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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024167312
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-03
出願番号
2024146187,2022526549
出願日
2024-08-28,2021-05-24
発明の名称
切断可能なDNAコード化ライブラリ
出願人
日産化学株式会社
代理人
弁理士法人 津国
主分類
C12N
15/11 20060101AFI20241126BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】DNAコード化ライブラリのDNA鎖構造としてのヘアピン鎖DNAと2本鎖DNAの長所を両立させる技術を提供する。
【解決手段】本発明は、選択的に切断可能な部位を含む核酸化合物の利用法に関する。また本発明では、選択的に切断可能な部位を含むDNAコード化ライブラリ、その合成用組成物及びその使用方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(I)
TIFF
2024167312000061.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有する化合物。
続きを表示(約 2,400 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を含む、化合物ライブラリのヘッドピースの調製に用いるための組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を含む、DNAコード化ライブラリのヘッドピースの調製に用いるための組成物。
【請求項4】
式(I)
TIFF
2024167312000062.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有し、
化合物ライブラリのヘッドピースとして用いる化合物。
【請求項5】
式(I)
TIFF
2024167312000063.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有し、
DNAコード化ライブラリのヘッドピースとして用いる化合物。
【請求項6】
式(I)
TIFF
2024167312000064.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有する化合物ライブラリのヘッドピース。
【請求項7】
式(I)
TIFF
2024167312000065.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有するDNAコード化ライブラリのヘッドピース。
【請求項8】
式(II)
TIFF
2024167312000066.tif
46
161
(式中、
XおよびYは、オリゴヌクレオチド鎖であり、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基由来の2価の基であり、
Spは、結合又は2官能性スペーサーであり、
Anは、少なくとも1つのビルディングブロックにより構成される部分構造である。)
で表される化合物であり、
XとYは、少なくとも一部で二重鎖を形成しうる配列を有し、
Xは5‘末端でEに結合し、
Yは3‘末端でFに結合し、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有する化合物。
【請求項9】
式(III)
An-Sp-C-Bn (III)
(式中、
AnおよびSpは、請求項8と同じ意味を表し、
Bnは、オリゴヌクレオチド鎖Xとオリゴヌクレオチド鎖Yとで形成される2本鎖オリゴヌクレオチドタグを表し、
Cは、式(I)
TIFF
2024167312000067.tif
35
161
(式中、E、LP、L、DおよびFは、請求項8と同じ意味を表し、ただし、DはAnと直接結合するか、または2官能性スペーサーを介して結合し、EとFとは2本鎖オリゴヌクレオチドタグBnのそれぞれ対応する末端側に結合する。)
で表される、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Anが、請求項8と同じであり、かつ、n個のビルディングブロックα1~αn(nは、1~10の整数である。)により構築される部分構造であり、
Bnが、オリゴヌクレオチド鎖Xとオリゴヌクレオチド鎖Yとで形成される2本鎖オリゴヌクレオチドタグであり、かつ、Anの構造を同定することができる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを含む部分構造である、
請求項8又は9に記載の化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断可能な部位をDNA鎖中に含むDNAコード化ライブラリに関する。
