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公開番号2025000203
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2023099921
出願日2023-06-19
発明の名称
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類F16K 3/00 20060101AFI20241224BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】耐摩耗性および耐エロージョン性を向上可能な弁を提供することである。
【解決手段】実施形態の弁は、弁箱シート部が設けられている弁箱と、弁体シート部が設けられている弁体とを有する。弁箱シート部と弁体シート部とのうち一方は、Co基合金の肉盛材で形成され、弁箱シート部と弁体シート部とのうち他方は、Fe基合金の肉盛材で形成されている。Fe基合金の肉盛材は、プラズマアーク溶接で形成された肉盛溶接部について、なめ付け溶接を実行することで作製されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
弁箱シート部が設けられている弁箱と、
弁体シート部が設けられている弁体と
を有する弁であって、
前記弁箱シート部と前記弁体シート部とのうち一方は、Co基合金の肉盛材で形成され、
前記弁箱シート部と前記弁体シート部とのうち他方は、Fe基合金の肉盛材で形成され、
前記Fe基合金の肉盛材は、プラズマアーク溶接で形成された肉盛溶接部について、なめ付け溶接を実行することで作製されている、
弁。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記Fe基合金は、
Crが23.0%以上26.0%以下であり、
Moが1.8%以上2.2%以下であり、
Siが3.1%以上3.5%以下であり、
Cが1.10%以上1.35%以下であり、
Niが3.7%以上5.0%以下であり、
Mnが4.0%以上5.0%以下であり、
Bが0%以上0.002%未満であり、
Sが0%以上0.01%未満であり、
Pが0%以上0.020%未満であり、
Nが0%以上0.18%未満であり、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有する
請求項1に記載の弁。
【請求項3】
原子力プラントの軽水炉において使用される、
請求項1または2に記載の弁。
【請求項4】
弁箱シート部が設けられている弁箱と、
弁体シート部が設けられている弁体と
を有する弁の製造方法であって、
前記弁箱シート部と前記弁体シート部とのうち一方を、Co基合金の肉盛材で形成するCo基合金肉盛材形成工程と、
前記弁箱シート部と前記弁体シート部とのうち他方を、Fe基合金の肉盛材で形成するFe基合金肉盛材形成工程と
を有し、
前記Fe基合金肉盛材形成工程では、プラズマアーク溶接で形成された肉盛溶接部についてなめ付け溶接を実行することで前記Fe基合金の肉盛材を作製する、
弁の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、弁に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
弁は、弁箱において弁座として機能する弁箱シート部と、弁体において弁座として機能する弁体シート部とを含み、弁箱シート部および弁体シート部は、耐摩耗性および耐エロージョン性に優れる材料で形成されている。
【0003】
例えば、原子力プラントの軽水炉で使用される弁は、Co基合金の肉盛材で弁箱シート部および弁体シート部が形成されている。しかし、Co基合金が高温かつ高圧な水に接するため、Co基合金からCo成分が炉水に溶出する場合がある。また、弁の開閉動作においてCo基合金の肉盛材同士が摺動して摩耗するため、その摩耗したCo成分が炉水に混入する場合がある。そのCo成分は、炉心中において放射性同位体であるCo
60
になり、配管、タービンなどの機器にCo
60
が付着する場合がある。その結果、軽水炉の定期検査の作業において、作業者の被ばく量の低減が困難になる場合がある。
【0004】
このため、炉水に入るCo成分の量を低減するために、Co成分を含有しないコバルトフリー材を用いることが検討されている。例えば、弁箱シート部の肉盛材と弁体シート部の肉盛材との組合せとして、一方をCo基合金で形成し、他方をFe基合金で形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6005436号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Fe基合金の肉盛材は、例えば、プラズマアーク溶接による粉体肉盛溶接方法によって形成される。Fe基合金の粉末は、Co基合金の粉末よりも、酸化しやすいため、保管の際に、表面に凹凸が発生し、コンタミネーションが付着しやすい。このため、コンタミネーションがプラズマアーク溶接によって溶融し、溶接スラグが生じ、溶接金属の内部に内在する場合がある。その結果、コンタミネーションに起因して、Fe基合金の肉盛材の内部に、サイズが0.5mm以下である微細な欠陥が発生する場合が多い。
【0007】
Fe基合金の肉盛材の仕上げのために摺動面を加工したとき、そのFe基合金の肉盛材の内部に存在する微細な欠陥が表面に露出する場合がある。その結果、弁について、耐摩耗性および耐エロージョン性等の品質を確保することが困難になる場合がある。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、耐摩耗性および耐エロージョン性を向上可能な弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の弁は、弁箱シート部が設けられている弁箱と、弁体シート部が設けられている弁体とを有する。弁箱シート部と弁体シート部とのうち一方は、Co基合金の肉盛材で形成され、弁箱シート部と弁体シート部とのうち他方は、Fe基合金の肉盛材で形成されている。Fe基合金の肉盛材は、プラズマアーク溶接で形成された肉盛溶接部について、なめ付け溶接を実行することで作製されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施形態に係る弁10の構成を模式的に示す部分断面図である。
図2は、実施形態に係る弁10の一部を拡大して示す部分断面図である。
図3は、実施形態に係る弁10において、Fe基合金の肉盛材を形成するときの様子を示す図である。
図4は、実施形態において、肉盛溶接部202についてなめ付け溶接を実行した状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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