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公開番号2024176487
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095044
出願日2023-06-08
発明の名称水処理回収システム及び水処理回収方法
出願人東京瓦斯株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C02F 9/00 20230101AFI20241212BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】フッ素を含有する被処理水を効率よく処理し、逆浸透膜の詰まりを抑制することができる水処理回収システムを得る。
【解決手段】水処理回収システム10は、フッ素を含有する原水を処理して回収する水処理回収システムであって、フッ素を含有する原水のpHを酸性に調整された状態で、原水に含有されるフッ素を吸着してフッ素濃度を低下させるフッ素吸着塔16と、フッ素吸着塔16でフッ素濃度を低下させた原水に苛性62を添加することで、水酸化カルシウムを析出させる苛性添加部17と、析出された水酸化カルシウムをUF膜で除去するUF膜ろ過部20と、UF膜ろ過部20でろ過を行った後の原水をRO膜で処理し、原水の中の少なくともイオン分を除去するRO膜処理部26と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フッ素を含有する被処理水を処理して回収する水処理回収システムであって、
フッ素を含有する被処理水のpHが酸性に調整された状態で、前記被処理水に含有されるフッ素を吸着してフッ素濃度を低下させるフッ素吸着部と、
前記フッ素吸着部でフッ素濃度を低下させた前記被処理水にアルカリを添加することで、水酸化カルシウムを析出させるアルカリ添加部と、
前記被処理水に前記アルカリを添加して析出された水酸化カルシウムを限界ろ過膜であるUF膜で除去するUF膜ろ過部と、
前記UF膜ろ過部でろ過を行った後の前記被処理水を逆浸透膜で処理し、前記被処理水の中の少なくともイオン分を除去する逆浸透膜処理部と、
を有する水処理回収システム。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記フッ素吸着部は、ランタノイド類を含むフッ素吸着剤を備え、
前記アルカリ添加部では、前記アルカリを添加することで、前記フッ素吸着剤から前記被処理水に溶出したランタノイド類を水酸化物として析出させ、
前記水酸化物を前記UF膜ろ過部で除去する、請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項3】
前記フッ素吸着部と前記UF膜ろ過部との間に配置され、前記被処理水に殺菌剤を添加し、前記被処理水を殺菌する殺菌処理部を有する、請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項4】
前記殺菌剤は、次亜塩素酸であり、
前記UF膜ろ過部と前記逆浸透膜処理部との間に配置され、前記被処理水に含まれる残留塩素を活性炭に吸着して除去する活性炭吸着部を有する、請求項3に記載の水処理回収システム。
【請求項5】
前記フッ素吸着部で前記被処理水の処理を行う前に配置され、凝集剤が添加された前記被処理水をろ過することで、前記被処理水に含まれる微粒子を除去する砂ろ過部を有する請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項6】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記UF膜ろ過部の入口側の圧力を測定する第1圧力測定部と、
前記UF膜ろ過部の出口側の圧力を測定する第2圧力測定部と、を備え、
前記プロセッサは、前記第1圧力測定部で測定された入口側の圧力と、前記第2圧力測定部で測定された出口側の圧力とに基づき、前記UF膜ろ過部のUF膜が閉塞する前に前記UF膜の洗浄タイミングに関する情報を出力する請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記逆浸透膜処理部の入口側の圧力を測定する第3圧力測定部と、
前記逆浸透膜処理部の出口側の圧力を測定する第4圧力測定部と、を備え、
前記プロセッサは、前記第3圧力測定部で測定された入口側の圧力と前記第4圧力測定部で測定された出口側の圧力とに基づき、前記逆浸透膜処理部の逆浸透膜が閉塞する前に前記逆浸透膜の洗浄タイミングに関する情報を出力する請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記逆浸透膜処理部の透過流束を算出し、前記透過流束に応じて、前記逆浸透膜処理部の逆浸透膜が閉塞する前に前記逆浸透膜の洗浄タイミングに関する情報を出力する請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも前記UF膜ろ過部の状態を、前記UF膜ろ過部と隔離された場所で監視する端末装置と、を備え、
