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公開番号2024162156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077438
出願日2023-05-09
発明の名称薬物性歯肉増殖症治療剤
出願人国立大学法人広島大学
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類A61K 31/12 20060101AFI20241114BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】薬物性歯肉増殖症に対して優れた治療効果を発揮する薬剤を提供する。
【解決手段】ジンゲロール誘導体、テトラヒドロクルクミン、およびパラドール等の化合物又はその塩を有効成分とするNR4A1発現促進剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)若しくは(1’):
TIFF
2024162156000003.tif
46
166
〔式中、Xは下記のX1~X5:
TIFF
2024162156000004.tif
53
166
から選ばれる基を示す。〕
で表される化合物又はその塩を有効成分とするNR4A1発現促進剤。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
下記式(1)若しくは(1’):
TIFF
2024162156000005.tif
45
168
〔式中、Xは下記のX1~X5:
TIFF
2024162156000006.tif
54
167
から選ばれる基を示す。〕
で表される化合物又はその塩を有効成分とする薬物性歯肉増殖症治療剤。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物性歯肉増殖症治療剤に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
薬物性歯肉増殖症は、抗てんかん薬、カルシウム拮抗薬又は免疫抑制薬の副作用で、歯肉肥厚を特徴とする歯周疾患である。現時点では根本的な治療法がなく、内服している薬剤を変更するか、肥厚した歯肉を切除するしか方法がない。降圧剤のような複数の代替薬が存在する場合には、変更が可能な場合もあるが、抗てんかん薬や免疫抑制薬のような、変薬により原疾患の再発や臓器移植の拒絶反応などのリスクがあり容易に変更できない。降圧剤も、重度の急性心疾患や脳梗塞のような血管障害の患者では、厳格な血圧のコントロールが必要であり、降圧剤であったとしても容易に変更できるものではない。
したがって、変薬や歯肉切除術を必要としない治療法が望まれている。近年、ロバスタチンを用いた増殖症の治療効果の検証が報告されているが(非特許文献1)、臨床応用には至っていない。
【0003】
最近、本発明者らは、生体内リガンドが同定されていない核内受容体であるNR4A1(nuclear receptor subfamily 4 group A member 1)が薬物性歯肉増殖症に関連することを見出した。すなわち、薬剤が歯肉中のNR4A1の発現を抑制する結果、コラーゲン産生を抑制できず、歯肉が肥厚すること、また、NR4A1の発現を上昇させる化合物であるシトスポロンB(CsnB)の投与により、薬物性歯肉増殖症が改善させることを明らかにしている(非特許文献2)。
【0004】
さらに、本発明者らは、セリ科のトウキ(当帰)に含まれるブチリデンフタリド(BP)が歯肉線維芽細胞のNR4A1のmRNA及びタンパク質の発現を上昇させ、TGF-βに誘導されるコラーゲンの発現を減少させること、さらに、薬物性歯肉増殖症マウスモデルに投与することで、増殖症を治療できることを報告している(非特許文献3)。
【0005】
一方、6-gingerol等のジンゲロール類は、生姜に含まれる辛味成分で、これまでに抗炎症作用(非特許文献4)や、抗がん作用(非特許文献5)、神経変性疾患(非特許文献6)に対する薬理効果が報告されているが、薬物性歯肉増殖症に対する作用はこれまでに知られていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Assaggaf MA et al., Am J Pathol. 185(6):1588-99. 2015
Hatano S., Matsuda S. et al., FASEBJ. 35(7):e21693. 2021
第65回春季日本歯周病学会学術大会、令和4年6月2日、3日、京王プラザホテル、一般演題口演2「ブチリデンフタリドを用いた薬物性歯肉増殖症の治療効果の検証」
Yucel C et al., Front Pharmacol. 5;13:902551. 2022
Nafees S et al., Anticancer Agents Med Chem. 21(4):428-432. 2021
Arcusa R et al., Front Nutr. 18;9:809621. 2022
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、薬物性歯肉増殖症に対して優れた治療効果を発揮する薬剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記式(1)若しくは(1’)で示される化合物又はその塩が、NR4A1の発現を促進し、薬物性歯肉増殖症の治療に有用であることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の1)~2)に係るものである。
1)下記式(1)若しくは(1’)で表される化合物又はその塩を有効成分とするNR4A1発現促進剤。
2)下記式(1)で表される化合物又はその塩を有効成分とする薬物性歯肉増殖症治療剤。
【0010】
TIFF
2024162156000001.tif
44
165
〔式中、Xは下記のX1~X5:
TIFF
2024162156000002.tif
51
165
から選ばれる基を示す。〕
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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