TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024165222
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-28
出願番号
2023081176
出願日
2023-05-17
発明の名称
ポリイミドフィルム
出願人
学校法人東邦大学
,
日産化学株式会社
代理人
弁理士法人英明国際特許事務所
主分類
C08G
73/16 20060101AFI20241121BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】室温で高濃度に重合溶媒に溶解し得、かつ、テトラカルボン酸二無水物と高い重付加反応性を示すエステル基含有ジアミンを用いて得られる、高T
g
、低CTEを維持しながら、大幅に低減した吸水率とDFを発現する、新規なポリイミドフィルムを提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される繰り返し単位を50mol%以上含むポリイミドからなり、動作周波数10GHz、相対湿度50%、23℃において空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が0.003以下であるポリイミドフィルム。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024165222000015.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">29</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">108</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、X
1
は、特定の4価の芳香族基を表す。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記一般式(1)で表される繰り返し単位を50mol%以上含むポリイミドからなり、
動作周波数10GHz、相対湿度50%、23℃において空洞共振器摂動法で測定した誘電正接が0.003以下であるポリイミドフィルム。
TIFF
2024165222000013.tif
29
108
(式中、X
1
は、下記式(a)~(e)で表される4価の芳香族基から選ばれる少なくとも1種を表す。)
TIFF
2024165222000014.tif
59
158
続きを表示(約 270 文字)
【請求項2】
熱機械分析によって測定された100~200℃の間の平均線熱膨張係数が、15ppm/K以下である請求項1記載のポリイミドフィルム。
【請求項3】
動的力学分析により測定されたガラス転移温度が350℃以上である、または前記ガラス転移温度が検出されない請求項1記載のポリイミドフィルム。
【請求項4】
吸水率が1.0%以下である請求項1記載のポリイミドフィルム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項記載のポリイミドフィルムからなる、フレキシブルプリント配線基板の耐熱絶縁基板。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミドフィルムに関し、さらに詳述すると、超高速・大容量・低遅延通信・多数同時接続に適した5Gフレキシブルプリント回路基板用絶縁フィルムに要求される高い耐熱性および低熱膨張性を維持しながら、高周波(GHz帯)に対して低い誘電正接を示す、高熱寸法安定性耐熱絶縁ポリイミドフィルムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
軽量で繰り返しの曲げ・展開や、複雑な形状に折り曲げて実装が可能な電子回路基板、フレキシブルプリント配線基板(FPC)は、近年、パーソナルコンピューター、スマートフォン、デジタルカメラ、プリンター、ハードディスク、医療用機器、自動車電装部品等で広く用いられている。
【0003】
最近、スマートフォン等の超高速・大容量・低遅延通信・多数同時接続を可能にする新通信規格:5Gへの移行に伴い、特定のFPC部品、例えば、スマートフォンのアンテナ部とメイン基板を接続するFPCには、従来にない優れた高周波誘電特性が求められている。この点、現行のFPCでは、その絶縁基板として耐熱性に優れたポリイミドが用いられているが、5G用動作周波数(≧3.6GHz)において、絶縁層における誘電現象に由来する誘電損失が大きいために、超高速・大容量・低遅延通信・多数同時接続の実現が困難であった。これを解決するため、現在、ポリイミド絶縁層の誘電正接(tan δまたはDissipation Factor:DF)を大幅に低減することが、緊急の課題となっている。
【0004】
後述するように、従来のポリイミドは高いDF値を示す。これは、分子構造中に高含有率で存在する、強く分極したイミド基によるものである(例えば、非特許文献1参照)。また、イミド基は、その高い分極性によりポリイミドフィルムの高い吸水率の主因にもなっている。FPCは、電子機器内でも、水分を含む外環境の空気と常に接触した状態で使用されるため、電気絶縁層としてのポリイミドフィルムは、空気中の水分を飽和吸湿した状態にあり、かつ、水は非常に高いDF値(2.45GHz,25℃でDF=0.12、10GHz、25℃ではDF=約0.4)を示すことから、ポリイミドフィルムに吸着した水分もポリイミドフィルムのDF値増加に少なからず影響する。
【0005】
一方、ポリイミド鎖間に強い分子間力を与えるイミド基は、ポリイミドの超耐熱性を支える要因となっているため、DF値低減を目論み、イミド基含有率を低減する分子構造へ安易に変更すると、肝心の耐熱性が大きく損なわれる可能性がある。そのため、絶縁フィルムの優れた耐熱性を維持しながら、DF値や吸水率を大幅に低減することは容易ではない。
