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公開番号2024177737
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2023096041
出願日2023-06-12
発明の名称遠心圧縮機
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F04D 29/056 20060101AFI20241217BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】回転軸をスラスト方向で安定的に支持し、且つ、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制すること。
【解決手段】例えば、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合、第1動圧スラスト軸受19と第2動圧スラスト軸受20とのうちの第1動圧スラスト軸受19のみによって第1スラストカラー17を支持する。したがって、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合に、第2動圧スラスト軸受20における第2スラストカラー18を介した回転軸12に対するスラスト方向の支持が無駄に行われてしまうことが回避される。スラスト方向の荷重が所定の荷重以上の場合、第1動圧スラスト軸受19によって第1スラストカラー17を支持するとともに、第2動圧スラスト軸受20によって第2スラストカラー18を支持する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸と一体的に回転する羽根車と、
前記回転軸の外周面から前記回転軸の径方向外側に突出し、前記回転軸と一体的に回転する円盤状の第1スラストカラーと、
前記回転軸の外周面から前記回転軸の径方向外側に突出し、前記第1スラストカラーに対して前記回転軸の軸方向で離間した位置に配置され、前記回転軸と一体的に回転する円盤状の第2スラストカラーと、
前記軸方向に対して、前記第1スラストカラーに対向するように設けられた第1動圧スラスト軸受と、
前記軸方向に対して、前記第2スラストカラーに対向するように設けられた第2動圧スラスト軸受と、を備えている遠心圧縮機であって、
スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合、前記第1動圧スラスト軸受と前記第2動圧スラスト軸受とのうちの前記第1動圧スラスト軸受のみによって前記第1スラストカラーを支持し、
前記スラスト方向の荷重が前記所定の荷重以上の場合、前記第1動圧スラスト軸受によって前記第1スラストカラーを支持するとともに、前記第2動圧スラスト軸受によって前記第2スラストカラーを支持することを特徴とする遠心圧縮機。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1動圧スラスト軸受は、
前記第1スラストカラーに対向する第1トップフォイルと、
前記第1トップフォイルを間に挟んで前記第1スラストカラーとは反対側に設けられる第1バンプフォイルと、を有し、
前記第2動圧スラスト軸受は、
前記第2スラストカラーに対向する第2トップフォイルと、
前記第2トップフォイルを間に挟んで前記第2スラストカラーとは反対側に設けられる第2バンプフォイルと、を有し、
前記第1トップフォイルと前記第1スラストカラーとの間のクリアランスは、前記第2トップフォイルと前記第2スラストカラーとの間のクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記第1トップフォイルは、前記第1スラストカラーに対向する部分にコーティング層を有していることを特徴とする請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記第1動圧スラスト軸受は、前記第1スラストカラーに対して、前記第1スラストカラーを間に挟んで一対設けられており、
前記第2動圧スラスト軸受は、前記第2スラストカラーに対して、前記第2スラストカラーを支持する一方のみ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記回転軸、前記羽根車、前記第1スラストカラー、前記第2スラストカラー、前記第1動圧スラスト軸受、及び前記第2動圧スラスト軸受は、ハウジングに収容され、
前記羽根車は、前記回転軸の第1端にのみ連結されており、
前記第1動圧スラスト軸受は、前記第2動圧スラスト軸受よりも前記羽根車寄りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記回転軸、前記羽根車、前記第1スラストカラー、前記第2スラストカラー、前記第1動圧スラスト軸受、及び前記第2動圧スラスト軸受は、ハウジングに収容され、
前記羽根車は、
前記回転軸の第1端に連結される第1羽根車と、
前記回転軸の第2端に連結されるとともに前記第1羽根車の回転によって圧縮された後の流体を圧縮するために回転する第2羽根車と、を含み、
前記第1動圧スラスト軸受は、前記第2動圧スラスト軸受よりも前記第2羽根車寄りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項7】
前記第2動圧スラスト軸受は、前記第1動圧スラスト軸受よりも剛性が高いことを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心圧縮機に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
遠心圧縮機は、回転軸と、羽根車と、を備えている。羽根車は、回転軸と一体的に回転する。また、遠心圧縮機は、例えば特許文献1のように、スラストカラーと、動圧スラスト軸受と、を備えている。スラストカラーは、回転軸の外周面から回転軸の径方向外側に突出している。スラストカラーは、回転軸と一体的に回転する。スラストカラーは、円盤状である。動圧スラスト軸受は、回転軸の軸方向に対して、スラストカラーに対向するように設けられている。
