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公開番号2024168822
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085797
出願日2023-05-24
発明の名称ファイバレーザ装置
出願人株式会社フジクラ,川崎重工業株式会社
代理人個人
主分類H01S 3/067 20060101AFI20241128BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】 誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置を提供する。
【解決手段】 ファイバレーザ装置は、第1増幅用光ファイバ61と、第1増幅用光ファイバ61を挟む第1FBG51及び第2FBG52と、第2FBG52の第1増幅用光ファイバ61側と反対側に配置される第2増幅用光ファイバ62と、第1増幅用光ファイバに第1FBG51側から励起光を導入する第1励起光源11と、第2増幅用光ファイバ62に第2FBG52側と反対側から励起光を導入する第2励起光源12と、を備え、第2増幅用光ファイバ62のコアに添加される活性元素の濃度は、第1増幅用光ファイバ61のコアに添加される活性元素の濃度より高く、第1励起光源11からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバ61を透過して第2増幅用光ファイバ62に伝搬する。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有する第1増幅用光ファイバと、
前記第1増幅用光ファイバの一方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部の波長の光を反射する第1ミラーと、
前記第1増幅用光ファイバの他方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、前記第1ミラーが反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、
前記第2ミラーの前記第1増幅用光ファイバ側と反対側に配置され、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有し、当該コアが前記第2ミラーと光学的に結合し、当該クラッドが前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドと光学的に結合する第2増幅用光ファイバと、
前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第1ミラー側から励起光を導入する第1励起光源と、
前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第2ミラー側と反対側から励起光を導入する第2励起光源と、
を備え、
前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度より高く、
前記第1励起光源からの前記励起光の一部は、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドを透過して前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに伝搬する
ことを特徴とするファイバレーザ装置。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度の2倍以上4倍以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ装置。
【請求項3】
前記第1増幅用光ファイバと前記第2増幅用光ファイバとで、前記第1励起光源及び前記第2励起光源が出射する前記励起光の99%以上を吸収する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のファイバレーザ装置。
【請求項4】
前記第2増幅用光ファイバは、入射する前記励起光の98%以上を吸収する
ことを特徴とする請求項3に記載のファイバレーザ装置。
【請求項5】
前記第1励起光源からの前記励起光の33%以上66%以下が前記第2増幅用光ファイバに伝搬する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
【請求項6】
前記第1励起光源が出射する前記励起光のパワーと、前記第2励起光源が出射する前記励起光のパワーとは、概ね等しい
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。
【請求項7】
前記第1増幅用光ファイバの前記コアの直径と、前記第2増幅用光ファイバの前記コアの直径とは概ね同じである
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のファイバレーザ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイバレーザ装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
ファイバレーザ装置は、レーザ加工分野、医療分野等の様々な分野で用いられている。下記特許文献1には、ファイバレーザ装置の一例が記載されている。このファイバレーザ装置は、種光源と、種光源に接続され種光源からの光を増幅する光増幅器と、を備える。種光源は、高反射率ミラー、低反射率ミラー、及びこれらミラー間に配置される増幅用光ファイバにより形成される共振器と、増幅用光ファイバに高反射率ミラー側から励起光を導入する励起光源とを備える。光増幅器は、種光源に光学的に結合される増幅用光ファイバと、この増幅用光ファイバに種光源側と反対側から励起光を導入する励起光源とを備える。
【0003】
