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公開番号
2024171018
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-11
出願番号
2023087855
出願日
2023-05-29
発明の名称
取引企業支援システム
出願人
株式会社伊予銀行
代理人
個人
,
個人
主分類
G06Q
50/10 20120101AFI20241204BHJP(計算;計数)
要約
【課題】取引企業別に、マーケット指標がどの程度、どのタイミングで影響を与えているのかを、当該企業財務マーケット指標として決定できる取引企業支援システムを提供すること。
【解決手段】コンピュータが、指標データの対応時期を遅らせた複数の時期別相関分析を行う時期別相関分析ステップ13、時期別相関分析による回帰式の決定係数が最も大きい時期を最尤時期として決定する最尤時期決定ステップ20、最尤時期における財務項目とマーケット指標との相関係数及び有意確率を算出する相関・有意確率算出ステップ30、財務項目に対して相関性及び有意性があるマーケット指標を当該企業財務マーケット指標として決定する当該企業財務マーケット指標決定ステップ40、当該企業財務マーケット指標を、最尤時期における財務項目とマーケット指標との回帰式データとともにデータベースに登録する登録ステップ50を、取引企業別に実行する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
過去のマーケット指標の変動が取引企業の財務に与える影響から、前記取引企業の今後の前記財務の予測を行うことで前記取引企業を支援する取引企業支援システムであって、
コンピュータが、
前記マーケット指標の過去所定期間における指標データと、前記過去所定期間における前記取引企業の財務項目の財務データとを用い、前記財務データに対して、前記指標データの対応時期を遅らせた複数の時期別相関分析を行う時期別相関分析ステップと、
前記時期別相関分析による回帰式の決定係数が最も大きい時期を最尤時期として決定する最尤時期決定ステップと、
前記最尤時期における前記財務項目と前記マーケット指標との相関係数及び有意確率を算出する相関・有意確率算出ステップと、
前記相関・有意確率算出ステップにおいて、前記財務項目に対して相関性及び有意性がある前記マーケット指標を当該企業財務マーケット指標として決定する当該企業財務マーケット指標決定ステップと、
前記当該企業財務マーケット指標を、前記最尤時期における前記財務項目と前記マーケット指標との回帰式データとともにデータベースに登録する登録ステップと
を、前記取引企業別に実行する
ことを特徴とする取引企業支援システム。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記マーケット指標が、為替(ドル/円)、日経商品指数(42種)、実質賃金指数、BDI(Baltic Dry Index)、原油、ナフサ、ガソリン、石炭、銅、小麦、大豆、小豆、砂糖、木材、綿、ポリエチレン、企業物価指数、消費者物価指数、電気代、鉄鉱石、及びシリコンの少なくともいずれか1つを含む、第1マーケット指標と第2マーケット指標とを少なくとも有し、
前記財務項目が、有利子負債額、原価率、及び販管費率の少なくともいずれか1つを含む、第1財務項目と第2財務項目とを少なくとも有し、
前記時期別相関分析ステップでは、
前記取引企業別に、
前記第1財務項目と前記第1マーケット指標、前記第1財務項目と前記第2マーケット指標、前記第2財務項目と前記第1マーケット指標、及び前記第2財務項目と前記第2マーケット指標との間で前記時期別相関分析を行い、
前記相関・有意確率算出ステップでは、
前記取引企業別に、
前記第1財務項目と前記第1マーケット指標、前記第1財務項目と前記第2マーケット指標、前記第2財務項目と前記第1マーケット指標、及び前記第2財務項目と前記第2マーケット指標との間で前記相関係数及び前記有意確率を算出し、
前記登録ステップでは、
前記取引企業別に、
前記当該企業財務マーケット指標決定ステップで複数の前記当該企業財務マーケット指標が決定される場合には、決定されるすべての前記当該企業財務マーケット指標を登録する
ことを特徴とする請求項1に記載の取引企業支援システム。
【請求項3】
前記コンピュータに、
前記当該企業財務マーケット指標とした前記財務項目の直近財務値と前記マーケット指標の直近実績値、及び前記当該企業財務マーケット指標とした前記マーケット指標の予想値を入力することで、
前記コンピュータが、
前記当該企業財務マーケット指標として登録している前記回帰式データを用いて、前記当該企業財務マーケット指標とした前記財務項目の予想財務値を算出する予想財務値算出ステップと、
前記予想財務値を出力する予想財務値出力ステップと
