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公開番号2024169983
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023086887
出願日2023-05-26
発明の名称ニッケル形態の評価方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人
主分類G01N 23/2206 20180101AFI20241129BHJP(測定;試験)
要約【課題】従来、試料に含まれるニッケルの存在形態について、迅速・簡便に評価出来る方法は、未だ未開発であり、そこで、従来技術が有する問題に鑑み、迅速、かつ、簡便なニッケル形態の評価方法を、新たに開発、提供するものである。
【解決手段】ニッケル含有試料中のニッケル形態の評価方法であって、走査型電子顕微鏡(SEM)、及びエネルギー分散型X線分析装置(「EDS装置」)を有する鉱物粒子解析装置(「MLA装置」)装置を用いて試料中のニッケル形態を評価することを特徴とするニッケル形態の評価方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケル含有試料中のニッケル形態の評価方法であって、
鉱物粒子解析装置(MLA装置)を用いて試料中のニッケル形態を評価することを特徴とするニッケル形態の評価方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記MLA装置が、走査型電子顕微鏡(SEM)、及び、エネルギー分散型X線分析装置(EDS装置)を有することを特徴とする請求項1に記載のニッケル形態の評価方法。
【請求項3】
試料を樹脂に包埋して作製した樹脂形成体の表面を研磨し、平滑な測定面を得る前処理工程と、
前記SEMを用いて前記測定面の反射電子像(BSE像)を得る画像取得工程と、
前記BSE像を画像解析し、少なくとも試料粒子の位置、大きさ、及び、形状の情報を得る画像解析工程と、
前記EDS装置を用いて前記試料粒子のEDSスペクトルを得るスペクトル取得工程と、
前記MLA装置のデータベースに登録されたEDSスペクトル群と、前記試料粒子のEDSスペクトルとのスペクトルマッチングを行い、前記試料中のニッケル形態に関するニッケル種の分析結果を得る分析工程と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のニッケル形態の評価方法。
【請求項4】
前記試料が、酸化鉱、硫化鉱、ニッケルマット(Matte)、ミックスサルファイド(MS)、及び、ニッケル・コバルト水酸化物(MHP)から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1又は3に記載のニッケル形態の評価方法。
【請求項5】
前記ニッケル形態に関するニッケル種が、ニッケルメタル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫化ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル・コバルト化合物、ニッケル・鉄化合物、ニッケル・ヒ素化合物、ニッケル・アンチモン化合物、ニッケル・マグネシウム化合物、ニッケル・ケイ素化合物、ニッケル・ヒ素・硫黄化合物、及び、ニッケル・アンチモン・硫黄化合物から選択される1種以上であることを特徴とする請求項3に記載のニッケル形態の評価方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ニッケル形態の評価方法に関する。より詳しくは、ニッケル原料となる、酸化鉱、硫化鉱などの主要鉱石や、ニッケルマット(Matte)、ミックスサルファイド(MS)、及び、ニッケル・コバルト水酸化物(MHP)などの中間原料を評価対象とした、ニッケル形態の評価方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)などのクリーンビークルや、太陽光発電設備・風力発電設備などのクリーンエネルギーシステムの世界的な普及に伴い、今後もリチウムイオン電池(LIB)の更なる需要拡大が予想され、このニーズに対応する上で、LIBに組み込まれる正極材料の主原料である、ニッケルの増産が鍵となっている。
【0003】
ところで、ニッケル資源である主要鉱石としては、リモナイト、サプロライトなどの酸化鉱をはじめ、硫鉄ニッケル鉱(ペントランダイト)、含ニッケル磁硫鉄鉱、及び、珪ニッケル鉱(ガーニエライト鉱)などの硫化鉱が挙げられる。
また、中間原料としては、上記の酸化鉱、硫化鉱を、熔錬炉などを用いて乾式製錬することで得られるニッケルマット(Matte)のほか、近年では、従来、低品位鉱であるが故に、主要鉱石と見做されずに廃棄されていたラテライト鉱を、オートクレーブ硫酸浸出法を用いて湿式製錬することで得られる、濃縮硫化物のミックスサルファイド(MS)が多用されている。
【0004】
そして、これらのニッケル原料からニッケルを回収するためのプロセス設計や、実操業において高いニッケル回収率を得るためには、ニッケル原料に含まれるニッケルの存在形態、即ち、ニッケル形態を、迅速・簡便に評価することが重要となる。
【0005】
これに対し、現在知られているニッケル形態の評価方法として、非特許文献1には、(a)エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム(EDTA)溶液、(b)クエン酸溶液、(c)臭素メタノール溶液、及び、(d)硝酸-過塩素酸溶液の順に、試料の抽出操作を行い、(a)の抽出液に回収されたニッケルを水溶性ニッケル(Wa-Ni:塩化物、硫酸塩などの水に易溶の化合物)、(b)の抽出液に回収されたニッケルをニッケル硫化物(Su-Ni)、(c)の抽出液に回収されたニッケルを金属ニッケル(Me-Ni)、及び、(d)の抽出液に回収されたニッケルをニッケル酸化物(Ox-Ni)とし、それぞれの抽出液をメンブランフィルターで濾過後、適宜、硝酸、過酸化水素などを加えて加熱分解することによって得られた検液を、ICP発光分光分析(ICP)装置、又は、ICP質量分析(ICP-MS)装置で測定する技術が開示されている。
【0006】
その他、試料の前処理、測定操作が比較的容易であり、結晶構造の解析のほか、化合物の同定などに広く用いられている手段として、X線回折(XRD)法が挙げられ、非特許文献2には、酸化ニッケルに含まれる金属ニッケルの定量に関して、従来の臭素メタノール法よりも、更なる迅速・簡便な操作を行うため、分離・滴定操作が不要な、X線回折計による定量方法を検討した結果、有効な簡便法となり得ることが記載されている。
【0007】
しかしながら、非特許文献1の技術では、分析作業に多大な時間と労力を要するため、ニッケル形態を、迅速・簡便に評価出来る方法とは言い難い。また、工程が増えて分析作業に費やす時間が長くなると、試料の飛散などの操作ロス(損失)のほか、室内環境、器具などからのコンタミネーション(汚染)が発生し易くなり、評価結果の信頼性を低下させることにも繋がりかねない。
【0008】
更に、非特許文献2の技術では、定量分析を行う上で、標準物質を用いた検量線作成が必須となり、併せて形態分析も行う場合、化学種同士がそれぞれ正確に分別され、信頼性の高い評価結果を得るには、互いに不純物を含まない、高純度の標準物質が入手出来なければならない。また、文献中の「本法は、金属ニッケルの含有率が1%以下の試料への応用は困難であった。」との記載の通り、この方法でも、十分なニッケル形態の評価は行えず、主要なニッケル種の同定・定量は出来るものの、それ以外の微量のニッケル種まで同定・定量することは、極めて困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
BUNSEKI_KAGAKU_Vol.58,No.3,pp159-165(2009)_『大気粉塵中ニッケル化合物の化学種別分析』
BUNSEKI_KAGAKU_Vol.22,No.13,pp171-175(1973)_『X線回折計による酸化ニッケル中の金属ニッケルの定量』
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この様に、これまでは、試料に含まれるニッケルの存在形態について、迅速・簡便に評価出来る方法は、残念ながら未開発のままであった。
そこで、上記の従来技術が有する問題に鑑み、迅速、かつ、簡便なニッケル形態の評価方法を、新たに開発、提供するものである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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