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公開番号2024167561
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023083729
出願日2023-05-22
発明の名称原子力プラント
出願人個人
代理人
主分類G21C 13/00 20060101AFI20241127BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器において外殻の子午線鉄筋の密度が低下し外殻の構造強度が低下することを防止し外殻の子午線鉄筋の密度を増やし外殻の構造強度を強化できる基礎スラブの放射状鉄筋の構造を提供する。
【解決手段】実施形態による原子力プラントは、二重殻原子炉格納容器20の基礎スラブ26の内部に少なくとも一部が設けられ、前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され内殻基底部21aを貫通する内殻放射状鉄筋27と、前記基礎スラブ26の中心線を放射角の中心として放射状に多数配筋され外殻基底部22aを貫通する外殻放射状鉄筋28と、内殻基底部21aと外殻基底部22aの両方を貫通し内殻放射状鉄筋27の一部であり外殻放射状鉄筋28の一部でもある共通放射状鉄筋29と、を有し、外殻放射状鉄筋28の数は内殻放射状鉄筋27の数よりも多く、共通放射状鉄筋29の数は内殻放射状鉄筋27の数と外殻放射状鉄筋28の数の最大公約数であることを特徴とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
炉心と、
前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、を有する鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器と、
前記原子炉格納容器の外壁と、
前記原子炉格納容器内で前記原子炉圧力容器をRPVスカートを介して支えてその内部にペデスタルキャビティを形成する円筒状のペデスタルと、
前記ドライウェルと前記ウェットウェルの外部に設けられ前記ドライウェルとドライウェル共通部壁を介して隣接し前記ウェットウェルとウェットウェル共通部壁を介して隣接し前記ドライウェル共通部壁とウェットウェル共通部壁の周囲を完全に取り囲み前記ドライウェルおよび前記ウェットウェルと同等の耐圧性と気密性を有する鉄筋コンクリート製の外部ウェルと、
前記外部ウェルの外壁と、
前記原子炉格納容器と前記外部ウェルとからなり前記原子炉格納容器の外壁を第1の殻(内殻)とし前記外部ウェルの外壁を第2の殻(外殻)として有する鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器と、
前記外殻の内部に設けられた多数の外殻子午線鉄筋と、
前記二重殻原子炉格納容器の底部を構成し、前記ペデスタルとペデスタル基底部で接続し、前記第1の殻(内殻)と内殻基底部で接続し、前記第2の殻(外殻)と外殻基底部で接続し、前記ペデスタルの中心線から下降する直線を中心線とする鉄筋コンクリート製の基礎スラブと、
前記基礎スラブ内に少なくとも一部が設けられ前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に配筋され前記内殻基底部を貫通する多数の内殻放射状鉄筋と、
前記基礎スラブ内に少なくとも一部が設けられ前記基礎スラブの中心線を放射角の中心として放射状に配筋され前記外殻基底部を貫通する多数の外殻放射状鉄筋と、
前記内殻基底部と前記外殻基底部の両方を貫通し前記内殻放射状鉄筋の一部であり前記外殻放射状鉄筋の一部でもある共通放射状鉄筋と、
を備え、前記外殻放射状鉄筋の数は前記内殻放射状鉄筋の数よりも多く、前記共通放射状鉄筋の数は前記内殻放射状鉄筋の数と前記外殻放射状鉄筋の数の最大公約数に等しいことを特徴とする原子力プラント。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記内殻放射状鉄筋の数は320であり、前記外殻放射状鉄筋の数は480であり、前記共通放射状鉄筋の数は160であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項3】
前記内殻放射状鉄筋の数は320であり、前記外殻放射状鉄筋の数は448であり、前記共通放射状鉄筋の数は64であることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラント。
【請求項4】
前記内殻放射状鉄筋と前記外殻放射状鉄筋と前記共通放射状鉄筋とからなる放射状鉄筋群を異なる高さに平面図が同じになるように多重に設けたことを特徴とする請求項1から3に記載の原子力プラント。
