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公開番号2024161115
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2024144576,2022500454
出願日2024-08-26,2021-02-10
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/19 20230101AFI20241108BHJP()
要約【課題】性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】
陽極3及び陰極4の間に配置された2つ以上の発光ユニット11,12と、第一の陰極側有機層21と、を有し、積層発光ユニット11の陰極4側に、フェナントロリン化合物を含有する第一の陰極側有機層21が配置され、積層発光ユニット11は、第一のホスト材料を含有する第一の発光層111及び第二のホスト材料を含有する第二の発光層112を含み、第一のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT1(H2)とが、数式(数3)の関係を満たす有機エレクトロルミネッセンス素子1。
T1(H1)>T1(H2) …(数3)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された2つ以上の発光ユニットと、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の陰極側有機層と、を有し、
前記2つ以上の発光ユニットのうち、少なくとも1つの発光ユニットが、積層発光ユニットであり、
少なくとも1つの前記積層発光ユニットの前記陰極側に前記第一の陰極側有機層が配置され、
前記第一の陰極側有機層は、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物を含有し、
前記積層発光ユニットは、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数3)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(H1)>T

(H2) …(数3)
続きを表示(約 4,000 文字)【請求項2】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された2つ以上の発光ユニットと、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の陰極側有機層と、を有し、
前記2つ以上の発光ユニットのうち、少なくとも1つの発光ユニットが、積層発光ユニットであり、
少なくとも1つの前記積層発光ユニットの前記陰極側に前記第一の陰極側有機層が配置され、
前記第一の陰極側有機層は、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物を含有し、
前記積層発光ユニットは、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料は、分子中に、下記条件(i)の構造又は下記条件(ii)の構造を有し、
前記第二のホスト材料は、アントラセン誘導体であり、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なる、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
条件(i)第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
条件(ii)単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、前記連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、前記連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
【請求項3】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料は、分子中に前記条件(i)の構造を有し、
前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結している、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料は、分子中に前記条件(i)の構造を有し、
前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結している、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記架橋が二重結合を含む、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料は、下記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(1)で表される第一の化合物である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024161115000416.tif
62
170
(前記一般式(1)において、

101
~R
110
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R
901
)(R
902
)(R
903
)で表される基、
-O-(R
904
)で表される基、
-S-(R
905
)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R
801
で表される基、
-COOR
802
で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
ただし、R
101
~R
110
の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、

101
は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar
101
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mxは、0、1、2、3、4又は5であり、

101
が2以上存在する場合、2以上のL
101
は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar
【請求項7】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料は、分子中に前記条件(i)の構造を有し、
前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、
前記架橋が二重結合を含まない、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第一のホスト材料は、分子中に前記条件(ii)の構造を有する、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記架橋が二重結合を含む、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記第二のホスト材料は、下記一般式(2)で表される第二の化合物である、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024161115000417.tif
68
170
(前記一般式(2)において、

201
~R
208
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R
901
)(R
902
)(R
903
)で表される基、
-O-(R
904
)で表される基、
-S-(R
905
)で表される基、
-N(R
906
)(R
907
)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R
801
で表される基、
-COOR
802
で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、

201
及びL
202
は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar
201
及びAr
202
は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記第二の化合物中、R
901
、R
902
、R
903
、R
904
、R
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、有機EL素子に用いる化合物について様々な検討がなされている(例えば、特許文献1~6参照)。例えば、特許文献6及び7においては、複数の発光層を積層させることについて検討がなされている。また、特許文献8には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-157552号公報
国際公開第2004/018587号
国際公開第2005/115950号
国際公開第2011/077691号
特開2018-125504号公報
米国特許出願公開2019/280209号明細書
特開2007-294261号公報
国際公開第2010/134350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献7には、発光層の上に、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物としてバソフェナントロリン(BCP)を蒸着して電子輸送層を形成し、さらにBCPとCs(セシウム)を共蒸着して電子注入層を形成し、さらにアルミニウムを蒸着して陰極を形成した有機EL素子が記載されている。
フェナントロリン化合物を、複数の発光ユニットを備えるタンデム型の有機EL素子の発光ユニット同士の間に配置される中間層に用いると、素子寿命が短くなる傾向にある。
【0005】
本発明の目的の一つは、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。また、本発明の別の目的の一つは、発光効率が向上し、長寿命化した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された2つ以上の発光ユニットと、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の陰極側有機層と、を有し、
前記2つ以上の発光ユニットのうち、少なくとも1つの発光ユニットが、積層発光ユニットであり、
少なくとも1つの前記積層発光ユニットの前記陰極側に前記第一の陰極側有機層が配置され、
前記第一の陰極側有機層は、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物を含有し、
前記積層発光ユニットは、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)とが、下記数式(数3)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。


(H1)>T

(H2) …(数3)
【0007】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された2つ以上の発光ユニットと、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の陰極側有機層と、を有し、
前記2つ以上の発光ユニットのうち、少なくとも1つの発光ユニットが、積層発光ユニットであり、
少なくとも1つの前記積層発光ユニットの前記陰極側に前記第一の陰極側有機層が配置され、
前記第一の陰極側有機層は、フェナントロリン骨格を有するフェナントロリン化合物を含有し、
前記積層発光ユニットは、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料は、分子中に、下記条件(i)の構造又は下記条件(ii)の構造を有し、
前記第二のホスト材料は、アントラセン誘導体であり、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なる、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
条件(i)第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
条件(ii)単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、前記連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、前記連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
【0008】
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、発光効率が向上し、長寿命化した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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