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公開番号2024165849
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082393
出願日2023-05-18
発明の名称列車接近報知システム
出願人独立行政法人自動車技術総合機構
代理人個人
主分類B61L 29/28 20060101AFI20241121BHJP(鉄道)
要約【課題】踏切への列車接近を踏切利用者に報知する低コストの列車接近報知システムを提供する。
【解決手段】列車接近報知システムは、車上装置3と、踏切支援装置4と、少なくとも1つの沿線無線装置5とを備える。車上装置3は、自列車の現在位置情報を取得するGNSS受信機31と、通信部32と、車上制御部33とを有する。踏切支援装置4は、通信部41と、情報を報知する報知部42と、地上制御部43とを有する。各沿線無線装置5は、車上装置3、他の沿線無線装置5及び踏切支援装置4のいずれかが送信した情報を受信して、その情報を再送信する無線装置である。車上制御部33は、GNSS受信機31が取得した現在位置情報をキロ程に変換し、そのキロ程及び自列車の進行方向を含む列車情報を通信部32に送信させる。地上制御部43は、通信部41が受信した列車情報に基づいて自踏切へ列車接近を検知し、列車接近を報知部42に報知させる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
踏切への列車接近を踏切利用者に報知するための列車接近報知システムであって、
車両に搭載される車上装置と、
踏切に設置される踏切支援装置と、
前記車両が列車として運転される区間の沿線に設置される少なくとも1つの沿線無線装置とを備え、
前記車上装置は、自列車の現在位置情報を取得するGNSS受信機と、無線通信を行う通信部と、前記GNSS受信機及び通信部に接続された車上制御部とを有し、
前記踏切支援装置は、無線通信を行う通信部と、踏切利用者に情報を報知する報知部と、その通信部及び報知部に接続された地上制御部とを有し、
前記各沿線無線装置は、前記車上装置、他の沿線無線装置及び踏切支援装置のいずれかが送信した情報を受信して、その情報を再送信する無線装置であり、
前記車上制御部は、前記GNSS受信機が取得した現在位置情報をキロ程に変換し、そのキロ程及び自列車の進行方向を含む列車情報をその通信部に送信させ、
前記地上制御部は、その通信部が受信した前記列車情報に基づいて自踏切へ列車接近を検知し、列車接近を前記報知部に報知させることを特徴とする列車接近報知システム。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記沿線無線装置は、情報を受信した時、所定の待ち時間後にその情報を再送信し、
複数の沿線無線装置が設置される場合、前記各沿線無線装置の前記待ち時間は、互いに異なる値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の列車接近報知システム。
【請求項3】
前記車上装置が送信する情報は、送信するその情報を一意に特定するための識別符号を含み、
前記沿線無線装置は、情報を受信した時、その情報が既に受信した情報と同じである場合、その情報を再送信しないことを特徴とする請求項1に記載の列車接近報知システム。
【請求項4】
前記車上装置は、列車乗務員に情報を報知する車上報知部を有し、
前記踏切支援装置は、前記列車情報を受信した時、その列車情報を受信したことを示す確認応答信号を送信し、
前記車上制御部は、自列車が運転される区間にある踏切の位置情報を予め記憶しており、自列車が前方の踏切から所定距離内到達し、かつ前記確認応答信号を受信しない時、前記車上報知部に異常を報知させることを特徴とする請求項1に記載の列車接近報知システム。
【請求項5】
前記踏切支援装置及び沿線無線装置の各々は、自装置の故障を検出する自己診断機能を有し、自装置が健全か故障かの状態情報を所定周期、情報の再送信時又は前記確認応答信号の送信時に送信することを特徴とする請求項1に記載の列車接近報知システム。
【請求項6】
前記踏切支援装置は、自装置の故障を検出した時、前記沿線無線装置から故障の状態情報を受信した時、又は前記沿線無線装置から所定期間内に健全の状態情報を受信しなかった時、故障である旨を前記報知部に報知させることを特徴とする請求項5に記載の列車接近報知システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、踏切への列車接近を踏切利用者に報知するための列車接近報知システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
鉄軌道輸送において安全の確保は最大の使命である。近年、関係者の努力の結果、事故件数は減少傾向にあるものの、事故件数の中で踏切事故が大きな割合を占めている。
【0003】
踏切(踏切道)は、線路と道路が平面交差する部分である。踏切は、踏切保安装置の内容によって第1種~第4種の4つの種別に区分される(非特許文献1参照)。第1種踏切には、自動遮断機(自動的に開閉する踏切遮断機)が設けられている。第3種踏切には、踏切警報機が設けられている。第4種踏切には、自動遮断機も踏切警報機も設けられてない。現在、第2種踏切は無い。
【0004】
公益財団法人鉄道総合技術研究所が作成した「鉄道安全データベース」を参照し、踏切種別毎の年間の事故件数を踏切箇所数で割ると、第4種踏切における事故発生割合が大きいことが分かる。第4種踏切における事故原因のデータで、直前横断が大半を占めていることから、踏切利用者が列車接近に気付かずに横断していると推定される。しかし、踏切種別の格上げ等をすることは、コスト等の課題が大きく、容易ではない。
【0005】
デュアルモード車両の車載装置がGPSを利用して測位し、踏切制御装置に併設した地上装置との間で通信を行い、デュアルモード車両が踏切の手前の所定距離以内にいる場合に踏切遮断機を遮断させる踏切制御システムが知られている(特許文献1参照)。このシステムは、デュアルモード車両から第1種踏切を制御する。デュアルモード車両は、軽量で軌道回路や踏切制御子で検知されにくいので、通信を利用したこのようなシステムが必要となる。もし、このシステムを通常の鉄道車両に用いようとすると、デュアルモード車両は軽量で速度が低いため制動距離が短いが、通常の鉄道車両は制動距離が長いので、踏切との通信距離が長くなり、高コストの通信設備が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2008-207794号公報
【非特許文献】
【0007】
JIS E 3013:2001「鉄道信号保安用語」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題を解決するものであり、踏切への列車接近を踏切利用者に報知する低コストの列車接近報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の列車接近報知システムは、踏切への列車接近を踏切利用者に報知するための列車接近報知システムであって、車両に搭載される車上装置と、踏切に設置される踏切支援装置と、前記車両が列車として運転される区間の沿線に設置される少なくとも1つの沿線無線装置とを備え、前記車上装置は、自列車の現在位置情報を取得するGNSS受信機と、無線通信を行う通信部と、前記GNSS受信機及び通信部に接続された車上制御部とを有し、前記踏切支援装置は、無線通信を行う通信部と、踏切利用者に情報を報知する報知部と、その通信部及び報知部に接続された地上制御部とを有し、前記各沿線無線装置は、前記車上装置、他の沿線無線装置及び踏切支援装置のいずれかが送信した情報を受信して、その情報を再送信する無線装置であり、前記車上制御部は、前記GNSS受信機が取得した現在位置情報をキロ程に変換し、そのキロ程及び自列車の進行方向を含む列車情報をその通信部に送信させ、前記地上制御部は、その通信部が受信した前記列車情報に基づいて自踏切へ列車接近を検知し、列車接近を前記報知部に報知させることを特徴とする。
【0010】
この列車接近報知システムにおいて、前記沿線無線装置は、情報を受信した時、所定の待ち時間後にその情報を再送信し、複数の沿線無線装置が設置される場合、前記各沿線無線装置の前記待ち時間は、互いに異なる値に設定されることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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