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公開番号2025002639
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102953
出願日2023-06-23
発明の名称インプラント周囲疾患を治療又は予防するための医薬組成物及びインプラント体
出願人国立大学法人広島大学
代理人個人,個人
主分類A61K 38/17 20060101AFI20241226BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】インプラント体周囲の炎症を消退させるのみならず、インプラント体周囲の骨を再生させ、インプラント体と顎骨との結合を促進し、審美性を改善させることができるインプラント周囲疾患の治療を提供できるようにする。
【解決手段】本開示に係る医薬組成物は、インプラント周囲疾患を治療又は予防するための医薬組成物であり、脳由来神経栄養因子(BDNF)を含む。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
脳由来神経栄養因子を含むことを特徴とする、インプラント周囲疾患を治療又は予防するための医薬組成物。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
デブライドメントが施されたインプラント体に適用するための請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記インプラント体の埋入時に適用される請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記インプラント周囲疾患は、インプラント周囲炎である請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ヒアルロン酸を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
脳由来神経栄養因子を含むコーティング層を有することを特徴とする、インプラント周囲疾患を治療又は予防するためのインプラント体。
【請求項7】
オッセオインテグレーションの促進のための請求項6に記載のインプラント体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント周囲疾患を治療又は予防するための医薬組成物及びインプラント体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、歯を喪失した際に歯を補う治療法の一つとして歯科インプラント治療が知られている。これは、純チタンやチタン合金製でネジ状に構成されたインプラント体(人工歯根)を、歯が欠損した部位における顎骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法である。この治療法は、可撤性義歯(入れ歯)等の治療法に比べ、周囲の歯を削る必要が無く、審美的にも優れているため、健康保険適応外の治療ながら近年急速に普及している。その一方で、インプラント周囲炎等のインプラント周囲疾患が問題になってきている。インプラント周囲炎の罹患率は、患者全体の28~56%、インプラント総本数の12~40%であり、非常に高い頻度で発症している(例えば非特許文献1等を参照)。インプラント周囲炎は、Porphyromonas gingivalisやTannerella forsythia等を含む多くの細菌との関連が認められており(例えば非特許文献2等を参照)、これらの細菌が感染することで、インプラント体を支持する周囲組織に炎症が生じ、最終的に骨が吸収される慢性炎症である。インプラント周囲炎に罹患すると、インプラント体の動揺や粘膜退縮等の症状が出現し、咀嚼障害や審美障害を生じる。最悪の場合、埋入したインプラント体の除去手術が必要となる。以上のことから、インプラント周囲炎の治療成績を向上させることは重要な課題である。
【0003】
これまで、インプラント周囲炎の治療としては、インプラント体の表面におけるバイオフィルム状の細菌塊等を除去し、炎症を消退させる処置であるデブライドメントが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2005/025605号
【非特許文献】
【0005】
J Clin Periodontol.2008;35(8Suppl):p282-285
J Periodontal Res.2016;51(6):p689-698
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のデブライドメントによる治療法では、炎症を消退させることはできるが、吸収された骨は再生せず、インプラント体の支持や審美性を改善することはできない。したがって、インプラント体周囲の骨を再生させること、すなわちインプラント体と顎骨の結合(オッセオインテグレーション)を回復させることが理想的な治療ではあるが、現状ではオッセオインテグレーションを回復させる確実性の高い治療法はない。
【0007】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インプラント体周囲の炎症を消退させるのみならず、インプラント体周囲の骨を再生させ、インプラント体と顎骨との結合を促進し、インプラント体の支持と審美性を改善させることができるインプラント周囲疾患の治療を提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明者らは、鋭意研究の結果、インプラント体の周囲に脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor:BDNF)を適用することによって、インプラント体周囲骨の再生およびオッセオインテグレーションの再構築を促進できることを見出して本発明を完成した。
【0009】
本発明に係る医薬組成物は、インプラント周囲疾患を治療又は予防するためのものであり、BDNFを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る医薬組成物によると、BDNFを含んでおり、BDNFが間葉系幹細胞の増殖及び骨芽細胞への分化を促進し、これによってインプラント体周囲の骨再生を促進することができる。また、BDNFによって上皮細胞の増殖を抑制でき、これによって上皮細胞によるインプラント体表面の被覆を抑制することができるため、上皮等の除去のための外科的手段を必要とせずにインプラント体周囲に組織再生のための細胞を誘導でき、組織再生を促進できる。これらによって、インプラント周囲疾患を効果的に治療又は予防することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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