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公開番号2024157840
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072446
出願日2023-04-26
発明の名称車両制振システム
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類B60G 17/018 20060101AFI20241031BHJP(車両一般)
要約【課題】不動点が存在するばね下共振周波数付近の制振性能を向上させる。
【解決手段】車両制振システム100は、サスペンション1と、アクチュエータ2と、スカイフック制御理論に基づいてばね上構造体6に付与すべき制振力を算出し、制振力に基づいてアクチュエータ2を制御する制御装置4と、を備える。制御装置4は、仮想のスカイフックダンパ7を有する2自由度振動モデルの路面変位に対するばね上構造体6の伝達関数の分母の制御パラメータに対し、制御パラメータ項の係数を打ち消すための関数を乗算した補正制御パラメータに基づいて、前記制振力を算出するように構成される。制御パラメータは、前記スカイフックダンパ7の減衰係数とラプラス演算子の積である。前記関数は、伝達関数の制御パラメータ項の係数を分母とする関数であって、分子に少なくともラプラス演算子の2次項を含む関数である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
タイヤを含むばね下構造体と車体を含むばね上構造体とを連結するサスペンションと、
前記ばね下構造体と前記ばね上構造体との間に上下方向の制御力を作用させるアクチュエータと、
スカイフック制御理論に基づいて前記ばね上構造体に付与すべき制振力を算出し、前記制振力に基づいて前記アクチュエータを制御する制御装置と、
を備える車両制振システムであって、
前記制御装置は、
仮想のスカイフックダンパを有する振動モデルの路面変位に対するばね上構造体の伝達関数の分母の制御パラメータに対し、制御パラメータ項の係数を打ち消すための関数を乗算した補正制御パラメータに基づいて、前記制振力を算出するように構成され、
前記制御パラメータは、前記スカイフックダンパの減衰係数とラプラス演算子の積であり、
前記関数は、前記伝達関数の前記制御パラメータ項の係数を分母とする関数であって、分子に少なくともラプラス演算子の2次項を含む関数である、
車両制振システム。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記関数は、分子にラプラス演算子の1次項をさらに含む関数である、
請求項1に記載の車両制振システム。
【請求項3】
前記アクチュエータの応答性が低い場合は、前記アクチュエータの応答性が高い場合と比べて、前記関数の分子のラプラス演算子の2次項の係数の値が大きくなるように、前記アクチュエータの応答性に基づいて、前記関数の分子のラプラス演算子の2次項の係数の大きさが設定される、
請求項1又は請求項2に記載の車両制振システム。
【請求項4】
前記振動モデルにおいて、前記ばね下構造体の質量をM

、前記タイヤのばね定数をK

、前記タイヤの減衰係数をC

、ラプラス演算子をs、係数M

を所定の定数とすると、前記関数は、下記の(1)式又は(2)式で表される、
JPEG
2024157840000010.jpg
25
142
請求項1に記載の車両制振システム。
【請求項5】
前記振動モデルにおいて、前記ばね下構造体の質量をM

、前記タイヤのばね定数をK

、前記タイヤの減衰係数をC

、ラプラス演算子をs、係数M

及び係数C

を所定の定数とすると、前記関数は、下記の(3)式又は(4)式で表される、
JPEG
2024157840000011.jpg
23
140
請求項2に記載の車両制振システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制振システムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の車両用制振制御装置として、スカイフック制御理論に基づいてばね上構造体(車体)に付与すべき目標制振力を算出し、目標制振力に基づいてばね下構造体(車輪)とばね上構造体との間に上下方向の制御力を作用させるアクチュエータを制御するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-135120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の車両用制振制御装置は、不動点が存在するばね下共振周波数付近の制振性能に関して、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、不動点が存在するばね下共振周波数付近の制振性能を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様による車両制振システムは、タイヤを含むばね下構造体と車体を含むばね上構造体とを連結するサスペンションと、ばね下構造体とばね上構造体との間に上下方向の制御力を作用させるアクチュエータと、スカイフック制御理論に基づいてばね上構造体に付与すべき制振力を算出し、制振力に基づいて前記アクチュエータを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、仮想のスカイフックダンパを有する振動モデルの路面変位に対するばね上構造体の伝達関数の分母の制御パラメータに対し、制御パラメータ項の係数を打ち消すための関数を乗算した補正制御パラメータに基づいて、制振力を算出するように構成される。制御パラメータは、スカイフックダンパの減衰係数とラプラス演算子の積である。上記の関数は、伝達関数の制御パラメータ項の係数を分母とする関数であって、分子に少なくともラプラス演算子の2次項を含む関数である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のこの態様によれば、不動点が存在するばね下共振周波数付近の制振性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態による車両制振システムの概略構成図である。
仮想的なスカイフックダンパを設けた2自由度振動モデルを示す図である。
補正関数として各関数T
filt0
、T
filt1
、T
filt2
を使用した場合の路面変位に対するばね上変位の伝達特性で示す図である。
補正関数として関数T
filt1
、T
filt2
を使用したときのアクチュエータの応答性の違いによる伝達特性の変化を示した図である。
ばね下質量M

を実値通りにした場合の伝達特性、ばね下質量M

を実値よりも小さくした場合の伝達特性、及びばね下質量M

を実値よりも大きくした場合の伝達特性を比較して示した図である。
タイヤのばね定数K

を実値通りにした場合の伝達特性、タイヤのばね定数K

を実値よりも小さくした場合の伝達特性、及びタイヤのばね定数K

を実値よりも大きくした場合の伝達特性を比較して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態による車両制振システム100の概略構成図である。
(【0011】以降は省略されています)

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