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公開番号2024142055
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023054023
出願日2023-03-29
発明の名称ボルト交換方法および装置
出願人三菱重工業株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類G21C 13/02 20060101AFI20241003BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】ボルト交換方法および装置において、水中でのボルト交換作業の作業性の向上を図る。
【解決手段】水中に配置された第1構造物に第2構造物を締結したボルトを交換するボルト交換方法において、既設ボルトの回り止め部の除去と第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行うステップと、既設ボルトを抜き取るステップと、第2構造物に設けられたボルト貫通孔に回り止めキャップを取付けるステップと、新設ボルトを回り止めキャップおよびボルト貫通孔に貫通させて第1構造物に締結するステップと、回り止めキャップを変形させて新設ボルトと係止溝に係止するステップと、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
水中に配置された第1構造物に第2構造物を締結したボルトを交換するボルト交換方法において、
既設ボルトの回り止め部の除去と前記第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行うステップと、
前記既設ボルトを抜き取るステップと、
前記第2構造物に設けられたボルト貫通孔に回り止めキャップを取付けるステップと、
新設ボルトを前記回り止めキャップおよび前記ボルト貫通孔に貫通させて前記第1構造物に締結するステップと、
前記回り止めキャップを変形させて前記新設ボルトと前記係止溝に係止するステップと、
を有するボルト交換方法。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記放電加工により前記係止溝を複数加工する、
請求項1に記載のボルト交換方法。
【請求項3】
前記既設ボルトの回り止め部の除去と前記第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行うとき、前記ボルト貫通孔に対してざぐり穴拡大加工を行う、
請求項1に記載のボルト交換方法。
【請求項4】
前記放電加工により前記ボルト貫通孔の全周にわたってざぐり穴拡大加工を行う、
請求項3に記載のボルト交換方法。
【請求項5】
前記回り止めキャップは、円筒形状をなし、前記回り止めキャップにおける周方向の一部を内側に変形させて前記新設ボルトに係止し、前記回り止めキャップにおける周方向の一部を外側に変形させて前記係止溝に係止する、
請求項1に記載のボルト交換方法。
【請求項6】
前記新設ボルトは、頭部に切欠部を有し、前記回り止めキャップにおける周方向の一部を内側に変形させて前記切欠部に係止する、
請求項5に記載のボルト交換方法。
【請求項7】
前記第1構造物は、原子炉容器であり、前記第2構造物は、前記原子炉容器の内壁面に固定されるクレビスインサートである、
請求項1に記載のボルト交換方法。
【請求項8】
水中に配置された第1構造物に第2構造物を締結したボルトを交換するボルト交換装置において、
既設ボルトの回り止め部の除去と前記第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行う放電加工装置と、
前記既設ボルトを抜き取るボルト抜き取り装置と、
前記第2構造物に設けられたボルト貫通孔に回り止めキャップを取付けるキャップ取付装置と、
新設ボルトを前記回り止めキャップおよび前記ボルト貫通孔に貫通させて前記第1構造物に締結するボルト締結装置と、
前記回り止めキャップを変形させて前記新設ボルトと前記係止溝に係止する変形装置と、
を備えるボルト交換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水中にあるボルトを交換するボルト交換方法および装置に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
原子炉容器は、内部に炉心槽が配置され、炉心槽は、内部に複数の燃料集合体から構成される炉心が配置される。この場合、炉心槽は、下部が原子炉容器の内壁面に位置決めされ、上部が原子炉容器の内壁面に支持される。すなわち、原子炉容器は、内壁面にクレビスインサートが周方向に間隔を空けて固定され、炉心槽は、外壁面にラジアルキーが周方向に間隔を空けて固定される。炉心槽は、原子炉容器の上部から挿入され、ラジアルキーがクレビスインサートに嵌合することで、ラジアル方向の位置決めがなされる。このような原子炉容器に対する炉心槽に支持構造としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開昭62-140488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クレビスインサートは、原子炉容器の内壁面に複数のボルトにより固定される。複数のボルトは、クレビスインサートを原子炉容器の内壁面に固定し、溶接により回り止めが施されている。原子炉容器を長期間にわたって使用したとき、ボルトを交換する必要が発生することがある。この場合、原子炉容器は、内部に冷却水が充填され、放射線区域であることから、作業者は、遠隔でロボットを操作してボルト交換作業を行うこととなり、作業性の向上が望まれている。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、水中でのボルト交換作業の作業性の向上を図るボルト交換方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本開示のボルト交換方法は、水中に配置された第1構造物に第2構造物を締結したボルトを交換するボルト交換方法において、既設ボルトの回り止め部の除去と前記第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行うステップと、前記既設ボルトを抜き取るステップと、前記第2構造物に設けられたボルト貫通孔に回り止めキャップを取付けるステップと、新設ボルトを前記回り止めキャップおよび前記ボルト貫通孔に貫通させて前記第1構造物に締結するステップと、前記回り止めキャップを変形させて前記新設ボルトと前記係止溝に係止するステップと、を有する。
【0007】
また、本開示のボルト交換装置は、水中に配置された第1構造物に第2構造物を締結したボルトを交換するボルト交換装置において、既設ボルトの回り止め部の除去と前記第2構造物に対する係止溝の加工とを放電加工により同時に行う放電加工装置と、前記既設ボルトを抜き取るボルト抜き取り装置と、前記第2構造物に設けられたボルト貫通孔に回り止めキャップを取付けるキャップ取付装置と、新設ボルトを前記回り止めキャップおよび前記ボルト貫通孔に貫通させて前記第1構造物に締結するボルト締結装置と、前記回り止めキャップを変形させて前記新設ボルトと前記係止溝に係止する変形装置と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示のボルト交換方法および装置によれば、水中でのボルト交換作業の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、加圧水型原子炉を表す縦断面図である。
図2は、原子炉容器に対する炉心槽の位置決め部材を表す水平断面図である。
図3は、クレビスインサートを表す正面図である。
図4は、本実施形態のボルト交換方法を表すフローチャートである。
図5-1は、既設ボルトの締結状態を表す断面図である。
図5-2は、既設ボルトの締結状態を表す平面図である。
図6は、放電加工電極を表す概略図である。
図7-1は、既設ボルトの回り止め除去作業を表す断面図である。
図7-2は、既設ボルトの回り止め除去作業を表す平面図である。
図8は、放電加工電極の変形例を表す概略図である。
図9-1は、ざぐり穴の拡大加工作業を表す断面図である。
図9-2は、ざぐり穴の拡大加工作業を表す平面図である。
図10は、既設ボルトの抜き取り作業を表す断面図である。
図11-1は、既設ボルトの抜き取り後のねじ孔およびボルト貫通孔を表す断面図である。
図11-2は、既設ボルトの抜き取り後のねじ孔およびボルト貫通孔を表す平面図である。
図12-1は、回り止めキャップの取付作業を表す断面図である。
図12-2は、回り止めキャップの取付作業を表す平面図である。
図13は、新設ボルトの挿入作業を表す断面図である。
図14-1は、新設ボルトの締結作業を表す断面図である。
図14-2は、新設ボルトの締結作業を表す平面図である。
図15は、かしめ工具を表す概略図である。
図16-1は、回り止めキャップのかしめ作業を表す断面図である。
図16-2は、回り止めキャップのかしめ作業を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
(【0011】以降は省略されています)

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