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公開番号
2024156444
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2023070912
出願日
2023-04-24
発明の名称
呼気センサ、及び血糖値測定装置
出願人
合同会社エイン
代理人
個人
主分類
G01N
27/12 20060101AFI20241029BHJP(測定;試験)
要約
【課題】ユーザの呼気に含まれる成分から高精度で血糖値を測定すると共に、次回の測定が可能になるまでの回復時間の短縮化を図る。
【解決手段】血糖値測定装置に内蔵される呼気センサユニット10に含まれる呼気センサ11は、筒状のカーボンナノシート12の内部に、断熱部材13及び一対に電極15を含む。断熱部材13の内周面にはフラーレン層18を形成すると共に、断熱部材13の内部に加熱線部材14を配置する。ユーザの呼気中の成分は、呼気センサ11の内部に取り込まれて加熱線部材14により加熱されてカーボンナノシート12の内周面に付着し、それによりカーボンナノシート12の電気抵抗値が変化する。変化した電気抵抗値に基づき、最終的に血糖値が算出されてユーザへ提示される。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
呼気に含まれる成分が付着することで、電気抵抗が変化する特性を有するカーボンナノ構造体を備える呼気センサにおいて、
前記カーボンナノ構造体は、筒状に形成してあり、
前記カーボンナノ構造体の内部に配置した加熱線部材と、
前記カーボンナノ構造体と電気的に接続された一対の電極と
を備え、
前記カーボンナノ構造体の一端側に形成された開口を、呼気の取入口にしてあることを特徴とする呼気センサ。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記カーボンナノ構造体の内部に配置した環状の断熱部材を備え、
前記加熱線部材は、前記断熱部材の内部に配置してある請求項1に記載の呼気センサ。
【請求項3】
前記環状の断熱部材の内周面には、フラーレン層が形成してある請求項2に記載の呼気センサ。
【請求項4】
前記一対の電極における負極は、フラーレンを含む請求項1に記載の呼気センサ。
【請求項5】
前記加熱線部材は、ナノシルバーで被覆した銅ナノワイヤーで形成してある請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の呼気センサ。
【請求項6】
前記加熱線部材は、巻回したコイル部、及び前記コイル部の周囲に形成した網状のメッシュ部を有する請求項2に記載の呼気センサ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の呼気センサと、
前記呼気センサに含まれる前記カーボンナノ構造体の電気抵抗の変化を検出する電気抵抗検出手段と、
前記電気抵抗検出手段の検出結果に基づき、血糖値を算出する血糖値算出手段と、
前記血糖値算出手段の算出結果を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする血糖値測定装置。
【請求項8】
前記呼気センサに含まれる前記加熱線部材は、ナノシルバーで被覆した銅ナノワイヤーで形成してある請求項7に記載の血糖値測定装置。
【請求項9】
前記加熱線部材は、巻回したコイル部、及び前記コイル部の周囲に形成した網状のメッシュ部を有する請求項7に記載の血糖値測定装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼気中のアセトン等の成分の吸着に伴う電気抵抗の変化を高精度で検出可能にすると共に、検出した結果に基づき血糖値の算出も高精度で行う呼気センサ及び血糖値測定装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、人体の血糖値を測定するには一般に、血糖値測定用の検査キットが使われる。この検査キットによる血糖値測定の仕方としては、検査キットに含まれる穿刺器具叉は穿刺針により、患者の血液を指先等から採取して検査キットに含まれる血糖測定器(測定用チップ)に取り込んで測定結果を確認することになるが、血液の採取等に対する患者の負担が大きいものになっている。
【0003】
また、人体の呼気に含まれる各種成分を検出し、その検出結果に基づき人体の症状等を分析することが行われており、このような呼気に含まれる成分(主にアセトン)の濃度を検出することで、血糖値を測定する試みも行われている。例えば、下記の特許文献1では、カーボンナノチューブに代表されるナノ構造体を利用して、呼気中のアセトン濃度を室温レベルで検出するセンシング素子等についての開示がある。
【0004】
具体的には、ナノ構造体に電圧を印加した状態で、呼気中のアセトンがナノ構造体に付着すると、ナノ構想体に流れる電流値が変化し、それに伴いナノ構造体の電気抵抗の値も変化するので、この電気抵抗の変化を検出することで、ナノ構造体に付着したアセトンの濃度、すなわち、呼気中のアセトン濃度を検出可能にしている。なお、呼気中のアセトン濃度は、糖尿病との関連性が高いことが知られており、呼気中のアセトン濃度が高まると、一般に糖尿病の症状が生じやすくなる(特許文献1の段落0038、0043~0045、0057等の記載参照)。
【0005】
また、下記の特許文献2には、実施例1~9として各種センサや装置等が説明されており、それらの中で、実施例6では、酸化錫、酸化亜鉛などの表面修飾ペーストを含む半導体センサの表面に吸着させた大気中酸素とアセトンの酸化反応により生じる電気抵抗の変化から、アセトン濃度を検知することが説明されている。このようなアセトン濃度の測定の際、半導体センサはヒーター線により300~400℃に加熱される(特許文献2の段落0036、0037等の記載参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-107310号公報
特開2001-349888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1では、カーボンナノチューブのようなナノ構造体を利用して、呼気中に含まれるアセトン等の濃度を検出するが、室温レベルで検出を行うため、検出対象となる呼気中の成分の活性化が充分に進まず、電気抵抗も穏やかに変化し、最終的に変化し尽くした検出値を把握しづらく、それに伴い正確な濃度の検出も困難になるという問題がある。
【0008】
一方、上述した特許文献2では、半導体センサをヒーター線により300~400℃に加熱することから、呼気中の成分への加熱も充分なものとなり、酸化等の反応も促進されるが、カーボンナノチューブのようなナノ構造体を用いていないため、呼気中に含まれる成分を確実に吸着させるのが難しく、それにより電気抵抗も変化を高精度で検出しにくいという問題がある。
【0009】
また、特許文献1、2の両方において、検出を行った後は、呼気中の不要となる気体成分や湿気成分等がセンサ内等に残存する関係上、次回の検出までに十分な時間を開ける必要があるため、検出可能な状態に回復するまでに要する時間が長くなり、使い勝手が良くないという問題もある。
【0010】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ナノ構造体を利用して呼気中の成分の付着による電気抵抗の変化を検出する際、明確に電気抵抗値が変化して、検出値を高精度で把握しやすくした呼気センサ、及び血糖値測定装置を提供することを目的とする。
(【0011】以降は省略されています)
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