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公開番号2024163865
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-22
出願番号2024075772
出願日2024-05-08
発明の名称鋳型用鋳物砂およびその製造方法、鋳造用鋳型、ならびに鋳型用鋳物砂の保存安定性の向上方法
出願人花王株式会社
代理人個人
主分類B22C 1/18 20060101AFI20241115BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】鋳型用鋳物砂の製造時の環境負荷を軽減しつつ、保存安定性を向上できる鋳型用鋳物砂を提供する。
【解決手段】鋳型用鋳物砂は、再生砂(A)およびSiO2を含む耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層が配置された鋳物砂と、当該鋳物砂の前記第1被覆層上にケイ酸塩が含まれた第2被覆層と、を有する、鋳型用鋳物砂であって、前記鋳物砂の陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
再生砂(A)および耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層が配置された鋳物砂と、当該鋳物砂の前記第1被覆層上にケイ酸塩が含まれた第2被覆層と、を有する、鋳型用鋳物砂であって、
前記耐火性骨材(B)は、SiO

を含み、
前記鋳物砂の陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である、鋳型用鋳物砂。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の鋳型用鋳物砂であって、
前記第1被覆層の含有量は、前記骨材100質量部に対して、0.02質量部以上10質量部以下である、鋳型用鋳物砂。
【請求項3】
請求項1または2に記載の鋳型用鋳物砂であって、
前記第1被覆層がアルミノケイ酸塩を含有し、前記アルミノケイ酸塩がケイ酸塩およびケイ酸塩の反応物の中から選ばれる1種以上と、アルミン酸塩との混合物、ならびにゼオライトの中から選ばれる1種以上である、鋳型用鋳物砂。
【請求項4】
請求項3に記載の鋳型用鋳物砂であって、
前記アルミン酸塩がアルミン酸ナトリウム、および水酸化アルミニウムの少なくとも一方である、鋳型用鋳物砂。
【請求項5】
請求項1または2に記載の鋳型用鋳物砂からなる鋳造用鋳型。
【請求項6】
再生砂(A)およびSiO

を含む耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層を形成して、陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である鋳物砂を得る工程と、
前記鋳物砂とケイ酸塩とを混合して、当該鋳物砂の前記第1被覆層上に当該ケイ酸塩が含まれた第2被覆層を形成する工程と、
を含み、
前記耐火性骨材(B)は、SiO

を含む、鋳型用鋳物砂の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の鋳型用鋳物砂の製造方法であって、
前記鋳物砂を得る前記工程において、前記骨材と、アルミン酸塩または水酸化アルミニウムと、を混合して前記骨材の表面に前記第1被覆層を形成する、鋳型用鋳物砂の製造方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の鋳型用鋳物砂の製造方法であって、
前記鋳物砂を得る前記工程において、25℃以上400℃未満に加熱して前記骨材の表面に前記第1被覆層を形成する、鋳型用鋳物砂の製造方法。
【請求項9】
再生砂(A)および耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層を形成して、陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である鋳物砂を得る工程と、
前記鋳物砂とケイ酸塩とを混合して、当該鋳物砂の前記第1被覆層上に当該ケイ酸塩が含まれた第2被覆層を形成する工程と、
を含み、
前記耐火性骨材(B)はSiO

を含む、鋳型用鋳物砂の保存安定性の向上方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳型用鋳物砂およびその製造方法、鋳造用鋳型、ならびに鋳型用鋳物砂の保存安定性の向上方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から人と環境に配慮した製品設計の重要性が増しており、CO

排出量やVOCを低減した環境調和型の鋳造プロセスの技術開発が加速している。
環境調和型の鋳造プロセスとしては、例えば、耐火性骨材と、液状の水ガラスからなる無機粘結剤を用いる湿態砂の無機バインダープロセスが知られている。例えば、特許文献1(特表2010-519042号公報)に記載のものが挙げられる。
【0003】
特許文献2(特表2021-536367号公報)は再生砂と二酸化ケイ素を含む粒子状非晶質酸化物と混合して混合物を得、その混合物を400℃以上の温度で加熱処理することで、可使時間が改善され、鋳物の表面品質が改善され、大幅なエネルギー節約も実現できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2010-519042号公報
特表2021-536367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の特許文献1,2に開示されるような再生砂に無機粘結剤を適用して鋳型用鋳物砂を製造し、鋳型を鋳造しようとした際、加熱による液架橋が十分に進行しない等して、適切に鋳造ができない場合があった。すなわち、鋳型用鋳物砂の可使時間を長くする点で改善の余地があった。
また従来の方法で得られた再生砂は、再生処理に600~800℃の高温処理を行うため、エネルギー消費やCO

排出を抑制する点でも不十分であった。
【0006】
つまり、本発明は再生砂等を用いた鋳型用鋳物砂の可使時間を長くするとともに、鋳型用鋳物砂形成時の環境負荷を軽減することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋳物砂を用いた鋳型用鋳物砂において、再生砂、またはSiO

をする耐火性骨材に対し、被覆層を適用して陽イオン交換容量(CEC)を特定の値に制御した鋳物砂を用いることが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明によれば、
再生砂(A)および耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層が配置された鋳物砂と、当該鋳物砂の前記第1被覆層上にケイ酸塩が含まれた第2被覆層と、を有する、鋳型用鋳物砂であって、
前記耐火性骨材(B)は、SiO

を含み、
前記鋳物砂の陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である、鋳型用鋳物砂が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、上記の鋳型用鋳物砂からなる鋳造用鋳型が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
再生砂(A)および耐火性骨材(B)の中から選ばれる1種または2種の骨材の表面に第1被覆層を形成して、陽イオン交換容量(CEC)が3mmol(+)/kg以上40mmol(+)/kg以下である鋳物砂を得る工程と、
前記鋳物砂とケイ酸塩とを混合して、当該鋳物砂の前記第1被覆層上に当該ケイ酸塩が含まれた第2被覆層を形成する工程と、
を含み、
前記耐火性骨材(B)は、SiO

を含む、鋳型用鋳物砂の製造方法が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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