であるが、8.5(v/v)%以上、9.0(v/v)%以上、9.5(v/v)%以上、10.0(v/v)%以上、10.5(v/v)%以上、11.0(v/v)%以上、11.5(v/v)%以上、12.0(v/v)%以上、12.5(v/v)%以上、13.0(v/v)%以上、13.5(v/v)%以上、14.0(v/v)%以上、14.5(v/v)%以上、15.0(v/v)%以上、15.5(v/v)%以上、16.0(v/v)%以上、16.5(v/v)%以上、17.0(v/v)%以上、17.5(v/v)%以上、18.0(v/v)%以上、18.5(v/v)%以上、19.0(v/v)%以上、19.5(v/v)%以上、20.0(v/v)%以上、20.5(v/v)%以上、21.0(v/v)%以上、21.5(v/v)%以上、22.0(v/v)%以上、22.5(v/v)%以上、23.0(v/v)%以上、23.5(v/v)%以上、24.0(v/v)%以上、24.5(v/v)%以上、または、25.0(v/v)%以上であってもよい。
他方、過度の刺激感が少ないビールテイスト飲料とする観点から、アルコール度数は、50.0(v/v)%以下、45.0(v/v)%以下、40.0(v/v)%以下、35.0(v/v)%以下、30.0(v/v)%以下、25.0(v/v)%以下、24.5(v/v)%以下、24.0(v/v)%以下、23.5(v/v)%以下、23.0(v/v)%以下、22.5(v/v)%以下、22.0(v/v)%以下、21.5(v/v)%以下、21.0(v/v)%以下、20.5(v/v)%以下、または、20.0(v/v)%以下であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

個人
セルロース性物質の製造方法
21日前
SMC株式会社
気体供給装置
3日前
株式会社GSP研究所
miRNA検出方法
1か月前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
24日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
24日前
アサヒビール株式会社
容器詰麦芽発酵飲料
18日前
株式会社エムスタイル
微生物群の賦活化方法
1か月前
学校法人君が淵学園
核酸の部位特異的アシル修飾剤
20日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
17日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
17日前
ヤマサ醤油株式会社
アルギニン非分解性乳酸菌株の取得方法
10日前
サッポロビール株式会社
茶風味アルコール飲料
5日前
サムコ株式会社
ポアデバイス
21日前
学校法人近畿大学
好気性微生物の培養方法および培養器
17日前
国立大学法人富山大学
T細胞受容体およびその利用
21日前
株式会社豊田中央研究所
環境核酸モニタリング方法
17日前
三浦工業株式会社
試料液に含まれる微生物の生体の抽出方法
21日前
学校法人関西医科大学
ポリペプチド
17日前
個人
液滴処理装置、液滴処理システム及び液滴処理方法
11日前
個人
細胞処理装置、細胞処理システム及び細胞処理方法
26日前
ヤマト科学株式会社
生体由来物質の濃縮方法
10日前
サントリーホールディングス株式会社
ビールテイスト飲料
26日前
花王株式会社
目的タンパク質の生産方法
21日前
キヤノン株式会社
細胞剥離方法及び細胞剥離装置
11日前
株式会社 資生堂
肌性状の評価方法
20日前
キヤノン株式会社
細胞剥離方法及び細胞剥離装置
11日前
PHCホールディングス株式会社
培養装置
17日前
三菱重工パワーインダストリー株式会社
藻類培養方法
10日前
アースジャパンファーム株式会社
カルボン酸組成物の製造方法
1か月前
ポーラ化成工業株式会社
シミ発生リスクの鑑別法
4日前
公益財団法人東京都医学総合研究所
変異型TDP-43タンパク質
21日前
白鶴酒造株式会社
清酒、酵母の育種方法、酵母、及び清酒の製造方法
24日前
昭和産業株式会社
風味が改善された糖質の製造方法
11日前
公益財団法人相模中央化学研究所
プロテアーゼ共発現による組換えタンパク質の製造法
17日前
学校法人福岡大学
細胞シート支持体、細胞シート積層体及びその製造方法
25日前
国立大学法人東京科学大学
タンパク質結晶材料の製造
5日前
続きを見る