【0006】
また、5G-FPC用絶縁フィルムには、低DF、低吸水率、高耐熱性に加えて、優れた熱寸法安定性も求められる。熱寸法安定性とは、デバイス製造過程で発生する複数の高温加熱-室温冷却の温度サイクルに対する、ガラス転移温度(T
g
)以下での温度領域におけるフィルム面(XY)方向の寸法安定性を意味する。絶縁フィルムの熱寸法安定性を高めるためは、絶縁フィルムのT
g
をデバイス製造工程における最高到達温度よりもはるかに高い温度に設定することはもちろんのこと、上記温度サイクルに伴うT
g
以下での絶縁フィルムの熱膨張-熱収縮を抑制すること、具体的には、絶縁フィルムの線熱膨張係数(CTE)を銅箔並みの値(約20ppm/K)またはそれ以下にまで大きく低減する必要がある。
【0007】
FPCに用いられた絶縁フィルムのCTEが高いと、温度サイクルの間にフィルムが温度に追従して大きく熱膨張-熱収縮を繰り返すことになり、これによってフィルムに不可逆な歪が蓄積すると、デバイス構成部品・素子や回路の位置ずれ、界面剥離、絶縁基板の反り、透明電極の破断等の深刻な不具合が発生する恐れがある。
しかし、短期耐熱性の指標であるガラス転移温度(T
g
)が極めて高く、かつ、CTE、吸水率およびGHz帯での誘電正接が大幅に低減された耐熱絶縁基板材料を開発することは容易ではない。
【0008】
FPCの耐熱絶縁フィルムとして現在最もよく用いられているポリイミドフィルムは、テトラカルボン酸二無水物成分としてピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと称す。)とジアミン成分として4,4’-オキシジアニリン(以下、4,4’-ODAと称す。)から得られる下記式(4)で表される繰り返し単位を有するポリイミドフィルム(例えば、Kapton(登録商標)Hフィルム)であり、従来のFPC用途の要求特性を十分に満足している。
しかし、このポリイミドフィルムは、高いDF値(0.0114@10GHzを示し、5G-FPC用絶縁フィルムに求められる高周波誘電特性を満足していない。また、吸水率も約2~3%と高い。これらは前述のように、ポリイミド構造中に高い含有率で含まれる強く分極したイミド基によるものである。
【0009】
TIFF
2024165222000001.tif
28
107
【0010】
熱寸法安定性により優れたポリイミドフィルムとして、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s-BPDAと称す。)とp-フェニレンジアミン(以下、p-PDAと称す。)より得られ、銅箔より低いCTEを示す、下記式(5)で表される繰り返し単位を有するポリイミドフィルム(Upilex(登録商標)S)が知られている。このポリイミドは、上記のPMDA/4,4’-ODA系ポリイミドよりイミド基含有率がやや低いため、誘電正接、吸水率共に、PMDA/4,4’-ODA系ポリイミドより低い値を示すが、その誘電正接は依然として、高い値(DF=0.0054、@10GHz)である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
学校法人東邦大学
ポリイミドフィルム
6日前
学校法人東邦大学
液処理方法、及び液処理装置
4か月前
学校法人東邦大学
水処理方法および水処理装置
4か月前
LaView株式会社
動静脈圧測定装置
3か月前
富士電機株式会社
光パルス発生装置および分析システム
2か月前
学校法人東邦大学
テトラカルボン酸二無水物、ポリエステルイミド、およびポリエステルイミドフィルム
5か月前
学校法人東邦大学
ポリイミド、ワニス、ポリイミドフィルム、フレキシブルプリント配線基板用耐熱絶縁フィルム、ディスプレイデバイス用透明プラスチック基板、タッチセンサー用基板、カバーウィンドウ用フィルム
2か月前
東ソー株式会社
配管材
2か月前
東ソー株式会社
延伸物
5日前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
東ソー株式会社
ゴム組成物
1か月前
東ソー株式会社
樹脂組成物
2か月前
日本化薬株式会社
樹脂微粒子
1か月前
株式会社トクヤマ
樹脂組成物
12日前
三菱ケミカル株式会社
テープ
1か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
1か月前
三菱ケミカル株式会社
フィルム
1か月前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
1か月前
株式会社カネカ
液晶ポリエステル
1か月前
三菱ケミカル株式会社
樹脂組成物
1か月前
東レ株式会社
繊維強化樹脂中空構造体
1か月前
NOK株式会社
EPDM組成物
13日前
花王株式会社
乳化組成物
1か月前
住友精化株式会社
粘性組成物の製造方法
21日前
アイカ工業株式会社
メラミン樹脂発泡体
27日前
JNC株式会社
白色熱硬化性樹脂組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
熱可塑性材料用組成物
26日前
積水フーラー株式会社
硬化性組成物
1か月前
株式会社大阪ソーダ
ゴム加硫物の製造方法
8日前
JNC株式会社
低誘電率樹脂形成用組成物
1か月前
株式会社カネカ
硬化性組成物
27日前
株式会社カネカ
硬化性組成物
27日前
第一工業製薬株式会社
熱可塑性樹脂組成物
1か月前
国立大学法人信州大学
ポリマー
20日前
東ソー株式会社
ポリカーボネート樹脂組成物
26日前
三井化学ファイン株式会社
樹脂シート
1か月前
続きを見る
他の特許を見る