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公開番号
2024159786
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2024135487,2023070280
出願日
2024-08-14,2019-09-30
発明の名称
金属製部材接合体
出願人
TOPPANエッジ株式会社
,
国立大学法人大阪大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B22F
7/08 20060101AFI20241031BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約
【課題】導電性接合部を介して、金属製部材同士を高い強度で接合できる、金属製部材の接合方法の提供。
【解決手段】金属製の第1部材及び第2部材が、金属銀を介して接合された金属製部材接合体であって、前記第1部材及び第2部材のいずれか一方又は両方が銅製であり、かつ非金属製部材との複合体を形成し、前記第1部材が銅製である場合、前記金属製部材接合体は、前記第1部材側から前記金属銀側へ向けてこれらの間に、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備え、前記第2部材が銅製である場合、前記金属製部材接合体は、前記第2部材側から前記金属銀側へ向けてこれらの間に、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備え、前記非金属製部材が、半導体ウエハ、半導体チップ、有機絶縁基材、無機絶縁基材、又は有機・無機複合絶縁基材である、金属製部材接合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属製部材接合体であって、
前記金属製部材接合体は、金属製の第1部材と、金属製の第2部材と、が金属銀を介して接合されて、構成されており、
前記第1部材及び第2部材のいずれか一方又は両方が、銅製であり、
前記第1部材が銅製である場合には、前記金属製部材接合体は、前記第1部材と前記金属銀との間に、前記第1部材側から前記金属銀側へ向けて、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備えており、
前記第2部材が銅製である場合には、前記金属製部材接合体は、前記第2部材と前記金属銀との間に、前記第2部材側から前記金属銀側へ向けて、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備えており、
前記第1部材及び第2部材のいずれか一方又は両方が、非金属製部材との複合体を形成し、
前記非金属製部材が、半導体ウエハ、半導体チップ、有機絶縁基材、無機絶縁基材、又は有機・無機複合絶縁基材である、金属製部材接合体。
続きを表示(約 230 文字)
【請求項2】
前記半導体ウエハ又は半導体チップが、シリコン、シリコンカーバイド若しくは窒化ガリウムを構成材料とする、ウエハ又はチップであり、
前記有機絶縁基材が、ポリテトラフルオロエチレン製基材、ポリイミド製基材、液晶ポリマー製基材又はシクロオレフィンポリマー製基材であり、
前記無機絶縁基材が、セラミック製基材であり、
前記有機・無機複合絶縁基材が、ガラスエポキシ樹脂製基材である、請求項1に記載の金属製部材接合体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製部材の接合方法、金属製部材接合体及び回路基板に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電子部品と基板との接合や、回路同士の接合など、金属製部材同士の接合時には、はんだが汎用されている。しかし、はんだの融点が比較的低いために、例えば、はんだ実装を行って製造したモジュールを、さらに電子基板に実装する場合には、260℃程度の温度でのリフロー時に、はんだが再溶融することによって、実装位置にずれが生じるという問題点があった。また、パワー半導体モジュールでは、その動作温度が200℃以上の高温になることもある。したがって、はんだ実装を行って得られたパワー半導体モジュールでも、同様の問題点があった。
【0003】
このような、はんだの再溶融に起因する問題点を解決できるものとして、金属銀と、樹脂成分であるバインダーと、を含有する導電性接着剤がある。
しかし、導電性接着剤はバインダーを含有するため、導電性接着剤で構成された接合部の電気抵抗率が高くなる(通常は100μΩ・cm以上となる)ことが避けられず、また、この接合部の耐熱性も不十分であるという問題点があった。
【0004】
