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公開番号
2024164828
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-27
出願番号
2024078401
出願日
2024-05-14
発明の名称
電力変換装置
出願人
ヤマハ発動機株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
H02M
7/12 20060101AFI20241120BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約
【課題】回路基板のスペース効率を向上させつつ、共振電流による発熱を低減することにより、コンデンサの熱的な負荷を低減させた電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置1は、第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32、第1コンデンサ31が設けられる第1基板51及び第2コンデンサ32が設けられる第2基板52を有する。第1コンデンサ31及び第2コンデンサ32が互いに接続されるコンデンサ並列回路P1-P4には、電力変換回路10のスイッチング制御によって外部負荷92に対する直流電流の供給を開始した際及び前記直流電流の供給を停止した際、コンデンサ並列回路P1-P4において発生する共振電流を低減するように、第1コンデンサ31が設けられた第1基板51及び第2コンデンサ32が設けられた第2基板52を電気的に接続し、コンデンサ並列回路P1-P4を構成する連結部材53に共振抑制部材54が設けられる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電力を供給する装置と外部負荷とに電気的に接続され、前記電力を供給する装置から供給された電流をスイッチング素子によるスイッチングによって任意の電圧の直流電流に変換し、前記外部負荷に対して出力する電力変換回路と、
前記電力変換回路の前記スイッチング素子を制御する制御装置と、を有する電力変換装置であって、
前記電力変換回路と電気的に並列に接続される第1コンデンサと、
前記外部負荷と電気的に並列に接続される第2コンデンサと、
前記第1コンデンサが設けられる第1基板と、
前記第2コンデンサが設けられる第2基板と、を有し、
前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが互いに電気的に並列に接続されることによってコンデンサ並列回路が構成され、
前記制御装置による前記電力変換回路の前記スイッチング素子の制御によって前記外部負荷に対する直流電流の供給を開始した際及び前記直流電流の供給を停止した際、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間で発生する共振電流が低減されるように、前記第1コンデンサが設けられる前記第1基板と前記第2コンデンサが設けられる前記第2基板とを電気的に接続して前記コンデンサ並列回路の一部を構成する連結部材に前記コンデンサ並列回路のインダクタンスを変更する共振抑制部材が設けられる、
電力変換装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、
前記電力変換回路は、
複数の前記スイッチング素子を含むフルブリッジ回路であり、
前記第1コンデンサは、
前記複数の前記スイッチング素子のスイッチングにより発生するサージ電圧を吸収するスナバコンデンサであり、
前記第2コンデンサの容量は、前記第1コンデンサの容量よりも大きく、
前記第2コンデンサは、前記複数の前記スイッチング素子のスイッチングにより発生する電流の変動を平滑化する平滑コンデンサであり、
前記共振抑制部材は、
前記スナバコンデンサと前記平滑コンデンサとの間で発生する共振電流が低減されるように、前記スナバコンデンサと前記平滑コンデンサとの間で、電流の向きが変化する部位に設けられた前記連結部材に設けられる、
電力変換装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電力変換装置において、
前記第1基板は、
前記電力変換回路及び前記第1コンデンサが実装されているパワー基板であり、
前記第2基板は、
前記制御装置及び前記第2コンデンサが実装されている制御回路基板であり、
前記コンデンサ並列回路は、
前記パワー基板が有する回路の少なくとも一部、前記制御回路基板が有する回路の少なくとも一部、及び前記連結部材で構成され、
前記共振抑制部材は、
前記パワー基板と前記制御回路基板との間で発生する共振電流が低減されるように、前記パワー基板と前記制御回路基板との間で、電流の向きが変化する部位に設けられた前記連結部材に設けられる、
電力変換装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の電力変換装置において、
前記第1基板は、金属基板であり、
前記第2基板は、樹脂基板であり、
前記コンデンサ並列回路は、前記金属基板が有する回路の少なくとも一部、前記樹脂基板が有する回路の少なくとも一部、及び前記連結部材で構成され、
前記共振抑制部材は、前記金属基板と前記樹脂基板との間で発生する共振電流が低減されるように、前記金属基板と前記樹脂基板との間で、電流の向きが変化する部位に設けられた前記連結部材に設けられる、
電力変換装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の電力変換装置において、
前記共振抑制部材の少なくともその一部は、
第1基板のある方向に見て、前記第1基板及び前記第2基板の両方と重なる位置に設けられる、
電力変換装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電力変換装置において、
前記連結部材は、
前記第1基板及び前記第2基板の物理的な位置が固定される強度を備える、
