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公開番号2024146616
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059636
出願日2023-03-31
発明の名称熱電変換モジュール
出願人リンテック株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類H10N 10/817 20230101AFI20241004BHJP()
要約【課題】部材間界面の伝熱性が向上された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】インプレーン型熱電変換モジュールの一方の面に熱伝導性インターフェイス部材Aと、放熱部材と、を含み、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの他方の面に熱伝導性インターフェイス部材Bを含む、熱電変換モジュールであって、
前記熱伝導性インターフェイス部材Aの熱抵抗値をRA(mK/W)、前記熱伝導性インターフェイス部材Bの熱抵抗値をRB(mK/W)、それらの和である全熱抵抗値をRAB(mK/W)とし、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの全熱抵抗値をRM(mK/W)とした時に、前記RMに対する前記RABの比(RAB/RM)が、1.40以下である、熱電変換モジュール。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
インプレーン型熱電変換モジュールの一方の面に熱伝導性インターフェイス部材Aと、放熱部材と、を含み、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの他方の面に熱伝導性インターフェイス部材Bを含む、熱電変換モジュールであって、
前記熱伝導性インターフェイス部材Aの熱抵抗値をR

(mK/W)、前記熱伝導性インターフェイス部材Bの熱抵抗値をR

(mK/W)、それらの和である全熱抵抗値をR
AB
(mK/W)とし、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの全熱抵抗値をR

(mK/W)とした時に、前記R

に対する前記R
AB
の比(R
AB
/R

)が、1.40以下である、熱電変換モジュール。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記インプレーン型熱電変換モジュールはさらに高熱伝導層A及び高熱伝導層Bを含んでおり、
該高熱伝導層Aは、前記インプレーン型熱電変換モジュールのうち前記熱伝導性インターフェイス部材A側の最外層を構成しており、
該高熱伝導層Bは、前記インプレーン型熱電変換モジュールのうち前記熱伝導性インターフェイス部材B側の最外層を構成している、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記高熱伝導層Aは、間隔をおいて配置された複数の高熱伝導層aからなり、隣り合う高熱伝導層a同士の間の間隙内に前記熱伝導性インターフェイス部材Aの一部が埋め込まれており、且つ、
前記高熱伝導層Bは、間隔をおいて配置された複数の高熱伝導層bからなり、隣り合う高熱伝導層b同士の間の間隙内に前記熱伝導性インターフェイス部材Bの一部が埋め込まれている、請求項2に記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
前記高熱伝導層Aの厚みに対する前記熱伝導性インターフェイス部材Aの一部の埋め込み深さの比Mが、0.01~1.00であり、且つ前記高熱伝導層Bの厚みに対する前記熱伝導性インターフェイス部材Bの一部の埋め込み深さの比Nが、0.01~1.00である、請求項3に記載の熱電変換モジュール。
【請求項5】
前記熱伝導性インターフェイス部材A及び前記熱伝導性インターフェイス部材Bが、それぞれ独立に、樹脂層又は有機層である、請求項1に記載の熱電変換モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換モジュールに関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、エネルギーの有効利用手段の一つとして、ゼーベック効果やペルチェ効果などの熱電効果を有する熱電変換モジュールにより、熱エネルギーと電気エネルギーとを直接相互変換するようにした装置がある。
熱電変換モジュールとして、いわゆるインプレーン型熱電変換素子の構成が知られている。インプレーン型熱電変換素子は、熱電性能の観点から、通常、P型熱電素子とN型熱電素子とが基板の面内方向に交互に設けられ、例えば、隣接又は当接するP型熱電素子とN型熱電素子との上部又は下部等を、電極を介し直列に接続することで構成されている。
このような中、インプレーン型熱電変換モジュールについて、さらなる熱電性能の向上、薄型化、信頼性の向上、量産性の向上等の様々な要求が依然としてある。
特許文献1では、例えば、インプレーン型熱電変換モジュールの構成において、熱電素子層と放熱層との間に絶縁層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/179544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、前記絶縁層は、インプレーン型熱電変換モジュールの信頼性向上の観点から、熱源と熱電素子層との間、又は、放熱層と熱電素子層との間等の短絡等を防止する目的で使用されているものであり、熱電性能の向上の観点から、他の特定の絶縁層をインプレーン型熱電変換モジュール上に配置すること、及び、該他の特定の絶縁層が有する熱抵抗値とインプレーン型熱電変換モジュールを構成する部材の熱抵抗値との関係性については検討されていない。
【0005】
本発明は、上記を鑑み、部材間界面の伝熱性が向上された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、インプレーン型熱電変換モジュールの上下面に、該インプレーン型熱電変換モジュールを構成する各部材が有する熱抵抗値の総和となる全熱抵抗値に対し、特定の比率の熱抵抗値を有する熱伝導性インターフェイス部材(以下、単に「TIM」ということがある。)を備えることにより、前記インプレーン型熱電変換モジュールを構成する各部材間界面の伝熱性をより向上させ得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]~[5]を提供するものである。
[1]インプレーン型熱電変換モジュールの一方の面に熱伝導性インターフェイス部材Aと、放熱部材と、を含み、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの他方の面に熱伝導性インターフェイス部材Bを含む、熱電変換モジュールであって、前記熱伝導性インターフェイス部材Aの熱抵抗値をR

