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公開番号
2024152306
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-25
出願番号
2023066421
出願日
2023-04-14
発明の名称
酸窒化用鋼および酸窒化部品
出願人
大同特殊鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20241018BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐焼付き性および内部強度に優れた酸窒化部品を製造することが可能な酸窒化用鋼を提供する。
【解決手段】酸窒化用鋼は、質量%で、C:0.15%~0.50%、Si:0.01%~2.00%、Mn:0.10%~2.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cu:2.00%以下、Ni:3.00%以下、Cr:0.40%~3.00%、Mo:0.01%~2.00%、V:0.01%~2.00%、を含有するとともに、下記の式(1)を満足し、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有する。
1.00×[C]-0.20×[Cr]+0.40×[Mo]+0.60×[V]>0.05 …式(1)
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で
C:0.15%~0.50%、
Si:0.01%~2.00%、
Mn:0.10%~2.00%、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cu:2.00%以下、
Ni:3.00%以下、
Cr:0.40%~3.00%、
Mo:0.01%~2.00%、
V:0.01%~2.00%、
を含有するとともに、下記の式(1)を満足し、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有する酸窒化用鋼。
1.00×[C]-0.20×[Cr]+0.40×[Mo]+0.60×[V]>0.05 …式(1)
(式(1)中の[ ]は各元素の含有質量%を示す)
続きを表示(約 260 文字)
【請求項2】
請求項1において、質量%で
N:0.05%以下、
s-Al:0.10%以下、
Nb:0.20%以下、
Ti:2.00%以下、
B:0.01%以下、
の何れか1種若しくは2種以上を更に含有する酸窒化用鋼。
【請求項3】
請求項1,2の何れかに記載された鋼からなり、表層部に、窒素化合物層と、該窒素化合物層の表面側に形成された厚み3μm以上の鉄酸化物層とを備え、ビッカース硬さ500HVとなる有効硬化層深さが0.15mm以上である酸窒化部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は酸窒化用鋼および酸窒化部品に関し、特に歯車等の摺動部品に用いられて好適な酸窒化用鋼および酸窒化部品に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
自動車の動力伝達機構などに用いられる歯車等の摺動部品にあっては、鋼を鍛造、切削等により所定の形状に加工した後、浸炭焼入れ処理、浸炭窒化焼入れ処理または窒化処理などの表面硬化の処理が施され、耐摩耗性等の機械的性質を向上させている。
近年は、高回転化やその際のすべり速度の増加など従来よりも焼付きが生じ易い環境下で使用される場合が多く、特に高い耐焼付き性が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-227675号公報
特開2016-125132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
耐焼付き性を向上させるためには、部品の摺動面に窒化処理による窒素化合物層を形成して、金属同士が直接接触しないようにすることが有効とされている(例えば上記特許文献1,2参照)。しかしながら、窒化処理は、浸炭処理や浸炭窒化処理と比較して処理温度が低く(500~650℃程度)、窒素の拡散深さが浅い。また、拡散層よりも内部の母材については窒化処理温度で軟化してしまう。
このため、例えば窒化処理を施した摺動部品の場合、内部強度が低いことに起因するケースクラッシュ(表面硬化層が広い範囲にわたって剥離する損傷)や内部塑性変形が生じ易いという問題があった。
【0005】
本発明は以上のような事情を背景とし、耐焼付き性および内部強度に優れた酸窒化部品を製造することが可能な酸窒化用鋼およびこれを用いた酸窒化部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の知見を得た。
(a)窒化処理による窒素化合物層の表面側に鉄酸化物層を形成することで、窒化部品の耐焼付き性を更に向上させることができる。
(b)MoおよびVによる二次硬化が窒化処理における母材の軟化抑制に有効であり、鋼における各合金元素の添加量を適正にバランスさせることで、所望の有効硬化層深さを確保することができ、窒化部品の内部強度を高めることができる。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
【0007】
而して本発明の要旨は、次の通りである。
【0008】
[1] 質量%で、C:0.15%~0.50%、Si:0.01%~2.00%、Mn:0.10%~2.00%、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cu:2.00%以下、Ni:3.00%以下、Cr:0.40%~3.00%、Mo:0.01%~2.00%、V:0.01%~2.00%、を含有するとともに、下記の式(1)を満足し、残部Fe及び不可避的不純物の組成を有する酸窒化用鋼。
1.00×[C]-0.20×[Cr]+0.40×[Mo]+0.60×[V]>0.05 …式(1)
(式(1)中の[ ]は各元素の含有質量%を示す)
【0009】
[2] [1]において、質量%で、N:0.05%以下、s-Al:0.10%以下、Nb:0.20%以下、Ti:2.00%以下、B:0.01%以下、の何れか1種若しくは2種以上を更に含有する酸窒化用鋼。
【0010】
[3] [1],[2]の何れかに記載された鋼からなり、表層部に、窒素化合物層と、該窒素化合物層の表面側に形成された厚み3μm以上の鉄酸化物層とを備え、ビッカース硬さ500HVとなる有効硬化層深さが0.15mm以上である酸窒化部品。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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