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公開番号2024163274
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2024157333,2021077842
出願日2024-09-11,2021-04-30
発明の名称希土類錯体含有組成物
出願人株式会社東芝
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07F 5/00 20060101AFI20241114BHJP(有機化学)
要約【課題】蛍光探傷検査方法にも利用可能な、希土類錯体とフッ素系溶剤を含む組成物を提供する。
【解決手段】希土類イオンと、構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、βジケトン配位子とを含む希土類錯体が、フッ素系溶媒に溶解された、希土類錯体含有組成物と、それを利用する蛍光探傷検査方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1):
JPEG
2024163274000006.jpg
66
147
(式中、


は、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、


は、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、または直鎖もしくは分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、


は、それぞれ独立に、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基であり、


は、それぞれ独立に、水素、直鎖または分岐鎖アルキル基、直鎖または分岐鎖アルコキシ基、直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基、またはハロゲンである。)
で表される希土類錯体が、パーフルオロアルカンまたはハイドロフルオロエーテル、およびこれらの混合物からなる群から選択されるフッ素系溶媒に溶解された、希土類錯体含有組成物であって、
前記希土類錯体の含有率が、希土類錯体含有組成物の総質量を基準として、0.1質量%以上である、希土類錯体含有組成物。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
希土類イオンが、Eu(III)である、請求項1に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項3】
前記R

およびR

は相互に異なっている、請求項1または2に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項4】
前記R

およびR

の少なくともひとつが直鎖または分岐鎖パーフルオロアルキル基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の希土類錯体含有組成物。
【請求項5】
前記R

が、フェニル基のオルト位に結合している、請求項1~4のいずれか1項に記載の希土類錯体含有組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類錯体含有組成物に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
浸透探傷検査は、目視では確認できないインフラ設備等のひび割れや欠陥を、蛍光物質を利用して検知する検査方法である。より具体的には、検査薬として蛍光体が溶媒に溶解した溶液を検査対象に塗布し、余剰の検査薬を除去した後、紫外線灯を照射して、損傷部等に浸透した蛍光体を発光させることによって、損傷部等を探す方法である。現在、探査薬の溶媒の主流は灯油のようなアルカン類である、アルカン類は蛍光体をよく溶解する性質を有するものの、危険物であるため貯蔵や取り扱いにコストがかかる。このため、探査薬の溶媒をより安全なものに置き換えることが検討されている。例えば、環境にやさしくかつ安全なフッ素系溶媒で灯油を置き換える検討がなされている。
【0003】
一方、探傷検査薬に用いられる蛍光体についても、発光強度が高いものが好ましい。このために種々の蛍光体が検討されているが、そのうち、希土類にホスフィンオキシドやβジケトンが配位した希土類錯体が好ましいものとして採用されている。
【0004】
ところが、そのような希土類錯体は、極性の高いアルコール等には溶解性が高いが、フッ素系溶媒には極めて溶解性が低い。具体的には0.01質量%を超える濃度で希土類錯体を溶解することが困難であり、その結果、探傷検査薬として十分な発光強度が実現できず、実用化が困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような課題を解決し、安全性や取り扱い性に優れ、環境にも優しい、蛍光体の含有量が高い、浸透探傷検査にも適用が可能な希土類錯体含有組成物が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本次子形態による希土類錯体含有組成物は、
希土類イオンと、
構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、
βジケトン配位子と
を含む希土類錯体が、フッ素系溶媒に溶解されたものである。
【0007】
また、実施形態による浸透探傷検査方法は、
被検体の表面に、前記希土類錯体含有組成物を塗布し、
前記表面上の余剰の希土類錯体含有組成物を除去し、
前記表面に紫外線を照射して蛍光を観察する
ことによって、被検体表面の損傷の有無および位置を検査するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態による希土類錯体含有組成物の発光スペクトル。
実施形態により希土類錯体含有組成物の濃度と発光強度の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
<希土類錯体含有組成物>
本実施形態による希土類錯体含有組成物(以下、簡単に組成物ということがある)は、特定の蛍光体と特定の溶媒とを含んでいる。
本発明者らの検討によれば、蛍光体として特定の希土類錯体とフッ素系溶媒とを用いることによって、高濃度で発光強度の高い希土類錯体含有組成物が得られることがわかった。このような組成物は、発光強度が高いことによって、蛍光探傷検査薬として非常に有用である。このような組成物に用いられる特定の希土類錯体は、
希土類イオンと、
構造の異なる2つ以上のホスフィンオキシド配位子と、
βジケトン配位子と
を含むものである。
希土類イオンとしては、Eu(III)、Tb(III)、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが好ましく、Eu(III)がより好ましい。Eu(III)は紫外光を吸収して赤色光を放出するものである。
(【0011】以降は省略されています)

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