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公開番号2024148455
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061612
出願日2023-04-05
発明の名称圧着端子の止水構造及び圧着端子の止水方法
出願人矢崎総業株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類H01R 4/18 20060101AFI20241010BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】確実な止水性を維持することのできる圧着端子の止水構造及び圧着端子の止水方法を提供する。
【解決手段】圧着端子の止水構造は、複数本の素線102の束よりなる導体103を含む電線100と、防水コネクタのハウジング内部に収容される端子であって、相手側端子と接続される電気接続部1を先端側に有し、防水コネクタのハウジングの外部から内部に導入される電線100の先端に圧着された電線圧着部5を後端側に有する圧着端子1と、を備える。電線圧着部5のうち、電線の導体103に圧着された導体圧着部3が、後端側に位置して通常荷重により導体に圧着された通常荷重圧着部3aと、それより先端側に位置して通常荷重圧着部3aより高荷重で導体に圧着された高荷重圧着部3bと、を有する。高荷重圧着部3bでは、圧着により導体103を構成する複数本の素線102が潰れることで、隙間が全て封じられる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数本の素線の束よりなる導体を含む電線と、
防水コネクタのハウジング内部に収容される端子であって、相手側端子と接続される電気接続部を先端側に有し、前記防水コネクタのハウジングの外部から内部に導入される前記電線の先端に圧着された電線圧着部を後端側に有する圧着端子と、
を備え、
前記電線圧着部のうち、前記電線の導体に圧着された導体圧着部が、
後端側に位置して通常荷重により前記導体に圧着された通常荷重圧着部と、前記通常荷重圧着部より先端側に位置して前記通常荷重圧着部より高荷重で前記導体に圧着された高荷重圧着部と、を有し、
前記高荷重圧着部では、圧着により前記導体を構成する複数本の素線が潰れることで、隙間が封じられた、
圧着端子の止水構造。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記導体圧着部が、連続する圧着片の圧着高さを異ならせた二段構造を有し、先端側の圧着高さの小さい部分が前記高荷重圧着部とされ、後端側の圧着高さの大きい部分が前記通常荷重圧着部とされ、前記高荷重圧着部と前記通常荷重圧着部との間に段差が設けられている、
請求項1に記載の圧着端子の止水構造。
【請求項3】
前記導体圧着部が、連続する圧着片の圧着高さが徐々に変化する傾斜構造になっており、圧着高さの小さい側が前記高荷重圧着部とされ、圧着高さの大きい側が前記通常荷重圧着部とされている、
請求項1に記載の圧着端子の止水構造。
【請求項4】
前記ハウジング内部に位置する前記導体の露出部が止水材により覆われた、
請求項1に記載の圧着端子の止水構造。
【請求項5】
前記電線が、前記導体と該導体を包囲する絶縁被覆とを有する被覆電線であり、
前記電線圧着部には、前記導体圧着部と、該導体圧着部より後端側に位置して前記電線の被覆に圧着される被覆圧着部が設けられ、
前記導体圧着部は、前記電線の先端の被覆が除去されることで露出した前記導体に圧着され、
前記被覆圧着部は、前記導体を覆う状態で残された前記被覆の外周に圧着され、
前記ハウジング内部に位置する前記導体の露出部であって、前記被覆圧着部と前記導体圧着部との間に露出する導体部分が、止水材により覆われた、
請求項1に記載の圧着端子の止水構造。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の圧着端子の止水構造において、
前記通常荷重圧着部と前記高荷重圧着部とを、1組の圧着金型による1回の圧着操作により前記導体に圧着する、
圧着端子の止水方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着端子の止水構造及び圧着端子の止水方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、車両のエンジンルーム内に配置される防水コネクタは、-30℃から100℃に亘って雰囲気温度が変化する環境で使用される。このような環境下では、温度変化に伴って空気が膨張・収縮し、それに伴うポンプ作用や表面張力などによって、電線に接続された防水コネクタ内に、電線の素線(芯線)間の隙間を通って水が浸入する場合がある。
【0003】
図5は、防水コネクタの内部に外部から水が浸入する原理を説明するための図である。
図5に示すように、防水コネクタCNは、コネクタハウジング内に圧着端子61を収容するものであり、圧着端子61には、防水コネクタCNの外部から導入される電線(被覆電線)100の先端が圧着接続されている。圧着端子61は、先端側に相手側端子と接続される電気接続部62を有し、後端側に電線100の先端に圧着される電線圧着部65を有している。
【0004】
電線100は、複数本の素線102の束よりなる導体103と、導体103を包囲する絶縁樹脂性の被覆104とを有する。圧着端子61の電線圧着部65には、導体103に圧着される導体圧着部63と、導体圧着部63より後端側に位置して電線100の被覆104に圧着される被覆圧着部64とが設けられている。そして、導体圧着部63は、電線100の先端の被覆104が除去されて露出した導体103に圧着され、被覆圧着部64は、導体103を覆う状態で残された被覆104の外周に圧着されている。
【0005】
一方、防水コネクタCNの外部にある電線100の他方の端末部には、LA端子150が接続されている。このLA端子150の電線圧着部152が被水すると、ポンプ作用や表面張力によって、水が電線圧着部152から電線100内に浸入するおそれがある。導体103を構成する素線102間には微小な隙間が存在しており、電線100内に水が浸入すると、その水は、素線102間の隙間を通って、防水コネクタCNのハウジング内にまで到達することがある。図5において、矢印N1は水の浸入経路を示している。なお、防水コネクタCNのハウジングへの電線100の導入部には、電線100の外周とコネクタハウジングとの隙間を封止するゴム栓が通常設けられており、電線100の外周を伝っての水の浸入がゴム栓によって防止されている。
【0006】
図5中の矢印N1で示すように、電線100の素線102間の隙間を通って、水が防水コネクタCNの内部に浸入すると、リーク等の不具合のおそれがあり、避けなければならない。
【0007】
そこで、従来では、圧着端子61の導体103の露出部Cに液状硬化性の止水材Sを塗布することが行われている(例えば、特許文献1参照)。液状硬化性の止水材Sは、被覆圧着部64と導体圧着部63との間に露出する導体103を覆うように塗布されるので、素線102間を通って来た水は、ここで防水コネクタCNの内部に浸入することが阻止される。
【0008】
ところが、このように塗布された止水材Sは、図6に導体103の露出部Cの断面を示すように、露出した導体103の表面を単に覆うに留まることがあり、必ずしも十分に素線102間の隙間Kまで浸透するわけではない。従って、素線102間の隙間を伝って来た水は、その先の導体圧着部63に浸入しようとする。なお、図6中の符号71は、圧着端子61の電気接続部62から被覆圧着部64まで共通に延在する基板部である。
【0009】
図7は、導体圧着部63の断面を示す。
この図7に示すように、導体圧着部63は、素線102の束よりなる導体103に圧着されるが、このときの圧着仕様は、固着力を保持観点等から制限され、所定の規格に適合したものとされる。固着力の要素としては、電線100と圧着端子61との間の固着力と、素線102同士の間の固着力とを含む。規格で定められた荷重より大きい荷重で強く圧着(過圧着)すると、素線102の歪みが大きくなったり素線102が損傷したりすることにより、導体103の断面積が小さくなり、固着力が低下する場合がある。
【0010】
しかし、定められた通常の圧着荷重で圧着を行った場合には、素線102の過度の歪みなどを抑制して良好な固着力を得ることはできるものの、図7に示すように、素線102間に隙間Kが残ることがあり得る。図7において、符号73は圧着のための一対の加締片(圧着片)を示す。
(【0011】以降は省略されています)

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