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公開番号2024167834
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023084189
出願日2023-05-22
発明の名称RFeB系磁石製造方法、及び該方法に用いる粒界拡散処理用合金
出願人大同特殊鋼株式会社
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類B22F 3/00 20210101AFI20241127BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】高温における保磁力及び角型比を従来よりも大きくすることができるRFeB系磁石の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るRFeB系磁石製造方法は、希土類元素R、Fe及びBを含有するRFeB系合金の焼結体又は該合金の熱間塑性加工体から成る基材を準備する基材準備工程と、 Dy、Tb及びHoのうちのいずれか1種又はそれらの2種以上の混合物である拡散対象重希土類元素RHdとCuから成り、Cuの含有率が20質量%以上40質量%以下であるRHdCu合金を含有する付着物を準備する付着物準備工程と、前記付着物を前記基材の表面に付着させる付着工程と、前記付着物を付着させた前記基材を、前記拡散対象重希土類元素RHdが該基材の粒界に拡散する所定温度に加熱する加熱工程とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
希土類元素R、Fe及びBを含有するRFeB系合金の焼結体又は該合金の熱間塑性加工体から成る基材を準備する基材準備工程と、
Dy、Tb及びHoのうちのいずれか1種又はそれらの2種以上の混合物である拡散対象重希土類元素R
Hd
とCuから成り、Cuの含有率が20質量%以上40質量%以下であるR
Hd
Cu合金を含有する付着物を準備する付着物準備工程と、
前記付着物を前記基材の表面に付着させる付着工程と、
前記付着物を付着させた前記基材を、前記拡散対象重希土類元素R
Hd
が該基材の粒界に拡散する所定温度に加熱する加熱工程と
を有する、RFeB系磁石製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記付着物が前記R
Hd
Cu合金の粉末を含有する、請求項1に記載のRFeB系磁石製造方法。
【請求項3】
前記基材が、Cの含有率が0.10質量%以下であってOの含有率が0.10質量%以下である、請求項1又は2に記載のRFeB系磁石製造方法。
【請求項4】
希土類元素R、Fe及びBを含有するRFeB系合金の焼結体又は該合金の熱間塑性加工体から成る基材に付着させたうえで所定温度に加熱することにより、Dy、Tb及びHoのうちのいずれか1種又はそれらの2種以上の混合物である拡散対象重希土類元素R
Hd
を該基材の粒界に拡散させる粒界拡散処理に用いる合金であって、
前記拡散対象重希土類元素R
Hd
とCuから成り、Cuの含有率が20質量%以上40質量%以下であるR
Hd
Cu合金である、粒界拡散処理用合金。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、希土類元素(以下、「R」とする)、鉄(Fe)及び硼素(B)を主な構成元素とするRFeB系焼結磁石又はRFeB系熱間塑性加工磁石(これらを「RFeB系磁石」と総称する)の製造方法、及び該方法に用いる合金に関する。なお、RFeB系焼結磁石はRFeB系の原料粉末を磁界中で配向した後に焼結したものをいい、RFeB系熱間塑性加工磁石はRFeB系の原料粉末に対して熱間プレス加工を行った後に熱間塑性加工を行うことで結晶粒の結晶軸の向きを揃えた磁石をいう。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
RFeB系磁石は残留磁束密度等の種々の磁気特性が他の永久磁石よりも良いという特長を有する。初期のRFeB系磁石は磁気特性の一つである保磁力が比較的低いという欠点を有していたが、その後、RFeB系磁石の結晶粒の表面付近に、Dy、Tb及びHo(以下、これら3種の元素を「重希土類元素」と総称する)のうちの1種又は複数種を存在させることによって保磁力を向上させることができることが見出された。
【0003】
