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公開番号2024147203
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023060067
出願日2023-04-03
発明の名称トマト半数体の作出方法
出願人株式会社ニップン,国立大学法人 筑波大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類A01H 1/00 20060101AFI20241008BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】偽受精胚珠培養法を利用したトマト半数体の作出において、半数性胚を含む胚珠を効率的に取得する手段を提供する。
【解決手段】下記の工程1~3を含む、トマト半数体の作出方法。
1.トマト花粉親の花粉に、25~125GyのX線を照射して、不活化花粉を得る工程、
2.不活化花粉を、トマト種子親に受粉させる工程、及び
3.受粉後のトマト種子親から摘出した偽受精胚珠のなかから、下記の条件A、B又はCを満たすものを、トマト半数体の胚珠として選択する工程
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記の工程1~3を含む、トマト半数体の作出方法。
1.トマト花粉親の花粉に、25~125GyのX線を照射して、不活化花粉を得る工程、
2.不活化花粉を、トマト種子親に受粉させる工程、及び
3.受粉後のトマト種子親から摘出した偽受精胚珠のなかから、下記の条件A、B又はCを満たすものを、トマト半数体の胚珠として選択する工程
TIFF
2024147203000008.tif
26
139
α:非不活化花粉を受粉させたトマト種子親から摘出した受精胚珠の長径
β:偽受精胚珠の長径
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
工程3において、条件Bを満たす偽受精胚珠を選択する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程3を、受粉から2~4週間後のトマト種子親から摘出した偽受精胚珠を用いて行なう、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
下記の工程4を更に含む、請求項1に記載の方法。
4.工程3で選択した胚珠を生育する工程

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、偽受精胚珠培養法を利用したトマト半数体の作出方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
染色体数が二倍性個体の半分になっている半数体は、薬剤等を用いた倍化処理に供することで、純系の二倍体を直ちに取得できる。この利点を活かし、雑種第一代(F1)植物の半数体を作成し、その染色体数を倍加させることで、遺伝的に固定された品種の迅速な作出が可能になってきている。
半数体の作出手段として、偽受精胚珠培養法が知られている。この方法は、一般的に、(1)X線や変異原物質等により受精能力を喪失させた精細胞を含む花粉(不活化花粉)を種子親に受粉させ、受精なしに、種子親の卵細胞から偽受精胚珠を発生させる工程と、(2)偽受精胚珠のなかから半数性胚を含む胚珠を選択し、培養して、半数体を取得する工程を含んでいる。
偽受精胚珠培養法を適用した作物として、トマト(特許文献1及び2)や、メロン(非特許文献1及び2)が知られている。
トマトについては、発芽能力を有する胚珠のサイズが特定範囲内にあることが知られている(非特許文献4)。
また、メロンにおいて、偽受精胚珠のなかには半数性ではない胚(二倍性胚等)が混在していることが知られている(非特許文献2)。
その他、柑橘類ヒュウガナツについて、花粉へのX線の照射線量が高くなると受粉後の着果率が低下することが報告されている(非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-322410号公報
特開2013-74892号公報
【非特許文献】
【0004】
愛知農総試研報34:61-66(2002)
静岡県農業試験場研究報告44:1-12(1999)
園学研.15(3):275-282.2016.
Japan. J. Breed. 38:1-9 (1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二倍性胚等の混入という制約がある偽受精胚珠培養法では、目的の半数体を作出するために、通常、不活化花粉の作成、受粉及び胚珠の培養等の作業を複数回実施する必要がある。
そこで、偽受精胚珠培養法を利用したトマト半数体の作出において、半数性胚を含む胚珠を効率的に取得する手段の提供を課題として設定した。
【0006】
前記の課題を鋭意検討したところ、本発明者は、花粉の不活化に用いるX線の線量及び偽受精胚珠のサイズと、半数性胚を含む偽受精胚珠の割合との間に特定の相関関係があることを見いだした。本発明は、この知見に基づいてなされたものである。本発明は、以下の態様を提供する。
〔1〕下記の工程1~3を含む、トマト半数体の作出方法。
1.トマト花粉親の花粉に、25~125GyのX線を照射して、不活化花粉を得る工程、
2.不活化花粉を、トマト種子親に受粉させる工程、及び
3.受粉後のトマト種子親から摘出した偽受精胚珠のなかから、下記の条件A、B又はCを満たすものを、トマト半数体の胚珠として選択する工程
TIFF
2024147203000001.tif
26
139
α:非不活化花粉を受粉させたトマト種子親から摘出した受精胚珠の長径
β:偽受精胚珠の長径
〔2〕工程3において、条件Bを満たす偽受精胚珠を選択する、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕工程3を、受粉から2~4週間後のトマト種子親から摘出した偽受精胚珠を用いて行なう、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕下記の工程4を更に含む、前記〔1〕に記載の方法。
4.工程3で選択した胚珠を生育する工程
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、半数性胚を含む胚珠を効率的に取得できる。したがって、本発明は、トマト育種の効率化や育種期間の短縮化をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施例で評価した種子親の葉(図1A)及び群3(X線の照射線量:25Gy)のカルス(図1B)の倍数性の判別結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔工程1〕
工程1では、トマト花粉親の花粉にX線を照射して、不活化花粉を作成する。
花粉親としては、任意の種類のトマトを使用できる。トマトの例としては、ソラナム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum)、ソラナム・セラシフォルメ(Solanum cerasiforme; Lycopersicon cerasiformeとも称される)、ソラナム・ピムピネリフォリウム(Solanum pimpinellifolium; Lycopersicon pimpinellifoliumとも称される)、ソラナム・チーズマニイ(Solanum cheesmanii; Lycopersicon cheesmaniiとも称される)、ソラナム・パルビフロルム(Solanum parviflorum; Lycopersicon parviflorumとも称される)、ソラナム・クミエレウスキィ(Solanum chmielewskii; Lycopersicon chmielewskiiとも称される)、ソラナム・ヒルストゥム(Solanum hirsutum; Lycopersicon hirsutumとも称される)、ソラナム・ペンネリィ(Solanum Lycopersicon pennelliiとも称される)、ソラナム・ペルビアヌム(Solanum pennellii; Lycopersicon peruvianumとも称される)、ソラナム・チレンセ(Solanum chilense; Lycopersicon chilenseとも称される)、ソラナム・リコペルシコイデス(Solanum lycopersicoides)及びソラナム・ハブロカイネス(Solanum habrochaites)等に属するトマト系統・品種又はそれらの派生株が挙げられる。
【0010】
X線は、花粉における吸収線量が25~125Gy、好ましくは50~100Gyとなるように照射する。
X線の波長は特に制限されないが、好ましくは約0.1~50nmの範囲である。
照射方法は特に制限されず、公知の方法を使用できる。例えば、花粉を内包する成熟した葯を含む花を丸ごと花粉親から採取し、これにX線を照射できる。
花粉の採取方法も特に制限されず、公知の方法を使用できる。例えば、X線照射後に葯を切開して不活化花粉を採取できる。
(【0011】以降は省略されています)

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