続きを表示(約 8,100 文字)
【背景技術】
【0002】
化合物ライブラリとは、医薬品候補化合物など、特定の活性を有する可能性のある化合物を系統的に集めた化合物誘導体群である。この化合物ライブラリは、多くの場合コンビナトリアル化学の合成技術と方法論に基づき合成される。コンビナトリアル化学とは、組み合わせ論に基づいて列挙し設計された一連の化合物ライブラリを系統的な合成経路で効率的に多品種合成するための実験手法とそれに関する研究分野である。
コンビナトリアル化学に基づく化合物ライブラリの一つの種として、DNAコード化ライブラリがある。以下、DNAコード化ライブラリを適宜DELと略す。DELでは、ライブラリ化された各化合物に、DNAのタグが付加される。DNAのタグは、各化合物の各構造を同定できるように配列が設計されており、化合物の標識として機能する(特許文献1乃至3)。
従来知られているDELのDNA鎖構造は、2本鎖とヘアピン鎖の2つが代表的である。
以下、2本鎖DELとヘアピン鎖DELの概要と長所短所について概説する。
(1)ヘアピン鎖DEL
ヘアピン鎖DNAをもちいるDELは、相補的な2本のDNA鎖がつながった1本鎖構造であり、種々のビルディングブロック導入のための官能基を有するヘアピン型DNAを出発原料(ヘッドピース)として用いて合成される(特許文献3、非特許文献1及2)。
(A)長所
(a)短いDNAタグが使用できる。
本手法では、多くの場合、2merの粘着末端を有する9~13mer程度の比較的短い2本鎖DNAタグが使用されており、2本鎖DNAタグはDNAリガーゼによるライゲーション反応により導入される。このような短いDNAタグの使用は、ヘアピン鎖DNAが分子内で強く二重鎖を形成し、粘着末端以外のDNA部位がDNAタグと干渉しないことにより可能となっている。短い2本鎖DNAタグの使用は、DEL合成において、いくつかの利点を有する。一つの利点として、DNAタグの合成にかかるコストが低いことが挙げられる。また、もう一つの利点として、より短いDNAタグの使用は、同じ反応サイクル数をコードする場合、DELの全長が短く抑えられることが挙げられる。すなわち、より多くのサイクル数をコードしても、次世代シーケンサーによって効率的にDNA配列を読み取り可能な範囲までDELの全長を抑えられる。実際に非特許文献3では、ヘアピン鎖DNAをもちいることにより、6サイクルもの反応をコードしたヘアピン鎖DNAをもちいたDELの構築が達成されている。
(b)化学的安定性が高い
2本鎖と異なりヘアピン鎖では、加熱反応中に二重鎖構造が融解しても、その後の再アニール条件下で、鎖交換を生じることなく、元の分子内での二重鎖が再形成される。したがって、ヘアピン鎖DNAをもちいるDELは、より広範な化学条件で使用可能という利点を有する(非特許文献2)。また、一般に核酸鎖は、同じ鎖長であればヘアピン鎖の方が2本鎖よりも強く二重鎖を形成する(Tm値が高い)。したがって、ビルディングブロック導入時の種々の化学的条件下において、ヘアピン鎖DNAの各化学構造、特に塩基部の構造は2本鎖に比べ構造変換に抵抗するはずである。
(B)短所
ヘアピン鎖DNAは、その強い二重鎖形成能がゆえ、二重鎖を融解させプライマーオリゴヌクレオチドを結合させてポリメラーゼ反応開始させることが難しく、PCR効率が低いという課題を有している(特許文献4)。
(2)2本鎖DEL
2本鎖DNAをもちいるDELは、種々のビルディングブロック導入のための官能基を有する1本鎖DNA(ヘアピン鎖でない1本鎖DNA)又は2本鎖DNAを出発原料(ヘッドピース)として合成される。
(A)短所
ヘアピン鎖DNAをもちいるDELと対照的に、多くの場合、4~10merの粘着末端を有する20~30mer程度の比較的長い1本鎖または2本鎖DNAタグが使用されおり(特許文献2、非特許文献4)、3サイクル程度の反応をコードしたDELが一般的である。
(B)長所
2本鎖DNAをもちいるDELは、PCR効率の観点ではヘアピン鎖DNAのような課題を有していない。さらに、ヘアピン鎖DNAと異なり、2本鎖DNAは変性により1本鎖DNAにすること、もしくは鎖交換反応を実施することが可能であり、様々用途に即したDNA構造に変換することで、幅広い評価手法に適応できるという利点を有する。例えばDNAの2本鎖形成能を利用した感度比の高い評価手法が開発されている(非特許文献5及6)。
【0003】
このように、ヘアピン鎖DNAと2本鎖DNAは、それぞれDELの合成時、評価時において長所を有するものの、長所を両立する技術は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第93/20243号
国際公開第2004/039825号
国際公開第2005/058479号
国際公開第2010/094036号
【非特許文献】
【0005】
ネイチャー・ケミカル・バイオロジー、2009年、5巻、647-654頁
A Handbook for DNA-Encoded Chemistry、Robert A.Goodnow,Jr.編、John Wiley & Sons,Inc.
