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公開番号2024178940
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-25
出願番号2024095303
出願日2024-06-12
発明の名称遺伝子発現抑制剤及び該遺伝子発現抑制用組成物
出願人アース製薬株式会社,国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類A61K 31/195 20060101AFI20241218BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、グリチルリチン酸及びトラネキサム酸のうちの少なくとも1種からなる、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制剤に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)グリチルリチン酸及び(B)トラネキサム酸のうちの少なくとも1種からなる、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制剤。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
(A)グリチルリチン酸及び(B)トラネキサム酸のうちの少なくとも1種を有効成分として含有する、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制用組成物。
【請求項3】
請求項1に記載のArid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制剤を含む、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現に起因する疾病の予防用及び治療用の少なくとも一方である組成物。
【請求項4】
前記Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現に起因する疾病が口内炎である、請求項3に記載のArid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現に起因する疾病の予防用及び治療用の少なくとも一方である組成物。
【請求項5】
(A)グリチルリチン酸及び(B)トラネキサム酸のうちの少なくとも1種からなる、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択される2つ以上の遺伝子発現抑制剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制剤、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現抑制用組成物、Arid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択されるいずれか1つの遺伝子発現に起因する疾病の予防用及び治療用の少なくとも一方である組成物、並びにArid5a遺伝子、Rac2遺伝子、Clic4遺伝子、ケラチン遺伝子ファミリー及びEps15遺伝子からなる群より選択される2つ以上の遺伝子発現抑制剤に関する。
続きを表示(約 6,100 文字)【背景技術】
【0002】
AT-rich interactive domain-containing protein 5A(以下、「Arid5a」とも称する)は、炎症性サイトカインの1つであるInterleukin-6(以下、「IL-6」とも称する)等のmRNAに結合するタンパク質である。Arid5aが存在しない状態では、IL-6 mRNAは、生成されてもリボヌクレアーゼであるRegnase-1により速やかに分解されるが、Arid5a存在下ではArid5aがIL-6 mRNAの3’ Untranslated Region(UTR:非翻訳領域)に結合することにより、IL-6 mRNAをRegnase-1の分解から保護するため、IL-6の異常産生が生じ、自己免疫疾患の促進や炎症の増悪につながることが示唆されている(非特許文献1)。
【0003】
Rac Family Small GTPase 2(以下、「Rac2」とも称する)は、Nitric Oxide Synthase 2(一酸化窒素合成酵素2;以下、「NOS2」とも称する)と相互作用し、NOS2を活性化させるタンパク質である。NOS2は、炎症等を増悪させる一酸化窒素合成に関与していることが知られている(非特許文献2)。
【0004】
Chloride intracellular channel 4(以下、「Clic4」とも称する)は、インテグリン輸送、細胞接着、液胞形成等、多様なアクチン依存性プロセスに関与している細胞質タンパク質である。ケラチノサイトでは、Clic4の発現増加は、Ca
2+
による分化、DNA損傷、p53やTumor necrosis factor-α(TNF-α)の発現上昇と関連している(非特許文献3、4、5)。Clic4は細胞質に存在するだけでなく、ミトコンドリア内膜の成分でもあり、Clic4の発現レベルの維持はケラチノサイトの生存に必須である(非特許文献4)。実際、Clic4の僅かな発現上昇が、ケラチノサイトへの分化を著しく増加することが報告されている(非特許文献6)。
【0005】
上皮細胞骨格の主要構成要素であるケラチンは、ケラチノサイトの構造的安定性に寄与する。これまでに54種類以上の哺乳類ケラチンが同定され、それらはpHに基づき、酸性のType Iケラチンと中性・塩基性のType IIケラチンに大別される(非特許文献7、8、9)。ケラチンはType IとType IIからなるヘテロダイマーを形成し、それらがさらに集まり細胞骨格線維の一つである中間系フィラメントを構築する。
【0006】
ケラチンには、以下のように複数の種類が存在する。例えばKeratin 1、5、14、16及び17が挙げられる。
Keratin 1(以下、「Krt1」とも称する)は、ケラチノサイトの分化マーカーである(非特許文献10、11)。Krt1はKeratin 10と共に産生される(非特許文献12)。
Keratin 5(以下、「Krt5」とも称する)は56kDaの分子量と7.4の等電点を持つ(非特許文献7)。基底細胞の一次Keratinとして、Keratin 14(以下、「Krt14」とも称する)とともに産生される(非特許文献13)。Krt5は、層状上皮の分裂活性の高い基底細胞で産生される。Krt5の産生は、上皮細胞の分裂活性と相関するが、上皮細胞の分化や上皮の層別化とは相関しない(非特許文献14)。
Krt14は、ヒトでは50kDaの分子量で、その等電点は5.3である(非特許文献7、15)。Krt14の発現は層状上皮の基底細胞の分裂活性及び多能性の程度と相関する(非特許文献16)。
Keratin 16(以下、「Krt16」とも称する)は分子量が46kDaで、等電点は5.1である(非特許文献7)。Krt16は基底細胞と上基底細胞の間の細胞分化の中間状態にあると推定される細胞のマーカーであり、細胞運動や有糸分裂に必要な柔軟性を持たせることで十分な構造安定性を提供している(非特許文献17)。Krt16及びその基本パートナーであるKeratin 6は、ケラチノサイトの活性化状態のマーカーであり、移動、細胞外マトリックスの生成、過形成に寄与する(非特許文献18)。
Keratin 17(以下、「Krt17」とも称する)は48kDaの分子量を持ち、等電点は5.1である(非特許文献19)。Krt17は、創傷治癒と発生過程に関与する(非特許文献19)。Krt17はKrt6と同時に発現し、Krt6とヘテロダイマーを形成するが、Krt5やKeratin 8と結合することもある(非特許文献19)。
【0007】
Epidermal growth factor receptor pathway substrate clone 15(以下、「Eps15」とも称する)は、上皮成長因子の受容体媒介エンドサイトーシスに寄与することが知られている(非特許文献23)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、Arid5aは炎症の増悪につながる。Arid5aをコードする遺伝子(以下、「Arid5a遺伝子」とも称する)の発現を制御する手段を確立することは、Arid5a遺伝子発現に起因する疾病の予防及び/又は治療において非常に有意義である。
【0010】
また、Rac2は、腎臓等の炎症を引き起こす。Rac2をコードする遺伝子(以下、「Rac2遺伝子」とも称する)の発現を制御する手段を確立することは、Rac2遺伝子発現に起因する疾病の予防及び/又は治療において非常に有意義である。
(【0011】以降は省略されています)

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