を、前記取引企業別に実行する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の取引企業支援システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、過去のマーケット指標の変動が取引企業の財務に与える影響から、取引企業の今後の財務を予測することで取引企業を支援する取引企業支援システムに関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
円安や資源高は、取引企業の財務に相応の影響を与えている。しかし、マーケット指標が個別の取引企業にどの程度、どのタイミングで影響を与えているのかについては検証ができていない。
特許文献1には、外部環境の変化を考慮しながら、財務指標及び株価を定量的に分析することが記載されており、特許文献2には、最も相関係数の高い財を、その企業の擬制的分野として登録することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-9502号公報
特開2012-118753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マーケット指標の変動により、取引企業がどのタイミングでどの程度の影響を受けるかを予測することができれば、取引企業に対して適切なタイミングで資金提案を行うことができ、取引企業を支援することができる。
なお、特許文献1は、外部環境情報と営業効率との相関、及び外部環境情報と生産効率との相関を分析し、算出された分析対象企業の営業効率の将来の予測値及び算出された分析対象企業の生産効率の将来の予測値に基づいて、分析対象企業の財務指標の将来の予測値を算出するものであり、それぞれの取引企業特有のマーケット指標を相関分析によって見出し、取引企業特有のマーケット指標を用いて将来の財務を予測するものではない。
また、特許文献2は、その企業の株価の変動と相関関係が高い業種を、その企業の擬制的分野として特定し、選定された企業の分野に応じた企業情報を提供するものであり、それぞれの取引企業特有のマーケット指標を相関分析によって見出し、取引企業特有のマーケット指標を用いて将来の財務を予測するものではない。
【0005】
本発明は、取引企業別に、マーケット指標がどの程度、どのタイミングで影響を与えているのかを、当該企業財務マーケット指標として決定できる取引企業支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の取引企業支援システムは、過去のマーケット指標の変動が取引企業の財務に与える影響から、前記取引企業の今後の前記財務の予測を行うことで前記取引企業を支援する取引企業支援システムであって、コンピュータが、前記マーケット指標の過去所定期間における指標データと、前記過去所定期間における前記取引企業の財務項目の財務データとを用い、前記財務データに対して、前記指標データの対応時期を遅らせた複数の時期別相関分析を行う時期別相関分析ステップ13と、前記時期別相関分析による回帰式の決定係数が最も大きい時期を最尤時期として決定する最尤時期決定ステップ20と、前記最尤時期における前記財務項目と前記マーケット指標との相関係数及び有意確率を算出する相関・有意確率算出ステップ30と、前記相関・有意確率算出ステップ30において、前記財務項目に対して相関性及び有意性がある前記マーケット指標を当該企業財務マーケット指標として決定する当該企業財務マーケット指標決定ステップ40と、前記当該企業財務マーケット指標を、前記最尤時期における前記財務項目と前記マーケット指標との回帰式データとともにデータベースに登録する登録ステップ50とを、前記取引企業別に実行することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の取引企業支援システムにおいて、前記マーケット指標が、為替(ドル/円)、日経商品指数(42種)、実質賃金指数、BDI(Baltic Dry Index)、原油、ナフサ、ガソリン、石炭、銅、小麦、大豆、小豆、砂糖、木材、綿、ポリエチレン、企業物価指数、消費者物価指数、電気代、鉄鉱石、及びシリコンの少なくともいずれか1つを含む、第1マーケット指標と第2マーケット指標とを少なくとも有し、前記財務項目が、有利子負債額、原価率、及び販管費率の少なくともいずれか1つを含む、第1財務項目と第2財務項目とを少なくとも有し、前記時期別相関分析ステップ13では、前記取引企業別に、前記第1財務項目と前記第1マーケット指標、前記第1財務項目と前記第2マーケット指標、前記第2財務項目と前記第1マーケット指標、及び前記第2財務項目と前記第2マーケット指標との間で前記時期別相関分析を行い、前記相関・有意確率算出ステップ30では、前記取引企業別に、前記第1財務項目と前記第1マーケット指標、前記第1財務項目と前記第2マーケット指標、前記第2財務項目と前記第1マーケット指標、及び前記第2財務項目と前記第2マーケット指標との間で前記相関係数及び前記有意確率を算出し、前記登録ステップ50では、前記取引企業別に、前記当該企業財務マーケット指標決定ステップ40で複数の前記当該企業財務マーケット指標が決定される場合には、決定されるすべての前記当該企業財務マーケット指標を登録することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の取引企業支援システムにおいて、前記コンピュータに、前記当該企業財務マーケット指標とした前記財務項目の直近財務値と前記マーケット指標の直近実績値、及び前記当該企業財務マーケット指標とした前記マーケット指標の予想値を入力することで、前記コンピュータが、前記当該企業財務マーケット指標として登録している前記回帰式データを用いて、前記当該企業財務マーケット指標とした前記財務項目の予想財務値を算出する予想財務値算出ステップ80と、前記予想財務値を出力する予想財務値出力ステップ90とを、前記取引企業別に実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、マーケット指標がどの程度、どのタイミングで影響を与えているのかを、当該企業財務マーケット指標として取引企業別に決定できることで、当該企業財務マーケット指標を用いて将来の財務を予測することができ、取引企業に対して適切なタイミングで資金提案を行うことができ、取引企業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施例による取引企業支援システムの処理流れを示す概念図
本実施例による時期別相関分析と最尤時期決定の説明図
本実施例による財務データに対する指標データの対応時期の説明図
本実施例による相関・有意確率算出ステップと当該企業財務マーケット指標決定ステップの説明図
本実施例による取引企業別に登録される当該企業財務マーケット指標の説明図
本実施例による取引企業別に登録される当該企業財務マーケット指標についての回帰式データの説明図
本実施例による取引企業別に登録される当該企業財務マーケット指標に基づく予想財務値の説明図
本実施例による取引企業別の当該企業財務マーケット指標の出力イメージ図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による取引企業支援システムは、コンピュータが、マーケット指標の過去所定期間における指標データと、過去所定期間における取引企業の財務項目の財務データとを用い、財務データに対して、指標データの対応時期を遅らせた複数の時期別相関分析を行う時期別相関分析ステップと、時期別相関分析による回帰式の決定係数が最も大きい時期を最尤時期として決定する最尤時期決定ステップと、最尤時期における財務項目とマーケット指標との相関係数及び有意確率を算出する相関・有意確率算出ステップと、相関・有意確率算出ステップにおいて、財務項目に対して相関性及び有意性があるマーケット指標を当該企業財務マーケット指標として決定する当該企業財務マーケット指標決定ステップと、当該企業財務マーケット指標を、最尤時期における財務項目とマーケット指標との回帰式データとともにデータベースに登録する登録ステップとを、取引企業別に実行するものである。本実施の形態によれば、取引企業別に、マーケット指標がどの程度、どのタイミングで影響を与えているのかを、当該企業財務マーケット指標として決定できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による取引企業支援システムにおいて、マーケット指標が、為替(ドル/円)、日経商品指数(42種)、実質賃金指数、BDI(Baltic Dry Index)、原油、ナフサ、ガソリン、石炭、銅、小麦、大豆、小豆、砂糖、木材、綿、ポリエチレン、企業物価指数、消費者物価指数、電気代、鉄鉱石、及びシリコンの少なくともいずれか1つを含む、第1マーケット指標と第2マーケット指標とを少なくとも有し、財務項目が、有利子負債額、原価率、及び販管費率の少なくともいずれか1つを含む、第1財務項目と第2財務項目とを少なくとも有し、時期別相関分析ステップでは、取引企業別に、第1財務項目と第1マーケット指標、第1財務項目と第2マーケット指標、第2財務項目と第1マーケット指標、及び第2財務項目と第2マーケット指標との間で時期別相関分析を行い、相関・有意確率算出ステップでは、取引企業別に、第1財務項目と第1マーケット指標、第1財務項目と第2マーケット指標、第2財務項目と第1マーケット指標、及び第2財務項目と第2マーケット指標との間で相関係数及び有意確率を算出し、登録ステップでは、取引企業別に、当該企業財務マーケット指標決定ステップで複数の当該企業財務マーケット指標が決定される場合には、決定されるすべての当該企業財務マーケット指標を登録するものである。本実施の形態によれば、複数種類のマーケット指標と財務項目との間で相関分析を行い、財務項目に対して相関関係があるマーケット指標を当該企業財務マーケット指標とすることで、取引企業特有のマーケット指標を用いて将来の財務を予測することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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