一方、加熱処理を行うことによって優れた導電性を示す材料として、β-ケトカルボン酸銀が配合されてなる銀インク組成物が開示されている(特許文献1参照)。この銀インク組成物は、その加熱処理によって、β-ケトカルボン酸銀から金属銀を形成する材料であり、10μΩ・cm以下という極めて低い体積抵抗率の金属銀を形成できる。また、形成された金属銀は、それ以降、200℃以上等の高温に曝されても再溶融しない。したがって、上述のような、はんだの再溶融に起因する問題点を解決できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-193991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記銀インク組成物は、バインダーを含有していないため、この銀インク組成物を用いて、金属製部材同士を接合した場合には、金属銀を介して金属製部材同士が接合された構造の強度、すなわち接合強度を高くすることが困難であるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、導電性接合部を介して、金属製部材同士を高い強度で接合できる、金属製部材の接合方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、金属製部材同士を接合する方法であって、金属製の第1部材と、金属製の第2部材と、のいずれか一方又は両方の表面に付着している銀インク組成物を、60℃以上の温度で固化させずに加熱することにより、前記銀インク組成物の加熱物を得る工程と、前記銀インク組成物の加熱物を介在させて、前記第1部材と前記第2部材とを圧着しながら、前記加熱物を焼成することにより、前記第1部材と前記第2部材とを、金属銀によって接合する工程と、を有し、前記銀インク組成物が、式「-COOAg」で表される基を有するカルボン酸銀と、アミン化合物と、ギ酸と、が配合されてなり、前記銀インク組成物が、その焼成によって金属銀を形成するための材料である、金属製部材の接合方法を提供する。
本発明の金属製部材の接合方法においては、60℃以上の温度で固化させずに加熱する前の前記銀インク組成物が、前記カルボン酸銀から生成した金属銀の粒子を含有し、前記金属銀の粒子の結晶子径が20nm未満であることが好ましい。
本発明の金属製部材の接合方法においては、前記カルボン酸銀が、下記一般式(1)で表わされるβ-ケトカルボン酸銀であることが好ましい。
【0009】
TIFF
2024159786000001.tif
21
170
(式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1~20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R
1
-CY
1
2
-」、「CY
1
3
-」、「R
1
-CHY
1
-」、「R
2
O-」、「R
5
R
4
N-」、「(R
3
O)
2
CY
1
-」若しくは「R
6
-C(=O)-CY
1
2
-」で表される基であり;
Y
1
はそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R
1
は炭素数1~19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R
2
は炭素数1~20の脂肪族炭化水素基であり;R
3
は炭素数1~16の脂肪族炭化水素基であり;R
4
及びR
5
はそれぞれ独立に炭素数1~18の脂肪族炭化水素基であり;R
6
は炭素数1~19の脂肪族炭化水素基、水酸基又は式「AgO-」で表される基であり;
X
1
はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N-フタロイル-3-アミノプロピル基、2-エトキシビニル基、又は一般式「R
7
O-」、「R
7
S-」、「R
7
-C(=O)-」若しくは「R
7
-C(=O)-O-」で表される基であり;
R
7
は、炭素数1~10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
【0010】
また、本発明は、前記金属製部材の接合方法により得られた、金属製部材接合体であって、前記金属製部材接合体のダイシェア強度が15MPa以上である、金属製部材接合体を提供する。
また、本発明は、前記金属製部材接合体を、有機基板上に備え、前記金属製部材が金属電極である、回路基板を提供する。
また、本発明は、金属製部材接合体であって、前記金属製部材接合体は、金属製の第1部材と、金属製の第2部材と、が金属銀を介して接合されて、構成されており、前記第1部材及び第2部材のいずれか一方又は両方が、銅製であり、前記第1部材が銅製である場合には、前記金属製部材接合体は、前記第1部材と前記金属銀との間に、前記第1部材側から前記金属銀側へ向けて、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備えており、前記第2部材が銅製である場合には、前記金属製部材接合体は、前記第2部材と前記金属銀との間に、前記第2部材側から前記金属銀側へ向けて、銀を主要構成元素とする層と、銅及び酸素を主要構成元素とする層と、をこの順に備えており、前記金属製部材接合体のダイシェア強度が15MPa以上である、金属製部材接合体を提供する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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