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公開番号2025044144
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-01
出願番号2024150066
出願日2024-08-30
発明の名称水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア及びホウ素ナノキャリア複合体
出願人国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類A61K 31/69 20060101AFI20250325BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ホウ素中性子捕捉療法によって原発巣を治療するだけでなく、免疫賦活によって転移巣をも治療可能なホウ素ナノキャリアを提供する。
【解決手段】免疫チェックポイント阻害剤として使用される水溶性タンパク質を内包可能であるとともに、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を適用可能な、水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリアであって、シス-ジオール基を有する多糖が、そのジオール基において、免疫チェックポイント阻害剤として使用されるボロン酸化合物で修飾された下記式(I)で表される水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。式(I)中、R1はボロン酸化合物由来の構造を示し、R2及びR3は多糖由来の構造を示す。
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
免疫チェックポイント阻害剤として使用される水溶性タンパク質を内包可能であるとともに、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を適用可能な、水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリアであって、
シス-ジオール基を有する多糖が、そのジオール基において、免疫チェックポイント阻害剤として使用されるボロン酸化合物で修飾された下記式(I)で表される水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。
JPEG
2025044144000004.jpg
23
169
[式(I)中、R

はボロン酸化合物由来の構造を示し、R

及びR

は多糖由来の構造を示す。]
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
前記多糖は、デキストラン、デキストリン、グリコーゲン、セルロース、酸化セルロース、タマリンドガム、マンナン、グルカン、β-グルカンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。
【請求項3】
前記多糖は、デキストラン、デキストリン又はそれらの誘導体であり、直鎖構造又は分岐構造を有する請求項1に記載の水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。
【請求項4】
前記ボロン酸化合物は、ボロノフェニルアラニン、ボルテゾミブ、イキサゾミブ、タバボロール、クリサボロール、バボルバクタム、ボロファランからなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。
【請求項5】
前記ボロン酸化合物は、ボロノフェニルアラニン又はボルテゾミブである請求項3に記載の水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のホウ素ナノキャリアに免疫チェックポイント阻害剤としての水溶性タンパク質を内包させたホウ素ナノキャリア複合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリア及びホウ素ナノキャリア複合体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
分子生物学の発展に伴って、任意のタンパク質を試験管内でデザイン、合成できる時代となって久しく、その技術を利用したタンパク質医薬品の開発が加速している。なかでも、抗体医薬品はがんをはじめとした疾患治療に有効性が示されており、その開発競争は熾烈である。これらタンパク質医薬品の奏効率の向上においては標的部位へと送達性を向上させる送達システムの開発が重要となる。
【0003】
従来、抗体医薬品は一般的なタンパク質医薬品と比較して、長い血中滞留性を示すことから、腫瘍組織への送達性にも優れているものの、機能を目的の部位のみで発現させることが困難とされてきた。中には腫瘍環境のATPと結合することで抗体のコンフォメーション変化を誘導し、対象物に親和性を示す抗体などの設計がなされてきたものの、その技術は発展途上にある。
【0004】
ところで、近年、細胞内へタンパク質を運ぶためのキャリアとしてホウ素化合物が注目されている。例えば、非特許文献1には、フルクトース修飾ポリ(エチレングリコール)-ポリ(L-リジン)ブロックコポリマーとp-ボロノフェニルアラニンで構成される複合体によるホウ素送達システムが開示されている。この複合体は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に用いられる。また、非特許文献2には、タンパク質送達システムとして、デンドリマーを主体として用いたホウ素化合物が記載されている。
【0005】
ホウ素中性子捕捉療法とは、ホウ素化合物をガン細胞に取り込ませ、中性子線を照射して局所的にガン細胞を破壊する治療法である。この治療法において、ホウ素化合物を腫瘍内に選択的に蓄積させることが重要となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
T.Nomoto et al., J.Control.Release,332(2021)184-193
Q.Ren et al., Adv.Healthcare Mater.2023,12,2202049
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載のホウ素化合物は、ミセルタイプのナノ粒子を形成しており、ポリマーが高度に集積している。そのため、その内部にタンパク質を安定に保持し、放出制御をすることが困難である。また、非特許文献2に記載のホウ素化合物は、構造上の安定性は高いものの、タンパク質を安定な状態で、かつ、ポリマーで覆って分解酵素耐性を付与した状態で複合化することが困難である。
【0008】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ホウ素中性子捕捉療法によって原発巣を治療するだけでなく、免疫賦活によって転移巣をも治療可能なホウ素ナノキャリアを提供することである。また、目的とする組織への水溶性タンパク質の送達性の向上、薬剤としての副作用の低減、及び、外部刺激によって水溶性タンパク質を放出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の発明者らは、例えば、抗原や抗体等の水溶性タンパク質をその内部に安定に複合化し、外部刺激に応答することで放出し得るホウ素ナノキャリアを開発した。
【0010】
本開示は、免疫チェックポイント阻害剤として使用される水溶性タンパク質を内包可能であるとともに、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を適用可能な、水溶性タンパク質内包用のホウ素ナノキャリアに係る。このホウ素ナノキャリアは、シス-ジオール基を有する多糖が、そのジオール基において、免疫チェックポイント阻害剤として使用可能なボロン酸化合物で修飾された構造を有し、下記式(I)で表される。
(【0011】以降は省略されています)

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