電力変換装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の電力変換装置において、
前記連結部材は、
前記コンデンサ並列回路の少なくとも一部を構成する前記第1基板及び前記第2基板上の導線の最大断面積よりも大きな断面積を有する導電性材料で構成される、
電力変換装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する装置から供給された電流を任意の電圧の直流電流に変換し、外部負荷に対して出力する電力変換装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
電子機器は、携帯性またはスペース効率向上のために小型化が求められている。このような電子機器において、IC(Integrated Circuit)、コンデンサ、抵抗及びコイル等の電子部品が実装された複数の基板を積層した状態で内部に配置することにより、電子部品を小型化する技術が知られている。例えば、特許文献1には、複数の電子部品が実装された複数のプリント配線基板を、スタッドピンによって積層した多層プリント配線基板が記載されている。前記特許文献1に記載の多層プリント配線基板は、金属製のスタッドピンによってGNDとなる金属製のシャーシプレートに支持されている。よって、前記多層プリント配線基板においてノイズ電流が発生した場合、ノイズ電流が前記スタッドピンを介して前記シャーシプレートに流れ、他の電子部品に影響を及ぼす可能性がある。そこで、前記特許文献1には、前記スタッドピンにフェライトコアを設け、ノイズ電流を抑制する技術が開示されている。
【0003】
また、前記特許文献2には、積層された2枚の回路基板を有するEV(Electric Vehicle)用のインバータ装置において、一方の回路基板において発生するノイズが他方の回路基板に与える影響を抑制する技術が開示されている。前記特許文献2に記載のインバータ装置では、インバータ制御回路基板と、パワーモジュール制御回路基板とが第1ワイヤーハーネスによって電気的に接続されるとともに、インバータ制御回路基板と外部電源とが、第2ワイヤーハーネスによって電気的に接続されている。前記第1ワイヤーハーネスは、磁性材料で形成された筒状の第1コア部内を通すように配置される。同様に、前記第2ワイヤーハーネスは、磁性材料で形成された筒状の第2コア部内を通すように配置される。このように構成されることにより、前記第1コア部及び前記第2コア部は、パワーモジュール本体または前記パワーモジュール制御回路基板において発生するノイズの影響を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-234810号公報
中国特許出願公開第113676062号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなインバータ装置の回路基板において、コンデンサが電気的に並列に接続された並列回路では、パワーモジュール制御回路基板におけるスイッチング動作によって共振電流が発生する。前記並列回路に共振電流が発生した場合、前記コンデンサの間で充放電が繰り返されて、前記コンデンサが発熱する。しかしながら、前記特許文献1に記載のフェライト及び前記特許文献2に記載の第1コア部は、前記回路基板で発生したノイズを低減できても、前記並列回路に発生する前記共振電流を低減できない。
【0006】
一方、前記共振電流は、LC回路によって抑制可能である。しかしながら、前記LC回路によって前記共振電流を抑制するためには、前記回路基板に、前記LC回路を構成するためのコイル及びコンデンサを実装する必要がある。そのため、前記回路基板のスペース効率が低下する。
【0007】
このため、回路基板のスペース効率を向上させつつ共振電流による発熱を低減することにより、コンデンサの熱的な負荷を低減させた電力変換装置が望まれている。
【0008】
本発明は、回路基板のスペース効率を向上させつつ共振電流による発熱を低減することにより、コンデンサの熱的な負荷を低減させた電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、回路基板のスペース効率を向上させつつ共振電流による発熱を低減することにより、コンデンサの熱的な負荷を低減させた電力変換装置を検討する中で、以下のような構成に想到した。
【0010】
本発明の一実施形態に係る電力変換装置は、電力を供給する装置と外部負荷とに電気的に接続され、前記電力を供給する装置から供給された電流をスイッチング素子によるスイッチングによって任意の電圧の直流電流に変換し、前記外部負荷に対して出力する電力変換回路と、前記電力変換回路の前記スイッチング素子を制御する制御装置と、を有する。前記電力変換装置は、前記電力変換回路と電気的に並列に接続される第1コンデンサと、前記外部負荷と電気的に並列に接続される第2コンデンサと、前記第1コンデンサが設けられる回路基板である第1基板と、前記第2コンデンサが設けられる回路基板である第2基板と、を有する。前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとが互いに電気的に並列に接続されることによってコンデンサ並列回路が構成され、前記制御装置による前記電力変換回路の前記スイッチング素子の制御によって前記外部負荷に対する直流電流の供給を開始した際及び前記直流電流の供給を停止した際、前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとの間で発生する共振電流が低減されるように、前記第1コンデンサが設けられる前記第1基板と前記第2コンデンサが設けられる前記第2基板とを電気的に接続して前記コンデンサ並列回路の一部を構成する連結部材に前記コンデンサ並列回路のインダクタンスを変更する共振抑制部材が設けられる。
(【0011】以降は省略されています)
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