重希土類元素は、RFeB系磁石の結晶粒の表面付近に存在する限り、保磁力以外の磁気特性にほとんど悪影響を及ぼさないものの、結晶粒の内部に多く存在すると残留磁束密度を低下させてしまうという欠点を持つ。そこで従来より、粒界拡散法と呼ばれるRFeB系磁石の製造方法が用いられている(例えば特許文献1及び2)。粒界拡散法では、RFeB系磁石の原料粉末を焼結させた焼結体から成る基材を作製したうえで、重希土類元素を含有する合金等から成る付着物を基材の表面に付着させ、所定の温度範囲内(典型的には700~1000℃)の温度に加熱する。すると、付着物の重希土類元素が基材である焼結体の結晶粒の粒界を通って焼結体内に拡散してゆき、結晶粒の表面付近に侵入するが、結晶粒の内部にはほとんど侵入しない。これにより、重希土類元素が結晶粒の表面付近には十分に存在しつつ結晶粒の内部にはほとんど存在せず、保磁力が高く且つ残留磁束密度が低下することが抑えられたRFeB系磁石を得ることができる。
【0004】
特許文献1には、上記付着物として、Tbを86質量%、重希土類元素以外の元素であるCuを14質量%含有するTbCu合金を用いることが記載されている。また、特許文献2には、上記付着物として、Tbを85.4質量%、Cuを14.6質量%含有するTbCu合金を用いることが記載されている(なお、特許文献2では、Tb, Cu及びAlを含有するTbCuAl合金を用いる場合との比較例としてTbCu合金が記載されている)。Cuは、特許文献1では重希土類元素が結晶粒内に侵入することを抑制する役割を有するとされ、特許文献2では粒界に存在することで結晶粒同士の磁気的相互作用を遮断する役割を有するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-092121号公報
特開2020-013975号公報
特開2006-019521号公報
【非特許文献】
【0006】
日置敬子、服部篤 著、「超急冷粉末を原料とした省Dy型Nd-Fe-B系熱間加工磁石の開発」、素形材 第52巻第8号第19~24頁、一般財団法人素形材センター、2011年8月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
磁石では一般に、温度が高くなるほど保磁力及び角型比が小さくなることが知られている。ここで角型比は、磁化曲線の第2象限(減磁曲線)において磁化が残留磁束密度の90%となるときの逆磁界H
k
と保磁力H
cj
の比H
k
/H
cj
で表される値である。角型比の値が大きいほど、磁界の変動に伴う磁化の変動が小さく、変動磁界中で安定した特性を有することを意味する。そして、自動車の走行用モータでは使用時に温度が130℃程度まで上昇することから、そのようなモータにRFeB系磁石を使用するためには130℃程度の高温における保磁力及び角型比を大きくすることが求められる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、高温における保磁力及び角型比を従来よりも大きくすることができるRFeB系磁石の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために成された本発明に係るRFeB系磁石製造方法は、
希土類元素R、Fe及びBを含有するRFeB系合金の焼結体又は該合金の熱間塑性加工体から成る基材を準備する基材準備工程と、
Dy、Tb及びHoのうちのいずれか1種(である重希土類元素)又はそれらの2種以上の混合物である拡散対象重希土類元素R
Hd
とCuから成り、Cuの含有率が20質量%以上40質量%以下であるR
Hd
Cu合金を含有する付着物を準備する付着物準備工程と、
前記付着物を前記基材の表面に付着させる付着工程と、
前記付着物を付着させた前記基材を、前記拡散対象重希土類元素R
Hd
が該基材の粒界に拡散する所定温度に加熱する加熱工程と
を有する。
【0010】
R
Hd
Cu合金は、不可避的不純物が混入することは許容されるものの、それ以外には拡散対象重希土類元素R
Hd
及びCuのみを含有する合金である。従って(不可避的不純物を無視すると)、Cuの含有率を定めれば拡散対象重希土類元素R
Hd
の含有率は一意的に定まる。例えば、Cuの含有率が20質量%であれば拡散対象重希土類元素R
Hd
の含有率は80質量%であり、Cuの含有率が40質量%であれば拡散対象重希土類元素R
Hd
の含有率は60質量%である。
(【0011】以降は省略されています)

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