(mK/W)、前記熱伝導性インターフェイス部材Bの熱抵抗値をR

(mK/W)、それらの和である全熱抵抗値をR
AB
(mK/W)とし、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの全熱抵抗値をR

(mK/W)とした時に、前記R

に対する前記R
AB
の比(R
AB
/R

)が、1.40以下である、熱電変換モジュール。
[2]前記インプレーン型熱電変換モジュールはさらに高熱伝導層A及び高熱伝導層Bを含んでおり、該高熱伝導層Aは、前記インプレーン型熱電変換モジュールのうち前記熱伝導性インターフェイス部材A側の最外層を構成しており、該高熱伝導層Bは、前記インプレーン型熱電変換モジュールのうち前記熱伝導性インターフェイス部材B側の最外層を構成している、上記[1]に記載の熱電変換モジュール。
[3]前記高熱伝導層Aは、間隔をおいて配置された複数の高熱伝導層aからなり、隣り合う高熱伝導層a同士の間の間隙内に前記熱伝導性インターフェイス部材Aの一部が埋め込まれており、且つ、前記高熱伝導層Bは、間隔をおいて配置された複数の高熱伝導層bからなり、隣り合う高熱伝導層b同士の間の間隙内に前記熱伝導性インターフェイス部材Bの一部が埋め込まれている、上記[2]に記載の熱電変換モジュール。
[4]前記高熱伝導層Aの厚みに対する前記熱伝導性インターフェイス部材Aの一部の埋め込み深さの比Mが、0.01~1.00であり、且つ前記高熱伝導層Bの厚みに対する前記熱伝導性インターフェイス部材Bの一部の埋め込み深さの比Nが、0.01~1.00である、上記[2]又は[3]に記載の熱電変換モジュール。
[5]前記熱伝導性インターフェイス部材A及び前記熱伝導性インターフェイス部材Bが、それぞれ独立に、樹脂層又は有機層である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の熱電変換モジュール。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、部材間界面の伝熱性が向上された高い熱電性能を有する熱電変換モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の熱電変換モジュールの実施態様を示す断面構成図である。
本発明の実施例に用いた熱電変換モジュールの一部を構成する基板上の電極及び熱電素子層の配置の一例を示す平面図である。
本発明の実施例に用いた熱電変換モジュールの評価構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔熱電変換モジュール〕
本発明の熱電変換モジュールは、インプレーン型熱電変換モジュールの一方の面に熱伝導性インターフェイス部材Aと、放熱部材と、を含み、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの他方の面に熱伝導性インターフェイス部材Bを含む、熱電変換モジュールであって、前記熱伝導性インターフェイス部材Aの熱抵抗値をR

(mK/W)、前記熱伝導性インターフェイス部材Bの熱抵抗値をR

(mK/W)、それらの和である全熱抵抗値をR
AB
(mK/W)とし、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの全熱抵抗値をR

(mK/W)とした時に、前記R

に対する前記R
AB
の比(R
AB
/R

)が、1.40以下である、ことを特徴としている。
本発明の熱電変換モジュールは、インプレーン型熱電変換モジュールの一方の面に熱伝導性インターフェイス部材A(以降、単に「TIMA」ということがある。)と、放熱部材と、を含み、さらに前記インプレーン型熱電変換モジュールの他方の面に熱伝導性インターフェイス部材B(以降、単に「TIMB」ということがある。)を含む構成を有しており、インプレーン型熱電変換モジュールを構成する各部材が有する熱抵抗値の総和となる全熱抵抗値R

に対する、TIMAの熱抵抗値R

とTIMBの熱抵抗値R

との和である全熱抵抗値R
AB
の比(R
AB
/R

)を1.40以下にすることにより、インプレーン型熱電変換モジュールを構成する各部材間界面の伝熱性をより向上させることができ、結果としてより高い熱電性能が得られる。
【0010】
本明細書において、「熱電変換モジュール」は、「インプレーン型熱電変換モジュール」と、「熱伝導性インターフェイス部材A及び熱伝導性インターフェイス部材B」と、「放熱部材」とから構成される。
(【0011】以降は省略されています)

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