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公開番号2024175704
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023093597
出願日2023-06-07
発明の名称金属含有膜形成用組成物及びパターン形成方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 33/00 20060101AFI20241212BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】良好なパターン形状が得られるとともに、微細パターンの倒れを抑止できる金属含有膜を与える金属含有膜用組成物を提供すること。
【解決手段】A)金属化合物と、(B)表面改質剤と、(C)溶媒とを含有し、金属化合物が、Ti、Zr及びHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子を含み、(B)表面改質剤が複素環構造を含む特定構造の繰り返し単位を含む高分子化合物で、高分子化合物が水酸基を含む繰り返し単位を含まないものである金属含有膜形成用組成物。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(A)金属化合物と、
(B)表面改質剤と、
(C)溶媒と
を含有し、
前記金属化合物が、Ti、Zr及びHfからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子を含み、
前記(B)表面改質剤が、下記一般式(1)で示される繰り返し単位及び下記一般式(2)で示される繰り返し単位の一方または両方を含む高分子化合物であり、前記高分子化合物が水酸基を含む繰り返し単位を含まないものであることを特徴とする金属含有膜形成用組成物。
TIFF
2024175704000071.tif
68
78
(式中、R

は、水素原子またはメチル基であり、R

は、複素環構造を含む炭素数2~20の1価の有機基であり、R

は水素原子または炭素数1~3の直鎖もしくは分岐状のアルキル基である。)
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記複素環構造が酸素原子を含む複素環構造であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項3】
前記一般式(1)及び(2)中のR

が、下記式(R

-1)~(R

-3)から選択される基を含む1価の有機基であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
TIFF
2024175704000072.tif
42
96
(式中、R

は水素原子または炭素数1~10のアルキル基であり、破線は結合手を示す。)
【請求項4】
前記(B)表面改質剤が、さらに下記式(3a)または式(3b)で示される繰り返し単位のいずれかを含む高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成組成物。
TIFF
2024175704000073.tif
59
82
(上記式中、R
F1
は少なくとも1つのF原子を含む炭素数1~20の1価の有機基であり、R
F2
はF原子または1つ以上のF原子を含む炭素数1~10の1価の有機基であり、R

は水素原子またはメチル基であり、nは1~5を示す。)
【請求項5】
前記(B)表面改質剤に用いる前記高分子化合物の重量平均分子量が、6,000~50,000であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項6】
前記(B)表面改質剤に用いる前記高分子化合物の重量平均分子量/数平均分子量で表される分散度が、3.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項7】
前記金属含有膜形成組成物中に含まれる前記(B)表面改質剤の含有率が、金属化合物100質量部に対して1質量部以上50質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項8】
さらに、
(D)熱酸発生剤、
(E)光酸発生剤、
(F)架橋剤、および
(G)界面活性剤
のうちから少なくとも1種以上を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項9】
前記(C)溶媒が、(C-1)高沸点溶剤を含み、
前記(C-1)高沸点溶剤は、沸点が180度以上の有機溶剤1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
【請求項10】
前記(A)金属化合物が、下記一般式(4)で示される金属化合物に由来するものであることを特徴とする請求項1に記載の金属含有膜形成用組成物。
TIFF
2024175704000074.tif
13
71
(式中、MはTi、Zr又はHfのいずれかである。Lは炭素数1から30の単座配位子及び多座配位子であり、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、カルボキシレート基、アシロキシ基、-NR