【0003】
動圧スラスト軸受は、回転軸の回転数が浮上回転数を下回っている状態では、スラストカラーに接した状態でスラストカラーを介して回転軸をスラスト方向で支持する。一方で、回転軸の回転数が浮上回転数以上である状態では、動圧スラスト軸受とスラストカラーとの間に生じる流体膜の動圧によって、スラストカラーが動圧スラスト軸受に対して浮上する。これにより、動圧スラスト軸受は、スラストカラーに接触せずにスラストカラーを介して回転軸をスラスト方向で支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-127443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような遠心圧縮機においては、回転軸をスラスト方向で安定的に支持するために、動圧スラスト軸受の負荷容量を大きくする必要がある。動圧スラスト軸受の負荷容量を大きくするためには、例えば、第1スラストカラーと、第2スラストカラーと、第1動圧スラスト軸受と、第2動圧スラスト軸受と、を備えている遠心圧縮機が考えられる。第1スラストカラーは、回転軸の外周面から回転軸の径方向外側に突出している。第1スラストカラーは、回転軸と一体的に回転する。第1スラストカラーは、円盤状である。第2スラストカラーは、回転軸の外周面から回転軸の径方向外側に突出している。第2スラストカラーは、回転軸と一体的に回転する。第2スラストカラーは、円盤状である。第2スラストカラーは、第1スラストカラーに対して回転軸の軸方向で離間した位置に配置されている。第1動圧スラスト軸受は、回転軸の軸方向に対して、第1スラストカラーに対向するように設けられている。第2動圧スラスト軸受は、回転軸の軸方向に対して、第2スラストカラーに対向するように設けられている。これによれば、回転軸に作用するスラスト方向の荷重であるスラスト荷重を第1動圧スラスト軸受及び第2動圧スラスト軸受によって受けることができるため、回転軸をスラスト方向で安定的に支持することができる。
【0006】
しかしながら、スラスト荷重が小さい場合、回転軸に作用するスラスト荷重を第1動圧スラスト軸受及び第2動圧スラスト軸受の両方で受けると、第1動圧スラスト軸受と第2動圧スラスト軸受との一方における支持が無駄に行われることになる。その結果、遠心圧縮機の運転効率が低下してしまう。したがって、回転軸をスラスト方向で安定的に支持し、且つ、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸と一体的に回転する羽根車と、前記回転軸の外周面から前記回転軸の径方向外側に突出し、前記回転軸と一体的に回転する円盤状の第1スラストカラーと、前記回転軸の外周面から前記回転軸の径方向外側に突出し、前記第1スラストカラーに対して前記回転軸の軸方向で離間した位置に配置され、前記回転軸と一体的に回転する円盤状の第2スラストカラーと、前記軸方向に対して、前記第1スラストカラーに対向するように設けられた第1動圧スラスト軸受と、前記軸方向に対して、前記第2スラストカラーに対向するように設けられた第2動圧スラスト軸受と、を備えている遠心圧縮機であって、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合、前記第1動圧スラスト軸受と前記第2動圧スラスト軸受とのうちの前記第1動圧スラスト軸受のみによって前記第1スラストカラーを支持し、前記スラスト方向の荷重が前記所定の荷重以上の場合、前記第1動圧スラスト軸受によって前記第1スラストカラーを支持するとともに、前記第2動圧スラスト軸受によって前記第2スラストカラーを支持する。
【0008】
これによれば、例えば、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合、第1動圧スラスト軸受と第2動圧スラスト軸受とのうちの第1動圧スラスト軸受のみによって第1スラストカラーを支持する。したがって、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合に、第2動圧スラスト軸受における第2スラストカラーを介した回転軸に対するスラスト方向の支持が無駄に行われてしまうことが回避される。その結果、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制することができる。スラスト方向の荷重が所定の荷重以上の場合、第1動圧スラスト軸受によって第1スラストカラーを支持するとともに、第2動圧スラスト軸受によって第2スラストカラーを支持する。したがって、回転軸をスラスト方向で安定的に支持することができる。以上により、回転軸をスラスト方向で安定的に支持し、且つ、遠心圧縮機の運転効率の低下を抑制することができる。
【0009】
上記遠心圧縮機において、前記第1動圧スラスト軸受は、前記第1スラストカラーに対向する第1トップフォイルと、前記第1トップフォイルを間に挟んで前記第1スラストカラーとは反対側に設けられる第1バンプフォイルと、を有し、前記第2動圧スラスト軸受は、前記第2スラストカラーに対向する第2トップフォイルと、前記第2トップフォイルを間に挟んで前記第2スラストカラーとは反対側に設けられる第2バンプフォイルと、を有し、前記第1トップフォイルと前記第1スラストカラーとの間のクリアランスは、前記第2トップフォイルと前記第2スラストカラーとの間のクリアランスよりも小さいとよい。
【0010】
これによれば、スラスト方向の荷重が所定の荷重未満の場合、第1動圧スラスト軸受と第2動圧スラスト軸受とのうちの第1動圧スラスト軸受のみによって第1スラストカラーを支持することができる。そして、スラスト方向の荷重が所定の荷重以上の場合、第1動圧スラスト軸受によって第1スラストカラーを支持するとともに、第2動圧スラスト軸受によって第2スラストカラーを支持することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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