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公開番号2024161885
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-20
出願番号2024018235
出願日2024-02-09
発明の名称片末端無置換ポリチオフェンの製造方法およびチオフェン化合物
出願人学校法人神奈川大学,日産化学株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08G 61/12 20060101AFI20241113BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】両末端を選択的に修飾したポリチオフェンやブロックコポリマーの合成原料として好適に利用可能であり、汎用有機溶媒に可溶な片末端無置換ポリチオフェンの製造方法を提供すること。
【解決手段】金属触媒の存在下、下記式(2)で示されるヨードベンゼン化合物をイニシエーターとし、下記式(1)で示されるチオフェン化合物を重合させる、下記式(3)で示される片末端無置換ポリチオフェンの製造方法。
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(R1~R5は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または炭素数1~5のアルキル基を表す。Xは、ハロゲンを表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。nは、自然数を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属触媒の存在下、下記式(2)
TIFF
2024161885000023.tif
29
41
(式中、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、または炭素数1~5のアルキル基を表す。)
で示されるヨードベンゼン化合物をイニシエーターとし、下記式(1)
TIFF
2024161885000024.tif
31
71
(式中、Xは、ハロゲンを表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
で示されるチオフェン化合物を重合させる、下記式(3)
TIFF
2024161885000025.tif
30
57
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
およびYは、前記と同じ意味を表す。)
で示される片末端無置換ポリチオフェンの製造方法。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記式(2)で示されるヨードベンゼン化合物、リン酸カリウム、および金属触媒を混合して混合物Aを調製し、
得られた前記混合物A、水および水溶性有機溶媒を混合して調製した混合物Bと、前記式(1)で示されるチオフェン化合物の溶液とを混合し、当該チオフェン化合物を重合させる請求項1記載の片末端無置換ポリチオフェンの製造方法。
【請求項3】
前記Yが、メトキシエトキシエトキシメチル基である請求項1記載の片末端無置換ポリチオフェンの製造方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載の製造方法で得られた前記式(3)で示される片末端無置換ポリチオフェンと、下記式(4)
TIFF
2024161885000026.tif
19
66
で示されるビニルフェニルボロン酸ピナコールエステル化合物とを、金属触媒の存在下で反応させる、下記式(5)
TIFF
2024161885000027.tif
30
81
(式中、R
1
~R
5
、Yおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるポリチオフェンの製造方法。
【請求項5】
前記式(4)で示されるビニルフェニルボロン酸ピナコールエステル化合物を、前記式(1)で示されるチオフェン化合物を重合させた溶液中に添加する請求項4記載のポリチオフェンの製造方法。
【請求項6】
請求項4記載の製造方法で得られた前記式(5)で示されるポリチオフェンに、白金触媒を用いて、HSi(OR
8

3
(式中、R
8
は、炭素数1~6のアルキル基を表す。)を反応させる下記式(6)で示される片末端トリアルコキシシリル基含有ポリチオフェンの製造方法。
TIFF
2024161885000028.tif
30
88
(式中、R
1
~R
8
、Yおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
【請求項7】
請求項6記載の製造方法で得られた前記式(6)で示される片末端トリアルコキシシリル基含有ポリチオフェンを金属酸化物粒子と反応させる表面ポリチオフェン修飾金属酸化物粒子の製造方法。
【請求項8】
下記式(3)で示され、数平均分子量が1,000~100,000、かつ、分子量分布1.3以下のポリチオフェン。
TIFF
2024161885000029.tif
30
57
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~5のアルキル基を表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
【請求項9】
下記式(5)で示され、数平均分子量1,000~100,000、かつ、分子量分布1.3以下であるポリチオフェン。
TIFF
2024161885000030.tif
30
81
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~5のアルキル基を表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
【請求項10】
前記Yが、メトキシエトキシエトキシメチル基である請求項8または9記載のポリチオフェン。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、片末端無置換ポリチオフェンの製造方法およびチオフェン化合物に関し、さらに詳述すると、両末端が修飾されたポリチオフェンやブロックコポリマーを合成するための原料として好適に利用可能な片末端無置換ポリチオフェン化合物の製造方法およびそれに用いるチオフェン化合物に関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
有機材料の耐熱性、力学特性、電気的特性を向上させるために、シリカゲルや酸化チタンなどの無機微粒子を有機高分子と混ぜたハイブリッド材料(ナノコンポジット)がよく研究されている。しかし、有機材料と無機材料はそもそも性質が大きく異なるので、上記ハイブリット材料では、それほど多くの無機微粒子を有機材料中に導入できない、有機材料中にきれいに無機微粒子を分散させるのが難しい、時間が経つと有機材料中で無機微粒子が凝集する、などが問題となっている。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するため無機微粒子表面を有機低分子化合物や有機高分子で修飾することが行われてきた。有機高分子で修飾する場合は、(1)無機表面に開始部位を導入してそこからリビング重合を行う、(2)リビングポリマー末端に無機物と結合できる官能基(例えば、-Si(OR)
3
、-PO
3
H、-COOH、-SHなど)を導入して無機微粒子表面に反応させる、という2つの方法が主に行われている。例えば、後者の方法で、鎖状および多分岐芳香族ポリアミド末端に-Si(OR)
3
基を導入して表面修飾したシリカ微粒子を芳香族ポリイミドに加えると、耐熱性が上がり、従来の未修飾シリカを加える場合に比べて透明性が向上することが明らかとなっている(特許文献1~3)。
【0004】
このように、シリカ粒子を有機高分子で修飾することは、ハイブリッド材料を開発する上で重要である。特に、ポリチオフェン、ポリアニリンなどの導電性高分子は、太陽電池、電界効果型トランジスタ、発光素子やセンサー等への適用可能性について研究されてきている一方、これらの導電性高分子は着色しているため、透明なシリカ粒子をこれらの導電性高分子で修飾することは新たな高透明性導電性ハイブリッド材料を開発することにつながる。
【0005】
ところで、ハイブリッド材料を得るためには、ポリマー末端を制御し、シリカ粒子に修飾できるようにする必要がある。この点、これまで側鎖に3-ヘキシルチオフェンを用いて片末端を封止したポリチオフェンは製造されている(非特許文献1~3)が、得られるポリチオフェンは、アルコールに代表される汎用溶媒への溶解性が乏しく、種々の材料に応用することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2017/130905号
特開2018-123295号公報
特開2018-127599号公報
【非特許文献】
【0007】
Macromolecules, 2004, 37, 1169-1171.
