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公開番号2025008032
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023109869
出願日2023-07-04
発明の名称積層鉄心用板材の製造方法、積層鉄心用板材、積層鉄心および積層鉄心の製造方法
出願人個人,国立大学法人東北大学,個人,東北特殊鋼株式会社,大同特殊鋼株式会社
代理人個人
主分類H01F 1/18 20060101AFI20250109BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】Fe-Co系軟磁性材料を利用して、占積率が大きく、鉄損が改善され高性能な積層鉄心を廉価な製造コストで得ることが可能な積層鉄心用板材の製造方法、積層鉄心用板材、その積層鉄心および積層鉄心の製造方法を提供する。
【解決手段】Co:10~55質量%と、V:0~4質量%と、Al:0~1.5質量%とを含み、残部がFeおよび不可避的不純物であるFe-Co系の軟磁性材料から成る鋼板に対し、焼鈍しを行う焼鈍工程と、金属アルコキシド分散液を修飾させ乾燥させて金属酸化皮膜を生成させる皮膜生成工程とを有する。焼鈍工程で鋼板に対し400~900℃の熱処理を行う。皮膜生成工程で鋼板の表面に120~1000nmの厚さの金属酸化皮膜を生成させる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
Co:10~55質量%と、V:0~4質量%と、Al:0~1.5質量%とを含み、残部がFeおよび不可避的不純物であるFe-Co系の軟磁性材料から成る鋼板に対し、焼鈍しを行う焼鈍工程と、金属アルコキシド分散液を修飾させ乾燥させて金属酸化皮膜を生成させる皮膜生成工程とを有することを、特徴とする積層鉄心用板材の製造方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記焼鈍工程で前記鋼板に対し400~900℃の熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項3】
前記皮膜生成工程で前記鋼板の表面に120~1000nmの厚さの前記金属酸化皮膜を生成させることを特徴とする請求項2記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項4】
前記皮膜生成工程で前記鋼板の表面に前記金属アルコキシド分散液を修飾させた後、水洗してから乾燥させることを特徴とする請求項3記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項5】
前記鋼板は前記Alが0質量%であることを特徴とする請求項4記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項6】
前記鋼板は、前記Coを40~53質量%、前記Vを1~2質量%含むことを特徴とする請求項5記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項7】
前記焼鈍工程の後に前記皮膜生成工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項8】
前記皮膜生成工程の後に前記焼鈍工程を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項9】
前記焼鈍工程で前記鋼板に対し0~100℃から徐々に700~900℃に昇温させて熱処理を行うことを特徴とする請求項8記載の積層鉄心用板材の製造方法。
【請求項10】
Co:10~55質量%と、V:0~4質量%と、Al:0~1.5質量%と、O:0.001~0.02質量%とを含み、残部がFeおよび不可避的不純物であるFe-Co系の軟磁性材料から成る鋼板の表面に120~1000nmの厚さの金属酸化皮膜を有することを特徴とする積層鉄心用板材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層鉄心用板材の製造方法、積層鉄心用板材、積層鉄心および積層鉄心の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、モーターや小型発電機、タービン発電機、トランス等で使用される積層鉄心は、誘導鉄損を低減するために、表面に高抵抗の絶縁皮膜を有する軟磁性材料を積層して形成されている。その積層鉄心用板材の製造方法として、Co:10質量%~55質量%と、V:0質量%~4質量%と、Al:0.1質量%~1.5質量%とを含み、残部がFeおよび不可避的不純物から成る鋼板を、酸素分圧が1×10
-26
Pa~1×10
-14
Paの雰囲気中で、700℃~950℃で熱処理することにより、表面にAlを主成分とする酸化皮膜を有する積層鉄心用板材を製造する方法が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、方向性電磁鋼板の製造方法として、アルコキシドと、10~100nmの範囲内の粒子径を有する酸化物微粒子とを含有する有機溶剤系の絶縁皮膜処理液を、最終焼鈍後の方向性電磁鋼板表面上に塗布し、次いで、前記鋼板に、鋼板温度を200~800℃の範囲内に維持して加熱処理を行う方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
珪素鋼板の絶縁皮膜の形成方法としては、厚さ0.2mm以下の珪素鋼板の表面に金属アルコキシドの1種あるいは2種以上を含む有機溶媒溶液を塗布し、乾燥後焼鈍することにより金属酸化物よりなる絶縁性皮膜を形成させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-202314号公報
特開昭60-258477号公報
特開平6-215622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、生成する酸化皮膜の厚さに限界があるため、抵抗値を上げることが困難で、鉄損の改善が難しいという課題があった。また、絶縁酸化皮膜の厚さが大きくなると、その板材を積層して積層鉄心を製造しても、軟磁性材料の占積率が小さくなると考えられていた。
【0007】
特許文献2の方法では、皮膜調製前にマグネシウム存在下で高温処理してフォルステライト層を形成させる処理が必要となるため、製造工程が多く、製造コストがかさむという課題があった。また、特許文献2および3の方法は、方向性電磁鋼板に皮膜張力を付与することで鉄損を低下させる原理のため、無方向性鋼板であるパーメンジュールの鉄損改善には適用できないと考えられていた。
【0008】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、Fe-Co系軟磁性材料を利用して、占積率が大きく、鉄損が改善され高性能な積層鉄心を廉価な製造コストで得ることが可能な積層鉄心用板材の製造方法、積層鉄心用板材、その積層鉄心および積層鉄心の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
Fe-Co系合金は、スレーター・ポーリング(Slater-Pauling)曲線で知られるように、約35Co付近を中心として、バルク金属としては最大の磁束密度を示す。そこで、本発明者等は、この高磁束密度のFe-Co系軟磁性材料を利用し、板材積層時の占積率を上げるために、絶縁酸化皮膜を厚くして抵抗値を上げることで渦電流の発生量を抑え、鉄損を低下させることを目的として検討を行い、本願発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明に係る積層鉄心用板材の製造方法は、Co:10~55質量%と、V:0~4質量%と、Al:0~1.5質量%とを含み、残部がFeおよび不可避的不純物であるFe-Co系の軟磁性材料から成る鋼板に対し、焼鈍しを行う焼鈍工程と、金属アルコキシド分散液を修飾させ乾燥させて金属酸化皮膜を生成させる皮膜生成工程とを有することを、特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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