このファイバレーザ装置では、高反射率ミラーと低反射率ミラーとの間で光が共振し、これらミラーの間の増幅用光ファイバにおいて当該光が増幅され、増幅された光の一部が種光源から出射する。出射した光は、増幅器に入射し、増幅用光ファイバでさらに増幅されて出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-190834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この様なファイバレーザ装置において、共振器内では、前方に伝搬する光と後方に伝搬する光とが存在するため、光のパワー密度が大きくなり、誘導ラマン散乱が生じる懸念がある。誘導ラマン散乱が生じると、意図しない波長の光が増幅して、出力が不安定になる懸念がある。そこで、共振器における増幅用光ファイバを短くして、誘導ラマン散乱が生じることを抑えることが考えられる。しかし、出力パワーがより大きなファイバレーザ装置が求められているため、出力パワーの低下が抑制されることが好ましい。このため、共振器にパワーの大きな励起光を入射すると、増幅用光ファイバのコアにおける光の透過損失が増加するフォトダークニングが生じる場合がある。そこで、本発明は、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得るファイバレーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のファイバレーザ装置は、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有する第1増幅用光ファイバと、前記第1増幅用光ファイバの一方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、励起された前記活性元素が放出する光の少なくとも一部の波長の光を反射する第1ミラーと、前記第1増幅用光ファイバの他方側において、前記第1増幅用光ファイバの前記コアと光学的に結合し、前記第1ミラーが反射する光のうち少なくとも一部の波長の光を前記第1ミラーよりも低い反射率で反射する第2ミラーと、前記第2ミラーの前記第1増幅用光ファイバ側と反対側に配置され、活性元素が添加されるコア、及びクラッドを有し、当該コアが前記第2ミラーと光学的に結合し、当該クラッドが前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドと光学的に結合する第2増幅用光ファイバと、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第1ミラー側から励起光を導入する第1励起光源と、前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに前記第2ミラー側と反対側から励起光を導入する第2励起光源と、を備え、前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度より高く、前記第1励起光源からの前記励起光の一部は、前記第1増幅用光ファイバの前記クラッドを透過して前記第2増幅用光ファイバの前記クラッドに伝搬することを特徴とするものである。
【0007】
上記のように誘導ラマン散乱が生じやすい部位は、共振器内である。このファイバレーザ装置では、第1ミラーと第1増幅用光ファイバと第2ミラーとにより共振器が構成される。しかし、このファイバレーザ装置によれば、第1励起光源からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバを透過するため、第1励起光源からの励起光が全て第1増幅用光ファイバで吸収される場合と比べて、共振器内でのコアを伝搬する光のパワー密度が大きくなり過ぎず、誘導ラマン散乱の発生を抑制することができる。ところで、フォトダークニングの生じ易さは、増幅用光ファイバのコアを伝搬する光のパワー密度を励起光のパワー密度で除した値で活性元素の濃度を除した値が影響する。このため、このため第1励起光源からの励起光のパワーが大きいほど第1増幅用光ファイバにおけるフォトダークニングが生じやすい。しかし、このファイバレーザ装置の第1増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度は、第2増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度より低い。従って、第1増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度が第2増幅用光ファイバのコアに添加される活性元素の濃度と同じくらい高い場合と比べると、第1増幅用光ファイバにおけるフォトダークニングの発生が抑えられている。また、このファイバレーザ装置では、第1励起光源からの励起光の一部は、第1増幅用光ファイバよりも活性元素の濃度が高い第2増幅用光ファイバに伝搬する。このため、第1励起光源からの励起光が第2増幅用光ファイバに伝搬しない場合と比べて、第2増幅用光ファイバにおける光の増幅率が高い。従って、本発明のファイバレーザ装置は、出力パワーの低下を抑制し得る。以上のように、本発明のファイバレーザ装置によれば、誘導ラマン散乱及びフォトダークニングの発生を抑制しつつ、出力パワーの低下を抑制し得る。
【0008】
また、前記第2増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度は、前記第1増幅用光ファイバの前記コアに添加される前記活性元素の濃度の2倍以上4倍以下であることが好ましい。
【0009】
また、前記第1増幅用光ファイバと前記第2増幅用光ファイバとで、前記第1励起光源及び前記第2励起光源が出射する前記励起光の99%以上を吸収することが好ましい。
【0010】
このように構成さることで、漏洩する励起光のパワーが小さく、コアを伝搬する光が効率よく増幅され、漏洩する励起光による部材の損傷を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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