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公開番号
2024145780
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-15
出願番号
2023058275
出願日
2023-03-31
発明の名称
イソプロパノールを生成する組換え好熱性細菌及びそれを用いたイソプロパノールの製造方法
出願人
国立大学法人広島大学
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
15/53 20060101AFI20241004BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】微生物発酵によって、糖、CO又はCO
2
といった炭素源を基質としてイソプロパノールを高効率で得られるようにする。
【解決手段】イソプロパノールを生成する組換え好熱性細菌は、炭素源から中間体としてのアセチル‐CoAを経て酢酸を生成する代謝経路を有する好熱性酢酸生成菌由来であって、遺伝子工学的手法によりアセチル‐CoAから酢酸を生成するまでの代謝経路に関わる酵素の一部が欠損され、アセチル‐CoAからアセトアセチル‐CoAを生成する縮合反応を触媒する外来の耐熱性酵素、アセトアセチル‐CoAと酢酸とからアセト酢酸を生成する反応を触媒する外来の耐熱性酵素、アセト酢酸からアセトンを生成する脱炭酸反応を触媒する外来の耐熱性酵素、及びアセトンからイソプロパノールを生成する還元反応を触媒する外来の耐熱性酵素を発現する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
炭素源から中間体としてのアセチル‐CoAを経て酢酸を生成する代謝経路を有する好熱性酢酸生成菌由来の組換え細菌であって、
遺伝子工学的手法によりアセチル‐CoAから酢酸を生成するまでの代謝経路に関わる酵素の一部が欠損され、
アセチル‐CoAからアセトアセチル‐CoAを生成する縮合反応を触媒する外来の耐熱性酵素、アセトアセチル‐CoAと酢酸とからアセト酢酸を生成する反応を触媒する外来の耐熱性酵素、アセト酢酸からアセトンを生成する脱炭酸反応を触媒する外来の耐熱性酵素、及びアセトンからイソプロパノールを生成する還元反応を触媒する外来の耐熱性酵素を発現することを特徴とするイソプロパノールを生成する組換え好熱性細菌。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記好熱性酢酸生成菌は、モーレラ(Moorella)属細菌であることを特徴とする請求項1に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項3】
アセチル‐CoAを基質としてアセチルリン酸を生成する酵素の一部が欠損されていることを特徴とする請求項1に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項4】
ホスホアセチルトランスフェラーゼであるPduL1又はPduL2が欠損されていることを特徴とする請求項3に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項5】
前記アセトンを基質としてイソプロパノールを生成する外来の耐熱性酵素は、Thermoanaerobacter pseudethanolicus由来の2級アルコールデヒドロゲナーゼであることを特徴
とする請求項1に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項6】
前記アセチル‐CoAを基質としてアセトアセチル‐CoAを生成する外来の耐熱性酵素は、Caldanaerobacter subterraneus subsp. tengcongensis由来のチオラーゼであり、前記アセトアセチル‐CoAを基質としてアセト酢酸を生成する外来の耐熱性酵素は、Thermosipho melanesiensis由来のCoAトランスフェラーゼであり、前記アセト酢酸を基
質としてアセトンを生成する外来の耐熱性酵素は、Clostridium acetobutylicum由来のアセト酢酸デカルボキシラーゼであり、及び前記アセトンを基質としてイソプロパノールを生成する外来の耐熱性酵素は、Thermoanaerobacter pseudethanolicus由来の2級アルコ
ールデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項1に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項7】
受領番号NITE AP-03838として寄託された請求項1に記載の組換え好熱性細菌。
【請求項8】
糖、CO及びCO
2
の少なくとも一つの存在下で請求項1~7のいずれか1項に記載の組換え好熱性細菌を培養してイソプロパノールを生成させるステップを備えていることを特徴とするイソプロパノールの製造方法。
【請求項9】
生成されたイソプロパノールを回収するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のイソプロパノールの製造方法。
【請求項10】
前記イソプロパノールを生成させるステップにおいて、糖、CO及びCO