前記プロセッサは、前記UF膜ろ過部に関する情報を直接又は中継部を介して前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記UF膜ろ過部に関する情報に基づいて前記UF膜ろ過部の状態を監視する請求項1に記載の水処理回収システム。
【請求項10】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも前記逆浸透膜処理部の状態を、前記逆浸透膜処理部と隔離された場所で監視する端末装置と、を備え、
前記プロセッサは、前記逆浸透膜処理部に関する情報を直接又は中継部を介して前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記逆浸透膜処理部に関する情報に基づいて前記逆浸透膜処理部の状態を監視する請求項1に記載の水処理回収システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理回収システム及び水処理回収方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、フッ素を含有する排水を処理する水処理装置が提案されている。例えば、特許文献1には、フッ素を含むフッ素含有被処理水から水を回収する水処理装置が開示されている。この水処理装置は、フッ素を含む被処理水にカルシウム剤を添加して第一の凝集分離処理を行う第一凝集分離装置と、第一の凝集分離処理を行った第一凝集分離処理水に炭酸塩含有剤を添加して第二の凝集分離処理を行う第二凝集分離装置と、第二の凝集分離処理を行った第二凝集分離処理水をフッ素吸着剤に接触してフッ素吸着処理を行うフッ素吸着処理装置と、フッ素吸着処理を行ったフッ素吸着処理水を逆浸透膜で処理する逆浸透膜処理装置と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-82546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の水処理装置では、第一凝集分離装置において、被処理水に消石灰(すなわち、水酸化カルシウム)などのカルシウム剤を添加している。水酸化カルシウムはフッ素イオンとの反応が遅いため、第一凝集分離処理を行うために、多量の水酸化カルシウムを加えなければならず、未反応の水酸化カルシウムの含有率が高くなりやすい。このため、水酸化カルシウムの濃度が高い被処理水を逆浸透膜で処理すると、逆浸透膜が詰まり易くなる。より詳細に説明すると、フッ素含水濃度が高い場合、濃縮工程でフッ素とカルシウムが反応し、フッ化カルシウムが生成する。フッ化カルシウムは再生時の回復を阻害する物質であり、洗浄しても取り除くことが困難である。濃縮工程で上記のようなスケールが発生すると、逆浸透膜が閉塞する。また逆浸透膜の再生頻度が増加し、効率的ではない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フッ素を含有する被処理水を効率よく処理し、逆浸透膜の詰まりを抑制することができる水処理回収システム及び水処理回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に記載の水処理回収システムは、フッ素を含有する被処理水を処理して回収する水処理回収システムであって、フッ素を含有する被処理水のpHが酸性に調整された状態で、前記被処理水に含有されるフッ素を吸着してフッ素濃度を低下させるフッ素吸着部と、前記フッ素吸着部でフッ素濃度を低下させた前記被処理水にアルカリを添加することで、水酸化カルシウムを析出させるアルカリ添加部と、前記被処理水に前記アルカリを添加して析出された水酸化カルシウムを限界ろ過膜であるUF膜で除去するUF膜ろ過部と、前記UF膜ろ過部でろ過を行った後の前記被処理水を逆浸透膜で処理し、前記被処理水の中の少なくともイオン分を除去する逆浸透膜処理部と、を有する。
【0007】
上記の水処理回収システムにおいて、前記フッ素吸着部は、ランタノイド類を含むフッ素吸着剤を備え、前記アルカリ添加部では、前記アルカリを添加することで、前記フッ素吸着剤から前記被処理水に溶出したランタノイド類を水酸化物として析出させ、前記水酸化物を前記UF膜ろ過部で除去することが好ましい。
【0008】
上記の水処理回収システムにおいて、前記フッ素吸着部と前記UF膜ろ過部との間に配置され、前記被処理水に殺菌剤を添加し、前記被処理水を殺菌する殺菌処理部を有することが好ましい。
【0009】
上記の水処理回収システムにおいて、前記殺菌剤は、次亜塩素酸であり、前記UF膜ろ過部と前記逆浸透膜処理部との間に配置され、前記被処理水に含まれる残留塩素を活性炭に吸着して除去する活性炭吸着部を有することが好ましい。
【0010】
上記の水処理回収システムにおいて、前記フッ素吸着部で前記被処理水の処理を行う前に配置され、凝集剤が添加された前記被処理水をろ過することで、前記被処理水に含まれる微粒子を除去する砂ろ過部を有することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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