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公開番号
2024160625
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-14
出願番号
2023075839
出願日
2023-05-01
発明の名称
生体物質付着抑制能を有する限外ろ過膜
出願人
日産化学株式会社
,
国立大学法人大阪大学
代理人
弁理士法人 津国
主分類
B01D
61/14 20060101AFI20241107BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】本発明の目的は、膜透過の阻害や試料損失といった問題の無い、生体物質付着抑制能に優れた限外ろ過膜を提供することである。
【解決手段】表面の少なくとも一部に生体物質付着抑制能を有するコーティング膜を含む、限外ろ過膜を提供する。好ましい態様では、該コーティング膜は(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む共重合体又はその硬化物を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
表面の少なくとも一部に生体物質付着抑制能を有するコーティング膜を含む、限外ろ過膜。
続きを表示(約 850 文字)
【請求項2】
限外ろ過膜が平膜である、請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項3】
限外ろ過がノーマルフローろ過である、請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項4】
生体物質が、タンパク質、糖、脂質、ウイルス、核酸、細胞、細胞外小胞(EV)又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項5】
生体物質の分離、精製及び/又は濃縮用である、請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項6】
コーティング膜が、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む重合体又はその硬化物を含む、請求項1に記載の限外ろ過膜。
【請求項7】
コーティング膜が、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む重合体の硬化物を含み、硬化が、アジド基、ジアゾ基、ジアジド基及びカルボジイミド基からなる群より選択される1種又は2種以上の架橋基を介して進行する、請求項6に記載の限外ろ過膜。
【請求項8】
請求項1に記載の限外ろ過膜を備える、遠心式限外ろ過フィルターユニット。
【請求項9】
請求項8に記載の遠心式限外ろ過フィルターユニットを用いた、生体物質の分離、精製及び/又は濃縮方法。
【請求項10】
限外ろ過膜の表面の少なくとも一部に、生体物質付着抑制能を有するコーティング膜形成用組成物を塗布する工程と、塗布物を乾燥する工程とを含む、生体物質付着抑制能を有する限外ろ過膜の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体物質付着抑制能を有するコーティング膜を備える限外ろ過膜、該限外ろ過膜を備える、遠心式限外ろ過フィルターユニット、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
生物学的試料の脱塩、分離、濃縮及び/又は精製や、分析試料の前処理のため、多孔質ろ過膜を用いた精密ろ過、限外ろ過、逆浸透などの技術が知られている。特に、ウイルス濃縮、タンパク質濃縮、核酸精製などを目的に、例えば公称分画分子量(NMWL)が1kDa~1000kDaの多孔質ろ過膜を用いた限外ろ過、特に遠心機を利用した限外ろ過が広く用いられている。また遠心機を利用した限外ろ過に使用するために、限外ろ過膜を備えるフィルターユニットとろ液を捕集するためのチューブの二層構造からなる遠心式限外ろ過フィルターユニットなども市販されている。
【0003】
しかしながら、生物学的試料のろ過を目的とする多孔質ろ過膜では、生物学的試料に含まれるタンパク質、多糖類、微生物、微粒子などがろ過膜に吸着することで、膜の透過を阻害したり、目的とする試料成分(例えば、タンパク質やウイルス)の吸着による損失により回収率を低下させたりするといった問題があった。
【0004】
このような問題を回避するために、膜の素材として再生セルロースのような親水性素材が採用されている。あるいは、疎水性の膜素材を表面処理すること、例えば、多孔質膜の表面にホスホリルコリン基を有する単量体を構成成分として含む共重合体(例えば、MPC共重合体)を吸着させたり、取り込んだりすること(例えば、特許文献1、2参照)、多孔質膜に架橋成分により機能性ポリマーを導入することにより表面修飾すること(例えば、特許文献3参照)などが報告されている。しかしながら、限外ろ過の使用に適し、十分な生体物質付着抑制能を有する膜素材やその表面処理は報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-239636号公報
特開2016-77923号公報
国際公開第2017/170210号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、膜透過の阻害や試料損失といった問題の無い、生体物質付着抑制能に優れた限外ろ過膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発者らは鋭意検討した結果、限外ろ過膜の表面の少なくとも一部に、生体物質付着抑制能を有するコーティング膜を付与することにより、膜透過の阻害や試料損失といった問題の無い、生体物質付着抑制能に優れた限外ろ過膜を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は以下のとおりである。
[1] 表面の少なくとも一部に生体物質付着抑制能を有するコーティング膜を含む、限外ろ過膜。
[2] 限外ろ過膜が平膜である、[1]に記載の限外ろ過膜。
[3] 限外ろ過がノーマルフローろ過である、[1]に記載の限外ろ過膜。
[4] 生体物質が、タンパク質、糖、脂質、ウイルス、核酸、細胞、細胞外小胞(EV)又はそれらの組み合わせである、[1]に記載の限外ろ過膜。
[5] 生体物質の分離、精製及び/又は濃縮用である、[1]に記載の限外ろ過膜。
[6] コーティング膜が、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む重合体又はその硬化物を含む、[1]に記載の限外ろ過膜。
[7] コーティング膜が、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む重合体の硬化物を含み、硬化が、アジド基、ジアゾ基、ジアジド基及びカルボジイミド基からなる群より選択される1種又は2種以上の架橋基を介して進行する、[6]に記載の限外ろ過膜。
[8] [1]に記載の限外ろ過膜を備える、遠心式限外ろ過フィルターユニット。
[9] [8]に記載の遠心式限外ろ過フィルターユニットを用いた、生体物質の分離、精製及び/又は濃縮方法。
[10] 限外ろ過膜の表面の少なくとも一部に、生体物質付着抑制能を有するコーティング膜形成用組成物を塗布する工程と、塗布物を乾燥する工程とを含む、生体物質付着抑制能を有する限外ろ過膜の製造方法。
[11] コーティング膜形成用組成物が、(メタ)アクリル酸及びそのエステル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、エチレン、ビニルアルコール並びにそれらの親水性の官能性誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される繰り返し単位を含む重合体を含む、[10]に記載の製造方法。
[12] コーティング膜形成用組成物が、アジド基、ジアゾ基、ジアジド基及びカルボジイミド基からなる群より選択される1種又は2種以上の架橋基を含む架橋成分を含む、[11]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の限外ろ過膜は、生体物質付着抑制能に優れることから、膜透過の阻害や試料損失といった問題を低減できる。また本発明の限外ろ過膜は、市販の限外ろ過膜に簡便な操作でコーティング膜を付与することにより入手できる。さらに得られた限外ろ過膜は、コーティング膜の膜素材への固着性に優れることから、遠心機を利用した限外ろ過で用いても、遠心力によるコーティング膜の剥がれなどが観られない。したがって、本発明の限外ろ過膜は遠心機を利用した限外ろ過への使用に適している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪用語の説明≫
本発明において用いられる用語は、他に特に断りのない限り、以下の定義を有する。
(【0011】以降は省略されています)
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