2
の少なくとも一つに加えてさらにH
2
及びジメチルスルホキシドの少なくとも一方が存在する条件下で前記組換え好熱性細菌を培養することを特徴とする請求項8に記載のイソプロパノールの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソプロパノールを生成する組換え好熱性細菌及びそれを用いたイソプロパノールの製造方法に関し、特に遺伝子工学的手法により代謝経路が改変された好熱性酢酸生成菌及びそれを用いたイソプロパノールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
これまで人類は石炭や石油等の化石燃料を消費することによって様々な材料を合成し、この材料を利用することで産業を発達させてきた。しかし、このような化石燃料は限りある資源であるから、枯渇が懸念されており、上記材料の代替製法の開発が急務となっている。そこで、上記材料の代替製法の一つとして、遺伝子組換え微生物を利用して、炭素源から有用物質を生成する技術が提示されている。
【0003】
例えば、イソプロパノール(以下「IPA」ともいう)は溶媒や殺菌剤として用いられる他、ポリプロピレンやアクリル酸製造の原料としても用いられている有用物質である。現在、イソプロパノールの生産は石油化学工業に依存しており、具体的には石油から得られるプロピレンを加水分解することによりイソプロパノールを得ている。しかし、将来的な化石燃料の枯渇が懸念されることから、石油化学工業に依存しない代替製法が強く望まれている。
【0004】
例えば、特許文献1には、遺伝子組換え酵母を利用して、糖の炭素源からイソプロパノールを生成する方法が開示されている。なお、特許文献1において、糖はグルコースが用いられている。
【0005】
また、上述のとおり、人類は化石燃料の消費によって産業を発達させてきたのだが、これにより二酸化炭素(CO
2
)を排出し、地球温暖化等の環境問題を引き起こすことが懸念されている。このような環境問題に対する有効な対策の一つとして、CO
2
を固定し再利用することでCO
2
を削減する方法が挙げられる。さらには、固定したCO
2
をエネルギーや材料として利用することがより望ましい。近年では、廃棄物を合成ガス(水素(H
2
)、一酸化炭素(CO)を主成分としCO
2
等も含まれるガス)化した上で炭素源として利用する技術が発展してきており、再生可能エネルギーとしてH
2
の利用も進展してきている。その中でも、これらのガスを原料として用いた微生物発酵により有用物質を生成する種々の技術が開発されている。
【0006】
例えば、非特許文献1には、遺伝子組換え細菌を利用して、合成ガスからイソプロパノールを生成する技術が提示されており、微生物発酵によるCO
2
の固定化技術が開示されている。なお、非特許文献1において、細菌は、至適生育温度が30℃~40℃である中温菌が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2011/142027号
特開2021-185862号公報
【非特許文献】
【0008】
Liew, F. E., Nogle, R., Abdalla, T., Rasor, B. J., Canter, C., Jensen, R. O., et al. (2022). Carbon-negative production of acetone and isopropanol by gas fermentation at industrial pilot scale. Nat. Biotechnol. 40, 335-344.
K. Inokuma, J. C. Liao, M. Okamoto and T. Hanai : J. Biosci.Bioeng., 110, 696 (2010).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の特許文献1に開示された酵母は至適生育温度が35℃~38℃程度であり、非特許文献1に開示された中温菌は上記の通り至適生育温度が30℃~40℃である。従って、原料としてこれらの温度範囲を超える高温ガスを用いると、酵素の活性が低くなり、また当該酵素が失活してしまうおそれもあるため、原料として高温ガスを用いることは難しい。また、多くの汚染微生物が、特許文献1に開示された酵母や非特許文献1に開示された中温菌と同等の至適生育温度を有しており、培養の際にコンタミネーションを引き起こすおそれがある。その場合、当該コンタミネーションした微生物も同時に生育されるため、イソプロパノールの生成効率が低下する他、イソプロパノール以外の副生成物が生じるおそれもある。以上の内容から、未だ更に生成効率が高い微生物発酵によるイソプロパノールの製造方法と共に、その方法を可能とするための微生物が求められている。
【0010】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、微生物発酵によって、糖、CO又はCO
2
といった炭素源を原料としてイソプロパノールを高効率で得られるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
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