TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025011753
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2023114050
出願日2023-07-11
発明の名称着色廃液の脱色方法および食品原料または食品の製造方法
出願人富士食品工業株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C02F 1/52 20230101AFI20250117BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】廃液の色度を低減しかつ廃液中の電気伝導度の過剰な増加を抑制できる着色廃液の脱色方法を提供する。さらに、そのような脱色方法を実施する工程を含む食品原料または食品の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、10倍希釈時の波長420nmでの吸光度が1.0以下である着色廃液である原廃液に、原廃液中での濃度が0.010~0.1質量%となる量の塩化物凝集剤と、濃度が0.3~1.0質量%となる量の水酸化物凝集剤とを添加し、原廃液の固液分離を行って液相部分の処理液を得る凝集処理を行い、凝集処理後の処理液に、処理液中の成分を酸化分解する酸化処理を行うことを含む、着色廃液の脱色方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
10倍希釈時の波長420nmでの吸光度が1.0以下である着色廃液である原廃液に、原廃液中での濃度が0.010~0.1質量%となる量の塩化物凝集剤と、濃度が0.3~1.0質量%となる量の水酸化物凝集剤とを添加し、原廃液の固液分離を行って液相部分の処理液を得る凝集処理を行い、
凝集処理後の処理液に、処理液中の成分を酸化分解する酸化処理を行うことを含む、
着色廃液の脱色方法。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
塩化物凝集剤に対する水酸化物凝集剤の濃度比(水酸化物凝集剤の濃度/塩化物凝集剤の濃度)が15~60である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
凝集処理後、二酸化炭素ガスを処理液に接触させるバブリング処理を行う、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
酸化処理が、オゾン、過酸化水素水およびUVの少なくとも1つを使用した処理である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
塩化物凝集剤がポリ塩化アルミニウムを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
水酸化物凝集剤がアルカリ土類金属の水酸化物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
アルカリ土類金属がカルシウムである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
着色廃液が、廃糖蜜を含む培地で培養された酵母菌体の洗浄廃液である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
塩化物凝集剤に対する水酸化物凝集剤の濃度比(水酸化物凝集剤の濃度/塩化物凝集剤の濃度)が15~60であり、
凝集処理後、二酸化炭素ガスを処理液に接触させるバブリング処理を行い、
酸化処理が、オゾン、過酸化水素水およびUVの少なくとも1つを使用した処理であり、
塩化物凝集剤がポリ塩化アルミニウムを含み、
水酸化物凝集剤がアルカリ土類金属の水酸化物を含み、
アルカリ土類金属がカルシウムであり、
着色廃液が、廃糖蜜を含む培地で培養された酵母菌体の洗浄廃液である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法を実施する工程を含む、食品原料または食品の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、着色廃液の脱色方法、およびその方法を実施する工程を含む食品原料または食品の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
精製糖工場から排出された廃糖蜜は、スクロースを主要成分とし、アミノ酸やビタミン類などの栄養素も含んでいることから、エタノール、アミノ酸、パン酵母製造用の安価な発酵原料として広く利用されている。発酵原料として利用された後は、廃糖蜜中の有用な栄養素はほとんど消費され、廃糖蜜に由来する糖蜜色素を含んだ黒褐色の着色廃液(例えば、酵母などの有用微生物の培養液から分離した菌体を洗浄する際に生じる洗浄廃液)が排出される。糖蜜色素の主成分は、生分解が困難なメラノイジン、カラメルおよびポリフェノールであり、生物学的処理による脱色が困難であるため、その多くは海洋投棄により処分されてきた。近年では、国際条約の発効により海洋投棄が全面禁止となったことから、このような着色廃液を経済的に再利用できる程度に脱色する技術の開発が望まれている。
【0003】