エーシーエス・ケミカル・バイオロジー、2018年、13巻、53-59頁
ネイチャー・ケミストリー、2018年、10巻、441-448頁
アニューアル・レビュー・オブ・バイオケミストリー、2018年、87巻、479-502頁
エーシーエス・コンビナトリアル・サイエンス、2020年、22巻、204-212頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は切断可能な部位をDNA鎖中に含むDEL、およびDELの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
DNAなどの核酸化学の一つとして核酸の切断技術がある。例えば、DNA鎖中にデオキシウリジンを導入すると、USER(登録商標)酵素により選択的に切断することができる。
本発明者は、鋭意研究の結果、例えばデオキシウリジンのような切断可能な部位をDNA鎖中に導入することで、ヘアピン鎖DNAと2本鎖DNAの長所を両立できることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、本発明は、以下のとおりである。
【0008】
[1] 式(I)
TIFF
2024167312000001.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有する化合物。
[2] [1]に記載の化合物を含む、化合物ライブラリのヘッドピースの調製に用いるための組成物。
[3] [1]に記載の化合物を含む、DNAコード化ライブラリのヘッドピースの調製に用いるための組成物。
[4] 式(I)
TIFF
2024167312000002.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有し、
化合物ライブラリのヘッドピースとして用いる化合物。
[5] 式(I)
TIFF
2024167312000003.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有し、
DNAコード化ライブラリのヘッドピースとして用いる化合物。
[6] 式(I)
TIFF
2024167312000004.tif
35
161
(式中、
EおよびFは、それぞれ独立して
ヌクレオチド又は核酸アナログにより構成されるオリゴマーであり、
ただし、EとFが互いに相補的な塩基配列を含み、二重鎖オリゴヌクレオチドを形成し、
LPは、ループ部位であり、
Lは、リンカーであり、
Dは、反応性官能基である。)
で表される化合物であり、
E、F、又はLPの少なくともいずれか1つの部位に、少なくとも1つの選択的に切断可能な部位を有する化合物ライブラリのヘッドピース。
[7] 式(I)
TIFF
2024167312000005.tif
35
161
【発明の効果】
【0009】
本発明では、切断可能な部位をDNA鎖中に含むDEL、及びその合成用組成物を提供し、従来よりも利便性の高いDELの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
様式1の例示的なDEL製造方法を示す。切断可能な部位をDNA鎖中に含む第1のオリゴヌクレオチド鎖、ループ部位および第2のオリゴヌクレオチド鎖を含むヘッドピースを出発原料とし、ビルディングブロックの結合と、該ビルディングブロックに対応するオリゴヌクレオチドタグの2本鎖ライゲーションとを繰り返し(図1では3回)、さらに所望によりプライマー領域を含むオリゴヌクレオチドタグの2本鎖ライゲーションをすることによって、DELの製造が達成される。
様式1の例示的なDELの使用方法を示す。切断可能な部位をヘッドピースの第1のオリゴヌクレオチド鎖中に含むDELに対し、酵素などの切断手段を用いて切断可能な部位を切断し、ループ部位で結合されていない2本鎖オリゴヌクレオチドへと誘導することで、高い効率でPCRを行うことができる。
様式2の例示的なDELの使用方法を示す。切断可能な部位をヘッドピースの第2のオリゴヌクレオチド鎖中に含むDELに対し、酵素などの切断手段を用いて切断可能な部位を切断し、ループ部位で結合されていない2本鎖オリゴヌクレオチドへと誘導することで、高い効率でPCRを行うことができる。
様式3の例示的なDELの使用方法を示す。切断可能な部位をヘッドピースの第1のオリゴヌクレオチド鎖中および第2のオリゴヌクレオチド鎖中に含むDELに対し、酵素などの切断手段を用いて切断可能な部位の双方を切断し、ループ部位が結合していない2本鎖オリゴヌクレオチドへと誘導することで、高い効率でPCRを行うことができる。
様式4の例示的なDELの使用法を示す。互いに異なる2種の切断可能な部位をヘッドピースの第1のオリゴヌクレオチド鎖中および第2のオリゴヌクレオチド鎖中に含むDELに対し、切断条件を選択することで、第1のオリゴヌクレオチド鎖中または第2のオリゴヌクレオチド鎖の一方を選択的に切断することができる。
様式5の例示的なDELの使用法を示す。DNAタグの末端近くに切断可能な部位を設け、所望に応じて当該部位を切断することで、新たな突出末端を生成することができる。当該突出末端は粘着末端として利用して、所望の核酸配列、例えばUMIs(特定分子識別配列)などをライゲートすることができ、新たな機能を付与することができる。
様式6の例示的なDELの使用法を示す。本発明では、切断可能な部位と、修飾基や機能性分子を組み合わせて使用することでき、例えば、ヘアピン鎖DNAを1本鎖DNAに変換したDELを調製することが可能である。例えば、合成されたDEL化合物に対し、3‘末端に機能性分子(例えばビオチン)を有する2本鎖オリゴヌクレオチド鎖をライゲートし(A)、切断可能な部位を切断し(B)、機能性分子の機能に応じた処理を加える(C)。例えば機能性分子がビオチンの場合、ビオチン親和性を有するストレプトアビジンビーズなどを用い、ビオチンが結合したオリゴヌクレオチド鎖を選択的に系中から除去する。それにより、1本鎖DNAを有するDELを取得することが可能である。