から選ばれる加水分解性基である。R

およびR

は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1~20の1価の有機基である。a+b=4であり、aおよびbは0~4の整数である。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置製造工程における多層レジスト法による微細パターニングに用いることが可能な金属含有膜形成用組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターン寸法の微細化が急速に進んでいる。リソグラフィー技術は、この微細化に併せ、光源の短波長化とそれに対するレジスト組成物の適切な選択により、微細パターンの形成を達成してきた。その中心となったのは単層で使用するポジ型フォトレジスト組成物である。この単層ポジ型フォトレジスト組成物は、塩素系あるいはフッ素系のガスプラズマによるドライエッチングに対しエッチング耐性を持つ骨格をレジスト樹脂中に持たせ、かつ露光部が溶解するようなスイッチング機構を持たせることによって、露光部を溶解させてパターンを形成し、残存したレジストパターンをエッチングマスクとして被加工基板をドライエッチング加工するものである。
【0003】
ところが、使用するフォトレジスト膜の膜厚をそのままで微細化を行った場合、即ちパターン幅をより小さくした場合、フォトレジスト膜の解像性能が低下し、また現像液によりフォトレジスト膜をパターン現像しようとすると、いわゆるアスペクト比が大きくなりすぎ、結果としてパターン崩壊が起こってしまうという問題が発生した。このため、パターンの微細化に伴いフォトレジスト膜は薄膜化されてきた。
【0004】
一方、被加工基板の加工には、通常、パターンが形成されたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いつつドライエッチングにより基板を加工する方法が用いられるが、現実的にはフォトレジスト膜と被加工基板の間に完全なエッチング選択性を取ることのできるドライエッチング方法が存在しない。そのため、基板の加工中にフォトレジスト膜もダメージを受けて崩壊し、レジストパターンを正確に被加工基板に転写できなくなるという問題があった。そこで、パターンの微細化に伴い、レジスト組成物により高いドライエッチング耐性が求められてきた。しかしながら、その一方で、解像性を高めるために、フォトレジスト組成物に使用する樹脂には、露光波長における光吸収の小さな樹脂が求められてきた。そのため、露光光がi線、KrF、ArFと短波長化するにつれて、樹脂もノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、脂肪族多環状骨格を持った樹脂と変化してきたが、現実的には基板加工時のドライエッチング条件におけるエッチング速度は速いものになってきてしまっており、解像性の高い最近のフォトレジスト組成物は、むしろエッチング耐性が弱くなる傾向にある。
【0005】
このことから、より薄くよりエッチング耐性の弱いフォトレジスト膜で被加工基板をドライエッチング加工しなければならないことになり、この加工工程における材料及びプロセスの確保は急務になってきている。
【0006】
このような問題点を解決する方法の一つとして、多層レジスト法がある。この方法は、フォトレジスト膜(即ち、レジスト上層膜)とエッチング選択性が異なるレジスト中間膜をレジスト上層膜と被加工基板の間に介在させ、レジスト上層膜にパターンを得た後、レジスト上層膜パターンをドライエッチングマスクとして、ドライエッチングによりレジスト中間膜にパターンを転写し、更にレジスト中間膜をドライエッチングマスクとして、ドライエッチングにより被加工基板にパターンを転写する方法である。
【0007】
多層レジスト法の一つに、単層レジスト法で使用されている一般的なレジスト組成物を用いて行うことができる3層レジスト法がある。この3層レジスト法では、例えば、被加工基板上にノボラック樹脂等による有機膜をレジスト下層膜として成膜し、その上にケイ素含有レジスト中間膜をレジスト中間膜として成膜し、その上に通常の有機系フォトレジスト膜をレジスト上層膜として形成する。フッ素系ガスプラズマによるドライエッチングを行う際には、有機系のレジスト上層膜は、ケイ素含有レジスト中間膜に対して良好なエッチング選択比が取れるため、レジスト上層膜パターンはフッ素系ガスプラズマによるドライエッチングによりケイ素含有レジスト中間膜に転写することができる。この方法によれば、直接被加工基板を加工するための十分な膜厚を持ったパターンを形成することが難しいレジスト組成物や、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持たないレジスト組成物を用いても、ケイ素含有レジスト中間膜(レジスト中間膜)にパターンを転写することができ、続いて酸素系又は水素系ガスプラズマによるドライエッチングによるパターン転写を行えば、基板の加工に十分なドライエッチング耐性を持つノボラック樹脂等による有機膜(レジスト下層膜)のパターンを得ることができる。上述のようなレジスト下層膜としては、例えば特許文献1に記載のものなど、すでに多くのものが公知となっている。
【0008】
上記のような3層レジスト法で使用されるケイ素含有レジスト中間膜としては、CVDによるケイ素含有無機膜、例えばSiO

膜(例えば、特許文献2等)やSiON膜(例えば、特許文献3等)、回転塗布により膜を得られるものとしては、SOG(スピンオンガラス)膜(例えば、特許文献4等及び非特許文献1)や架橋性シルセスキオキサン膜(例えば、特許文献5等)等が使用されており、ポリシラン膜(例えば、特許文献6等)も使用できるであろう。これらの中で、SiO

膜やSiON膜は下層の有機膜をドライエッチングする際のドライエッチングマスクとしての高い性能を持つものの、成膜に特別の装置を必要とする。それに対し、SOG膜や架橋性シルセスキオキサン膜、及びポリシラン膜は、回転塗布と加熱のみで成膜でき、プロセス効率が高いと考えられている。
【0009】
このような多層レジスト法で従来使用されてきたケイ素含有膜にはいくつかの問題がある。例えば、光リソグラフィーによりレジストパターンを形成しようとした場合、露光光が基板で反射し、入射光と干渉して、所謂定在波の問題を引き起こすことはよく知られており、最先端のArF液浸・高NA露光条件でレジスト膜のエッジラフネスのない微細パターンを得るためには、中間膜として反射防止機能が必須となる。更に、上記のような最先端の半導体プロセスにおいては、一段とフォトレジストの薄膜化が進んでいるため、中間膜にも薄膜化が求められており、次世代の露光プロセスでは、30nm以下の膜厚で反射防止効果を付与することが求められている。また、レジスト下層膜を加工する際に一般的に使用される酸素ガスプラズマに対するドライエッチング速度は、中間膜と下層膜のエッチング選択比を高めるためにより小さいことが好ましく、薄膜化の流れから中間膜にはドライエッチング耐性の改善が求められている。
【0010】
このような反射防止効果およびドライエッチング特性に対する要求を満たすレジスト中間膜として、従来のケイ素含有膜に代わり、TiやZrを含む金属含有膜(金属ハードマスクフィルム)が注目されている。TiO

やZrO

は高屈折率材料として知られており、これらを膜中に含むことで高NA露光条件下における反射防止効果を向上することが可能となる。また、金属-酸素結合を含むことで、酸素ガスに対する優れたドライエッチング耐性が期待できる。
(【0011】以降は省略されています)

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