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公開番号2024169811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-06
出願番号2023086571
出願日2023-05-26
発明の名称車両の故障予知方法および装置
出願人日産自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類G01M 17/007 20060101AFI20241129BHJP(測定;試験)
要約【課題】車両の故障の予兆を検知したときに、故障部品候補を精度よく特定する。
【解決手段】車両側装置において車両データから故障の予兆を検知し(ステップ101)、複数の異常信号の情報を含むデータを、ディーラー等に設けられる故障部品特定装置へ送信する(ステップ102)。故障部品特定装置では、過去の他車の故障予兆検知結果データベースを参照して(ステップ103)、異常信号の組み合わせパターンの一致度を診断する。一致度が高い1つあるいは複数の部品を故障部品候補として絞り込み(ステップ105)、表示部等に提示する(ステップ106)。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
車両の部品の故障の予兆を検知し、
この予兆に関連した複数の異常信号を含む予兆情報を取得し、
他車両における過去の予兆情報とこれに対応して修理交換した修理交換部品との対応をまとめた診断データを参照し、
取得した予兆情報と上記診断データにおける過去の予兆情報とを比較して一致度を診断し、
予兆情報の一致度が高い修理交換部品を故障部品候補として特定する、
車両の故障予知方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
上記診断データは、過去の予兆情報とこれに対応して修理交換した後の結果が良好であった修理交換部品との対応を含む、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項3】
取得した予兆情報に含まれる複数の異常信号の種類と、上記診断データにおける他車両の過去の予兆情報に含まれる異常信号の種類と、の一致度から予兆情報の一致度を求める、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項4】
部品に対応して複数の異常信号に重要度が定められており、
各信号の重要度を考慮して、取得した予兆情報と過去の予兆情報との一致度を求める、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項5】
上記重要度は、蓄積された診断データに基づいて設定される、
請求項4に記載の車両の故障予知方法。
【請求項6】
複数の部品の各々について異常信号の特徴量が異なる場合に当該異常信号を異常分類に対する寄与度が高い異常信号と定め、
この寄与度が高い異常信号を優先して、取得した予兆情報と過去の予兆情報との一致度を求める、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項7】
上記特徴量は、蓄積された診断データに基づいて設定される、
請求項6に記載の車両の故障予知方法。
【請求項8】
車両の部品の故障の予兆検知を車両側で行い、
車両側で取得した予兆情報をサーバーに送信し、
このサーバー側で、故障部品候補の特定を行う、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項9】
取得した予兆情報と上記診断データにおける過去の予兆情報との一致度に基づき、一致度が比較的に高い複数の故障部品候補を抽出する、
請求項1に記載の車両の故障予知方法。
【請求項10】
一致度に従い、順位を付して複数の故障部品候補を提示する、
請求項9に記載の車両の故障予知方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の故障の予兆を検知したときに、故障する可能性がある部品を特定する方法および装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1では、同じ車両分類(型式および初年度登録時期)に属する車両の中で運転者の運転行動(ふらつきの多少、平均速度、一乗車当たりの走行距離、急ブレーキの多少、等)が類似している車両を類似車両とし、この類似車両群における故障種別毎の発生回数平均から特定の車両(例えば自車両)の故障の再発予測日を求め、既にこの再発予測日を過ぎていたら故障発生の可能性がある、と判定する。つまり、繰り返し再発する故障については、運転行動が同様の類似した車両では同じ時期に同じ故障が再発する確率が高い、という前提に基づいて故障の予測を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4338652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、実際に何らかの予兆があるか否かに拘わらず統計学的に故障再発時期を予測するに過ぎず、規則性なく発生する多くの故障には対応できない。仮に何らかの異常信号等の予兆を検出したとしても、この予兆に基づきどの部品が故障しそうであるか、という予測はできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る車両の故障予知方法は、
車両の部品の故障の予兆を検知し、
この予兆に関連した複数の異常信号を含む予兆情報を取得し、
他車両における過去の予兆情報とこれに対応して修理交換した修理交換部品との対応をまとめた診断データを参照し、
取得した予兆情報と上記診断データにおける過去の予兆情報とを比較して一致度を診断し、
予兆情報の一致度が高い修理交換部品を故障部品候補として特定する。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、故障の予兆を検知したときに、他車両の過去の診断データを参照して、予兆情報に基づき故障部品候補を絞り込むことができ、未然に故障への対応をとることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
この発明に係る故障予知システムの第1実施例を示す構成説明図。
車両側での故障予兆検知結果のデータを表形式で示す説明図。
故障部品特定装置側の故障予兆検知結果データベースの説明図。
第1実施例の処理の流れを示すフローチャート。
故障予兆情報の一致度の説明図。
一致度が高い部品のリストの例を示す説明図。
故障予知システムの第2実施例を示す構成説明図。
第2実施例の処理の流れを示すフローチャート。
故障予知システムの第3実施例を示す構成説明図。
異常信号の履歴を含む故障予兆検知結果データベースの説明図。
故障予兆履歴データベースの説明図。
第3実施例の処理の流れを示すフローチャート。
一致度が高い部品のリストの例を示す説明図。
故障予知システムの第4実施例を示す構成説明図。
信号重要度データベースの説明図。
第4実施例の処理の流れを示すフローチャート。
順位付けした部品のリストの例を示す説明図。
故障予知システムの第5実施例を示す構成説明図。
信号特徴量データベースの説明図。
第5実施例の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明に係る故障予知システムの第1実施例を示す構成説明図である。故障予知システムは、個々の車両(例えば車両A)が有する車両側装置001と、ディーラー等に設けられたサーバーやクラウドコンピュータからなる故障部品特定装置002と、から構成される。
【0009】
車両側装置001は、車両が有するいわゆるコンピュータシステムの一部からなり、診断装置003と、メモリ004と、表示部005と、ECU(Electronic Control Unit)006と、通信部007と、故障予知部008と、を備えている。診断装置003は、車両の各部から得られる種々の信号(車両データともいう)を監視し、異常な信号を検出する。故障予知部008は、1つあるいは複数の異常信号(あるいは他の情報)に基づいて何らかの部品が故障に至る予兆であることを検知し、メモリ004に保存するとともに、通信部007を介して故障部品特定装置002へ送信する。車両は、いわゆるコネクテッドカーとして構成されており、通信部007を介して例えばインターネットに常時接続されている。この通信機能を利用して車両側装置001と故障部品特定装置002との間で種々の情報の送受信が行われる。表示部005は、例えば運転席の前方に設けられたディスプレイからなり、種々の情報が表示される。表示部005は、車両を保有するユーザの携帯端末(例えばスマートフォン)であってもよい。
【0010】
なお、故障予知部008が故障の予兆を検知したときに、故障部品特定装置002への送信と併せて、故障の予兆があったことを表示部005に表示するようにしてもよい。あるいは故障の予兆単独では表示せずに、後述する候補となる部品リストと併せて表示するようにしてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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