Macromol. Rapid Commun., 2004, 25, 1663-1666.
J. Am. Chem. Soc., 2005, 127, 17542-17547.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、両末端を選択的に修飾したポリチオフェンやブロックコポリマーの合成原料として好適に利用可能であり、汎用有機溶媒に可溶な片末端無置換ポリチオフェンの製造方法、およびその製造に利用可能であるとともに、精製後も安定的に保存でき、テトラヒドロフラン等の水性有機溶媒に可溶なチオフェン化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、5位にボロン酸エステル基を有するチオフェン化合物を、ヨードベンゼン化合物をイニシエーターとして重合することで、片末端の2位が置換されていないポリチオフェンが得られることを見出すとともに、この片末端無置換ポリチオフェンを用いることで、末端修飾ポリチオフェンやブロックコポリマーを効率的に合成できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
1. 金属触媒の存在下、下記式(2)
TIFF
2024161885000001.tif
29
41
(式中、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子または炭素数1~5のアルキル基を表す。)
で示されるヨードベンゼン化合物をイニシエーターとし、下記式(1)
TIFF
2024161885000002.tif
31
71
(式中、Xは、ハロゲンを表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
で示されるチオフェン化合物を重合させる、下記式(3)
TIFF
2024161885000003.tif
30
57
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
およびYは、前記と同じ意味を表す。)
で示される片末端無置換ポリチオフェンの製造方法、
2. 前記式(2)で示されるヨードベンゼン化合物、リン酸カリウム、および金属触媒を混合して混合物Aを調製し、
得られた前記混合物A、水および水溶性有機溶媒を混合して調製した混合物Bと、前記式(1)で示されるチオフェン化合物の溶液とを混合し、当該チオフェン化合物を重合させる1の片末端無置換ポリチオフェンの製造方法、
3. 前記Yが、メトキシエトキシエトキシメチル基である1の片末端無置換ポリチオフェンの製造方法、
4. 1~3のいずれかの製造方法で得られた前記式(3)で示される片末端無置換ポリチオフェンと、下記式(4)
TIFF
2024161885000004.tif
19
66
で示されるビニルフェニルボロン酸ピナコールエステル化合物とを、金属触媒の存在下で反応させる、下記式(5)
TIFF
2024161885000005.tif
30
81
(式中、R
1
~R
5
、Yおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
で示されるポリチオフェンの製造方法、
5. 前記式(4)で示されるビニルフェニルボロン酸ピナコールエステル化合物を、前記式(1)で示されるチオフェン化合物を重合させた溶液中に添加する4のポリチオフェンの製造方法、
6. 4の製造方法で得られた前記式(5)で示されるポリチオフェンに、白金触媒を用いて、HSi(OR
8

3
(式中、R
8
は、炭素数1~6のアルキル基を表す。)を反応させる下記式(6)で示される片末端トリアルコキシシリル基含有ポリチオフェンの製造方法、
TIFF
2024161885000006.tif
30
89
(式中、R
1
~R
8
、Yおよびnは、前記と同じ意味を表す。)
7. 6の製造方法で得られた前記式(6)で示される片末端トリアルコキシシリル基含有ポリチオフェンを金属酸化物粒子と反応させる表面ポリチオフェン修飾金属酸化物粒子の製造方法、
8. 下記式(3)で示され、数平均分子量が1,000~100,000、かつ、分子量分布1.3以下のポリチオフェン、
TIFF
2024161885000007.tif
30
57
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~5のアルキル基を表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
9. 下記式(5)で示され、数平均分子量1,000~100,000、かつ、分子量分布1.3以下であるポリチオフェン、
TIFF
2024161885000008.tif
30
81
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~5のアルキル基を表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
10. 前記Yが、メトキシエトキシエトキシメチル基である8または9のポリチオフェン、
11. 式(1)で示されるチオフェン化合物、
TIFF
2024161885000009.tif
31
71
(式中、Xは、ハロゲンを表し、Yは、酸素原子を3つ以上有する1価の有機基を表す。)
12. 下記式(6)で示され、数平均分子量1,000~100,000の片末端トリアルコキシシリル基含有ポリチオフェン、
TIFF
2024161885000010.tif
30
89
(式中、nは、自然数を表し、R
1
~R
5
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または炭素数1~5のアルキル基を表し、R
8
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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