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公開番号2024164538
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080094
出願日2023-05-15
発明の名称直流事故検出装置、直流事故検出方法、およびプログラム
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類H02J 1/00 20060101AFI20241120BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】多端子HVDCシステムの安定稼働のための事故区間の早期検出をすることができる直流事故検出装置、直流事故検出方法、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の直流事故検出装置は、変化算出部と、事故判定部とを持つ。変化算出部は、直流送電線を構成し対象端子に接続された複数の送電線における対象端子の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出する。事故判定部は、複数の差分のすべてが条件を満たす場合に、対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
交直変換器を含む三以上の端子があり、前記三以上の端子のそれぞれの直流側が直流送電線によって直接的または間接的に接続されている多端子送電システムにおいて、前記三以上の端子のうち対象端子に付随して設けられる事故検出装置であって、
前記直流送電線を構成し前記対象端子に接続された複数の送電線における前記対象端子を構成する母線の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出する変化算出部と、
複数の差分のすべてが条件を満たす場合に、前記対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する事故判定部と、
を備える直流事故検出装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記変化算出部は、
前記対象端子に接続された複数の送電線ごとに、前記複数の差分のそれぞれと比較するための複数の閾値を設定する、
請求項1記載の直流事故検出装置。
【請求項3】
交直変換器を含む三以上の端子があり、前記三以上の端子のそれぞれの直流側が直流送電線を介して互いに接続されている多端子送電システムにおいて、前記三以上の端子のうち対象端子に付随して設けられる事故検出装置であって、
前記直流送電線を構成し前記対象端子に接続された複数の送電線における前記対象端子の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出し、連続で複数回にわたり、複数の差分のすべてが条件を満たす場合、前記対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する事故判定部を備える、
直流事故検出装置。
【請求項4】
前記複数の差分に置換される値として、前記複数の差分を含む時系列値に対してデジタルフィルタ処理を行った値を計算するフィルタ適用部を更に備える、
請求項1記載の直流事故検出装置。
【請求項5】
交直変換器を含む三以上の端子があり、前記三以上の端子のそれぞれの直流側が直流送電線によって直接的または間接的に接続されている多端子送電システムにおいて、
前記三以上の端子のうち対象端子に付随して設けられる直流事故検出装置が、
前記直流送電線を構成し前記対象端子に接続された複数の送電線における前記対象端子の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出する処理と、
複数の差分のすべてが条件を満たす場合に前記対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する処理と、
を実行する直流事故検出方法。
【請求項6】
交直変換器を含む三以上の端子があり、前記三以上の端子のそれぞれの直流側が直流送電線によって直接的または間接的に接続されている多端子送電システムにおいて、
前記三以上の端子のうち対象端子に付随して設けられる直流事故検出装置に、
前記直流送電線を構成し前記対象端子に接続された複数の送電線における前記対象端子の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出する処理と、
複数の差分のすべてが条件を満たす場合に前記対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する処理と、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、直流事故検出装置、直流事故検出方法、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、HVDC(High-Voltage Direct Current)システムの急速な需要の拡大が進んでいる。HVDCシステムは、従来の交流送電と比較して長距離送電、大容量送電に適しているため、更なる需要の拡大が見込まれている。多端子HVDCシステムは、三以上の端子が直流送電線に接続されたものである。洋上風力発電所に適用される場合、通常のHVDCシステムは一つの洋上風力発電所と陸上電気系統を接続するものであるのに対し、多端子HVDCシステムは、複数の洋上風力発電所と複数の陸上電気系統を一つの(電気的に一つとみなせる)直流送電線に接続するものである。なお、端子は、交流電力を直流電力に(あるいはその逆に)変換する交直変換器、複数の送電線に接続される母線等を含む概念である。
