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公開番号2024173321
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091665
出願日2023-06-02
発明の名称運動支援装置、方法並びにプログラム
出願人花王株式会社
代理人弁理士法人アテンダ国際特許事務所
主分類A61B 5/11 20060101AFI20241205BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】被験者の歩行中の関節角度に基づいて算出した各種評価得点に基づき、被験者に適切な運動メニューを提案することができる簡便且つ廉価な装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】運動支援装置100は、加速度データ取得部110と、取得した加速度データから1歩行周期における右側及び左側関節角度データ173を算出する関節角度データ算出部140と、算出した1歩行周期における右側及び左側関節角度データ173から左右差評価得点、歩行姿勢評価得点、関節の動き評価得点、筋力評価得点を算出する評価得点算出部150と、算出した評価得点に応じて運動メニューを選定するとともに選定した運動メニューを被験者に提示する運動メニュー提示部160とを備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被験者に固定された加速度センサにより計測された歩行中の被験者の加速度データを取得する加速度データ取得部と、
取得した加速度データに基づき1歩行周期における関節角度データを算出する関節角度データ算出部と、
算出した関節角度データに基づき、歩行の左右差に関する評価得点である左右差評価得点、歩行の姿勢に関する評価得点である歩行姿勢評価得点、歩行中の関節の動きに関する評価得点である関節の動き評価得点、歩行に係る筋力に関する評価得点である筋力評価得点を算出する評価得点算出部と、
算出した評価得点に応じて運動メニューを選定するとともに選定した運動メニューを被験者に提示する運動メニュー提示部とを備えた
ことを特徴とする運動支援装置。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記運動メニュー提示部は、左右差評価得点、姿勢評価得点、関節の動き評価得点の順序で、評価得点と当該評価得点に対応する所定の閾値との比較処理を所定の閾値以下の評価得点が見つかるまで繰り返し、最初に見つかった所定の閾値以下の評価得点に対応する運動メニューを選定し、所定の閾値以下の評価得点が見つからない場合には筋力評価得点に対応する運動メニューを選定する
ことを特徴とする請求項1記載の運動支援装置。
【請求項3】
前記運動メニュー提示部は、評価得点に対応する複数の運動メニューの候補群から前回選定時とは異なる運動メニューを選定する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の運動支援装置。
【請求項4】
前記左右差評価得点は、歩行に係る姿勢の評価得点である姿勢左右差評価得点と、歩行に係る関節の動きの左右差についての評価得点である関節左右差評価得点を含む
ことを特徴とする請求項1記載の運動支援装置
【請求項5】
コンピュータを用いて被験者に運動メニューを提供する運動支援方法であって、
被験者に固定された加速度センサにより計測された歩行中の被験者の加速度データを取得するステップと、
取得した加速度データに基づき1歩行周期における関節角度データを算出するステップと、
算出した関節角度データに基づき、歩行の左右差に関する評価得点である左右差評価得点、歩行の姿勢に関する評価得点である姿勢評価得点、歩行中の関節の動きに関する評価得点である関節の動き評価得点、歩行に係る筋力に関する評価得点である筋力評価得点を算出するステップと、
算出した評価得点に応じて運動メニューを選定するとともに選定した運動メニューを被験者に提示するステップとを備えた
ことを特徴とする運動支援方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1に記載の運動支援装置として機能させる
ことを特徴とする運動支援プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者の歩行の様子に基づき運動メニューを提案する技術に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のシステムとしては特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のものは、歩行者に加速度計を付設し、検出した加速度に基づき歩行能力として歩行速度、歩幅、膝伸展力、背屈力を推定し、推定した各歩行能力に応じた運動メニューを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4915263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のものでは、運動メニューの選定する根拠となる歩行能力は、歩行速度、歩幅、膝伸展力、背屈力といった人体の状態を示す大まかな指標であるため、例えば特定の関節の動きを改善するための運動メニューの提案など、より詳細なレベルでの運動メニューの提案することはできなかった。なお、特許文献1に記載の段落0152では、歩隔(左右方向における左右の足の距離)、各間接(股関節、膝関節、足関節)の可動範囲角度、各関節のトルク、各関節の伸展・屈伸筋力、床反力という、より詳細なレベルの歩行能力について例示されているが、それぞれどのように値を算出するかについては開示されておらず、このような詳細なレベルでの運動メニューの提案については実質的には記載されているとは認められない。
【0005】
また、特許文献1に記載のものでは、複数の歩行能力のそれぞれに対して運動メニューを提示している。しかし、運動による歩行能力の改善を効率的且つ効果的に行うには、所定の順序があると考えられており、しかもこの順序に反すると逆に怪我や機能悪化などにつながる恐れがある。そして、特許文献1に記載のものでは、このような運動の順序については考慮されておらず、したがって歩行能力の改善を効率的且つ効果的に行うには十分とは言えない。特に、より詳細なレベルでの歩行能力に基づく運動メニューを選定することを仮定した場合、前述した問題は顕著となる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的とするところは、被験者の歩行中の関節角度に基づいて算出した各種評価得点に基づき、被験者に適切な運動メニューを提案することができる簡便且つ廉価な装置、方法及びプログラムを提供することにある。また、第2の目的とするところは、被験者の機能改善状況に応じて被験者に適切な運動メニューを適切な順序で提案することができる簡便且つ廉価な装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る運動支援装置は、被験者に固定された加速度センサにより計測された歩行中の被験者の加速度データを取得する加速度データ取得部と、取得した加速度データに基づき1歩行周期における関節角度データを算出する関節角度データ算出部と、算出した関節角度データに基づき、歩行の左右差に関する評価得点である左右差評価得点、歩行の姿勢に関する評価得点である歩行姿勢評価得点、歩行中の関節の動きに関する評価得点である関節の動き評価得点、歩行に係る筋力に関する評価得点である筋力評価得点を算出する評価得点算出部と、算出した評価得点に応じて運動メニューを選定するとともに選定した運動メニューを被験者に提示する運動メニュー提示部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の好適な態様の一例としては、前記運動メニュー提示部は、左右差評価得点、姿勢評価得点、関節の動き評価得点の順序で、評価得点と当該評価得点に対応する所定の閾値との比較処理を所定の閾値以下の評価得点が見つかるまで繰り返し、最初に見つかった所定の閾値以下の評価得点に対応する運動メニューを選定し、所定の閾値以下の評価得点が見つからない場合には筋力評価得点に対応する運動メニューを選定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被験者の歩行中の加速度データに基づき関節角度データを算出し、この関節角度データから、歩行評価得点として、左右差評価得点、歩行姿勢評価得点、関節の動き評価得点、筋力評価得点を算出し、この歩行評価得点に応じて運動メニューを選定・提示する。この加速度データは加速度センサにより容易且つ廉価に取得することができる。したがって、関節角度に基づく適切な運動メニューを簡便且つ廉価に選定・提示することができる。
【0010】
また、本発明に撚れば、左右差評価得点、姿勢評価得点、関節の動き評価得点の順序で、評価得点と当該評価得点に対応する所定の閾値との比較処理を所定の閾値以下の評価得点が見つかるまで繰り返し、最初に見つかった所定の閾値以下の評価得点に対応する運動メニューを選定し、所定の閾値以下の評価得点が見つからない場合には筋力評価得点に対応する運動メニューを選定する。すなわち、運動による被験者の歩行に関する機能改善状況に応じて、これから実施すべき運動メニューとして、左右差の改善に有効なもの、歩行姿勢の改善に有効なもの、歩行中の関節の動きに有効なもの、筋力アップに有効なものが順に提示される。これにより、歩行の機能改善を効率的且つ効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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