様式6で取得したDELの例示的な使用法を示す。様式6で取得した1本鎖DNAを有するDELは、所望の機能部位を有する修飾オリゴヌクレオチド(例えば光反応性クロスリンカーなどのクロスリンカー修飾DNA)と2本鎖を形成させることで、新たな機能を付与することが可能となる。
様式7の例示的なDELの使用法を示す。本発明では、切断可能な部位を利用し、クロスリンカーを導入することができる。合成されたDEL化合物に対し、切断可能な部位を切断し(A)、修飾プライマーを付与し(B)、付与したプライマーをもとに、クロスリンカー修飾2本鎖DEL化合物を合成することができる(C)。クロスリンカー修飾2本鎖DEL化合物は、DELライブラリのスクリーニングにおいて検出感度を顕著に向上させることができる(非特許文献5,6など参照)。
実施例1において、デオキシウリジンを含むヘアピン型DELの部分構造(U-DEL1-sh、U-DEL2-sh、U-DEL3-sh、U-DEL4-sh、U-DEL5-HP、U-DEL6-HP、U-DEL7-HP、U-DEL8-HP、U-DEL9-HP、及びU-DEL10-HPの10種)のUSER(登録商標)enzymeによる切断反応の検証を実施した際の、各インキュベーション時間における切断反応の転化率を表したグラフである。
実施例2、3、4、5、及び7において、各種ヘアピンDEL(U-DEL1、U-DEL2、U-DEL4、U-DEL7、U-DEL8、U-DEL9、U―DEL10、H-DEL、U-DEL5、U-DEL11、U-DEL12、U-DEL13、I-DEL1、I-DEL2、I-DEL3、R-DEL1、及びBIO-DEL)の合成手順を示す概略図である。それぞれに対応するヘッドピースを原料とし、2本鎖オリゴヌクレオチドPr_TAG、及びCPとの2段階の2本鎖ライゲーションによりヘアピンDEL合成が達成される。
実施例2において、8種のヘアピンDEL(U-DEL1、U-DEL2、U-DEL4、U-DEL7、U-DEL8、U-DEL9、U-DEL10、及びH-DEL)、及び2本鎖DEL(DS-DEL)のリアルタイムPCRにより測定したCt値を示す、サンプル量ごとのグラフである。各種DELをUSER(登録商標)enzymeにより処理した試料を “USER(+)”と表示し、未処理の試料を“USER(-)”と表示している。デオキシウリジンを含む切断可能なヘアピンDEL(U-DEL1、U-DEL2、U-DEL4、U-DEL7、U-DEL8、U-DEL9、及びU-DEL10)は、USER(登録商標)enzyme処理後に2本鎖DEL(DS-DEL)と同等のCt値を示している。
実施例3において、6種のデオキシウリジンを含むヘアピンDEL(U-DEL5、U-DEL7、U-DEL9、U-DEL11、U-DEL12及びU-DEL13)のUSER(登録商標)enzymeによる切断反応の進行を示す、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
実施例4において、4種のデオキシイノシンを含むヘアピンDEL(I-DEL1、I-DEL2、I-DEL3及びI-DEL4)のエンドヌクレアーゼVによる切断反応の進行を示す、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
実施例5において、リボヌクレオシドを含むヘアピンDEL(R-DEL1)のRNaseHIIによる切断反応の進行を示す、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
U-DEL9-HPを原料とした、3×3×3(27)化合物種を含むモデルライブラリの合成手順を示す概略図である。実施例6において、U-DEL9-HPを原料とし、3回(サイクルA、B,C)のスプリット・アンド・プール工程によりモデルライブラリの合成が達成される。また、各サイクルでは、2本鎖オリゴヌクレオチドタグのライゲーション反応と、ビルディングブロック導入のための化学反応が含まれている。
実施例6のモデルライブラリ合成における、各サイクルのライゲーション反応の進行を示す、アガロースゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
図18Aは、実施例6のモデルライブラリ合成における、サイクルC完了後のサンプルより得られたクロマトグラフである。図18Bは、実施例6のモデルライブラリ合成における、サイクルC完了後のサンプルより得られたMSスペクトルのデコンボリューション結果である。
実施例6において、モデルライブラリのUSER(登録商標)enzymeによる切断反応の進行を示す、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
実施例7において、3’末端にビオチンを有するDEL化合物「BIO-DEL」のUSER(登録商標)enzymeによる切断反応の進行を示す、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
実施例7において、1本鎖DNAを有するDEL化合物「SS-DEL」、及び光反応性クロスリンカー修飾プライマー「PXL-Pr」を用いて、プライマー伸長反応を実施した結果を示す、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により得られたゲルの画像である。なお、図中の数字は各レーンの番号を示している。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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