【0003】
直流電力での送電は、交流電力での送電と比較して電力の損失を抑制できることから、特に大容量、且つ長距離の送電に好適に適用される。ところで、多端子HVDCシステムでは、接続する送電線が増えるため、短絡事故等の事故を速やかに検出し除去できることが望まれる。直流側の地絡事故や短絡事故が生じた場合でも健全区間の運転継続が求められるが、従来の直流事故検出装置では、事故区間の誤検出が問題となる可能性があった。また、誤検出を防ぐために、端子間の通信を用いて検出精度を向上させる方法もあるが、その場合には、通信による遅延の影響を受けるため、事故を検出する速度が低下することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-069155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、多端子HVDCシステムの安定稼働のための事故区間の早期検出をすることができる直流事故検出装置、直流事故検出方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の直流事故検出装置は、変化算出部と、事故判定部とを持つ。変化算出部は、直流送電線を構成し対象端子に接続された複数の送電線における対象端子の近傍を流れる複数の電流値を取得し、取得した複数の電流値と予め定めた所定サンプル数前の対応する電流値との差分をそれぞれ算出する。事故判定部は、複数の差分のそれぞれと閾値とを比較した結果のすべてが条件を満たす場合に、対象端子を構成する母線において事故が発生したと判定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施形態に係る直流事故検出装置が適用される多端子送電システムの構成の一例を示す図。
第1実施形態に係る直流事故検出装置100の構成の一例を示す図。
ある端子において事故が発生していない場合の電流の流れを例示した図。
ある端子の正極母線30において事故が発生した場合の電流の流れを例示した図。
第1実施形態に係る直流事故検出装置100によって実施される処理の一例を示すフローチャート。
第1実施形態に係る直流事故検出装置100によって実施される処理の別の一例を示すフローチャート。
第2実施形態に係る直流事故検出装置100Aの構成の一例を示す図。
第2実施形態に係るフィルタ適用部106が適用する移動平均フィルタの一例。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の直流事故検出装置、直流事故検出方法、およびプログラムを、図面を参照して説明する。直流事故検出装置100は、多端子送電システムの端子に付随して設けられる装置である。
【0009】
(共通構成)
図1は、実施形態に係る直流事故検出装置が適用される多端子送電システムの構成の一例を示す図である。図1において、ハイフン以下の符号は、どの端子に属するかを示すものである。以下の説明においていずれの端子であるかを区別しないときは、ハイフン以下の符号を省略して説明する。多端子送電システムの一つの端子は、交流系統10と、直流送電線50のいずれかとを接続するものである。直流送電線50には、例えば、洋上風力発電と陸上電気系統とを接続するもの(50#1p、50#1n、50#4p、50#4n)と、洋上風力発電同士を接続するもの(50#2p、50#2n、50#3p、50#3n)とがある。直流送電線50において#以降の数字は送電線の識別番号、その後のpは正側送電線であることを示し、nは負側送電線であることを示す。これらの直流送電線50の全ては、正負ごとに互いに電気的に接続されている。いずれの送電線であるかを区別しないときは、単に直流送電線50(或いは正負のみ区別して50p、50n)と称する。一つの端子は、例えば、交直変換器20と、正極母線30と、負極母線32と、直流遮断器40~45とを含む。図1では全ての端子に直流事故検出装置100が付随しているように示しているが、一部の端子にのみ付随して設けられてもよい。一つの直流事故検出装置100が直流事故の検出対象とする端子(直流事故検出装置100が付随して設けられる端子)のことを対象端子と称する場合がある。「付随する」とは、通信時間が問題にならない程度の距離範囲(例えば、100数十[m]~百[m]程度の範囲)に設置されることである。
【0010】
交流系統10のそれぞれは、例えば、交流電力を発電する発電設備であってもよいし、他の送電側の交流系統から送電されてきた交流電力を、さらに受電側の他の交流系統に送電する設備や、接続された先に存在するそれぞれの需要家に供給する設備(陸上電気系統)であってもよい。例えば、10-1~10-3は洋上風力発電であり、10-4、10-5は陸上電気系統である。多端子送電システムは、出電側の交流系統10である10-1、10-2、10-3から受電側の交流系統10である10-4、10-5へ大容量の電力を送電するものである。正側の送電線はグランド電位に対して正の電圧となっており、負側の送電線はグランド電位に対して負の電圧となっている。そして、その絶対電位は、例えば同じ位の値になるように制御されている。
(【0011】以降は省略されています)

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