着色廃液の脱色方法として、オゾン酸化処理が有効であるとの報告がある(非特許文献1および2)。例えば、非特許文献1には、生物処理液(沖縄県の某製糖工場から排出された原廃液を250倍に希釈した後、回分式活性汚泥処理法で処理を行って得た処理液)をオゾン処理する方法が開示されている。また、非特許文献1には、原廃液を400倍に希釈した処理液にオゾン処理のみを実施して脱色する方法が開示されており、この場合、60分間着色廃液をオゾン酸化することで約90%の脱色効果が得られた旨も記載されている。
【0004】
特許文献1には、酸化処理工程に先立って行う凝集剤による凝集処理工程で、被処理水に無機凝集剤を添加して処理した後に、さらに被処理水に有機凝集剤を添加して処理し、かつ、前記無機凝集剤を添加する際に活性炭を添加して無機凝集剤と活性炭とを共存させて処理することを特徴とするCOD成分を含む廃水の処理方法が開示されている。
【0005】
廃糖蜜に由来する着色廃液に対する技術ではないが、廃糖蜜自体の脱色方法として、特許文献2には、限外濾過膜もしくは逆浸透膜で、廃糖蜜及びその含有物をインベルターゼで処理したものを、濾過することを特徴とする廃糖蜜の脱色方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-214020号公報
特開昭63-207400号公報(特許第2516006号)
【非特許文献】
【0007】
市川廣保ら、「糖蜜廃液のオゾン酸化と生物処理の併用による処理」、水環境学会誌、1996、第19巻、第12号、1004-1008
平良直秀ら、「新規化学酸化法による着色廃水の脱色に関する研究(2)」、沖工技セ研究報告、沖縄県工業技術センター、1998、第1号、23-42
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
着色廃液の脱色処理により得られた処理液を再利用することを考慮すると、10倍希釈時の波長420nmでの吸光度(OD420)が0.005以下となるまで、廃液の色度を低減することが望ましい。
【0009】
非特許文献1のオゾン処理のみを実施する脱色方法では、400倍に希釈した着色廃液にオゾン酸化処理を実施し、波長400nmでの吸光度(OD400)が約0.1であったことが記載されている(59頁、「3.4 糖蜜廃液の直接オゾン酸化」、図6)。本発明で採用する色度の指標は、廃液を10倍に希釈したときのOD420である。OD400およびOD420は、厳密には異なるが、同じ程度の吸光度を示すと近似し、非特許文献1の希釈度を本発明の希釈度に合わせるように換算した場合、酸化処理後の色度は約0.14である。このレベルの脱色は、再利用するには不十分である。
【0010】
非特許文献1には、オゾン酸化と生物処理を併用して着色廃液を脱色する方法も開示されているが、この方法でも脱色は十分ではない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社Deto
浄水器
11日前
株式会社ノーリツ
電解水生成装置
19日前
大阪瓦斯株式会社
造水器
4日前
個人
水処理用フィルター
4日前
栗田工業株式会社
超純水製造装置
21日前
オルガノ株式会社
水質予測方法及び装置
19日前
京都市
水質管理指標出力装置及び水質管理指標出力方法
8日前
株式会社フロム工業
排水処理装置
12日前
栗田工業株式会社
排ガス処理設備排水の処理装置
13日前
株式会社竹中工務店
浄化方法
8日前
ルーセントC株式会社
排水処理システム及び排水処理方法
11日前
株式会社フジテクノ
道路橋排水樋水質改善部材および水質改善具
19日前
国立大学法人神戸大学
水処理方法及び水処理装置
19日前
栗田工業株式会社
純水製造システムおよび純水製造方法
11日前
カッパー工業株式会社
担体ろ材の生物処理槽
8日前
株式会社明電舎
水質判定装置および水質判定方法
8日前
王子ホールディングス株式会社
可搬式浄水装置
6日前
株式会社クボタ
水処理設備および水処理方法
4日前
オルガノ株式会社
水処理システム、イオン交換装置および測定方法
4日前
水ing株式会社
水処理施設の流出物質の吸着除去方法
19日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
4日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
20日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
20日前
住友重機械エンバイロメント株式会社
し渣搬送装置及び搬送方法
11日前
株式会社ノーリツ
除菌装置及び温水装置
11日前
株式会社ノーリツ
除菌装置及び温水装置
11日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理システム
4日前
株式会社日本トリム
水処理装置
4日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理装置並びに水処理装置の設計方法
20日前
株式会社日本トリム
水処理装置
4日前
JFEスチール株式会社
排水の中和装置および排水の中和方法
8日前
株式会社クボタ
水処理施設の更新方法および膜分離装置
19日前
株式会社MORESCO
排液処理システムおよび排液処理方法
4日前
キヤノン株式会社
液体浄化方法、および、液体浄化システム
13日前
三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
水処理方法および水処理装置
19日前
水ing株式会社
活性炭注入制御システム、活性炭注入制御方法及び水処理システム
5日前
続きを見る