【請求項5】
前記外殻は外殻上部と外殻底部とからなり、前記外殻上部と前記外殻底部の内径は等しく、nを任意の自然数として前記外殻子午線鉄筋の外殻底部内の半径方向の本数(段数)はn段だけ前記外殻子午線鉄筋の外殻上部内の半径方向の本数(段数)よりも多く、前記外殻底部の外径は前記外殻上部の外径よりも0.2n m以上大きい、ことを特徴とする請求項1から4に記載の原子力プラント。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート製の二重殻原子炉格納容器を有する原子力プラントに関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来の原子力プラントの鉄筋コンクリート製原子炉格納容器について図8から図17によりその概要を説明する。
【0003】
(図8:従来の第1の原子力プラントの説明)
図8は、従来の第1の原子力プラントの原子炉格納容器まわりの構成の例を示す立断面図である。図8において、炉心1は原子炉圧力容器2の内部に収納されている。原子炉圧力容器2は、原子炉格納容器3内に収納されている。原子炉格納容器3は円筒形状をしている(図9を参照。)。この原子炉格納容器3は新型BWR(ABWR)で採用されているものである。原子炉格納容器3は、鉄筋コンクリート製であり鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12とも呼ばれている。RCCV12の内面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。原子炉格納容器3(RCCV12)の底部には鉄筋コンクリート製の基礎スラブ13が設けられている。基礎スラブ13は原子炉格納容器3の一部を構成している。基礎スラブ13の上面には鋼製ライナー(図示せず)が張られている。基礎スラブ13の周囲には原子炉建屋(図示せず)の基礎マット64があり、基礎スラブ13は基礎マット64と接続している。基礎マット64も鉄筋コンクリート製である。
【0004】
原子炉格納容器3の内部は、原子炉圧力容器2を収納するドライウェル4と、ウェットウェル5とに区分けされており、ドライウェル4とウェットウェル5とは原子炉格納容器3の一部を構成する。ウェットウェル5は内部に圧力抑制プール6を形成している。圧力抑制プール6の上方にはウェットウェル気相部7が形成されている。ドライウェル4とウェットウェル5の外壁は一体化して原子炉格納容器3の外壁(円筒壁)3aを構成している(図9を参照)。円筒壁3aの内径は約29mである。円筒壁3aの厚さは約2mである。円筒壁3aは円筒壁基底部3bで基礎スラブ13に接続している(図11を参照)。ドライウェル4の天井部は平板になっておりこの部分をドライウェル4のトップスラブ4aと呼ぶ。
【0005】
原子炉圧力容器2は、RPVスカート62およびRPVサポート63を介して、円筒状のペデスタル61により支持されている。ペデスタル61は、鋼板とコンクリートの複合構造である。ドライウェル4のうち原子炉圧力容器2の下方であって、ペデスタル61の円筒状の壁により囲まれるペデスタル61の内側の空間を、ペデスタルキャビティ61aという。ABWRのRCCV12の場合はペデスタル61の円筒状の壁はウェットウェル5とドライウェル4の境界の壁を形成していて特にこの空間を下部ドライウェル61aと呼んでいる。ペデスタル61の中心線61cと原子炉格納容器3の中心線は同じで図2に示すように平面図では同心円状になっている。
【0006】
ABWRのRCCV12の場合はドライウェル4のRPVサポート62よりも上の空間を上部ドライウェル4cと呼んでいる。ウェットウェル5の天井は平板になっていて上部ドライウェル4cとの境界を形成している。この部分は上部ドライウェル4cの床を構成しておりダイアフラム床5bと呼んでいる。
【0007】
原子炉圧力容器2の上方に原子炉格納容器上蓋10が配置されている。原子炉格納容器上蓋10は鋼製で燃料交換時に取り外し可能な構造になっている。
【0008】
ドライウェル4と圧力抑制プール6はLOCAベント管8により連結されている。LOCAベント管8はたとえば10本など複数個設置されるが図8では2本のみを表示している(図9を参照)。LOCAベント管8は圧力抑制プール6のプール水に水没している部分に水平ベント管8aがありプール水中に開口している。RCCV12の場合は、水平ベント管8aは一つのLOCAベント管8に縦方向に3本設置されている。また、RCCV12の場合はLOCAベント管8はペデスタル61の円筒状の壁の内部を通って設置されている。そのためRCCV12の場合は、このペデスタル61の円筒状の壁をベント壁とも言う。ベント壁は厚さは約1.7mの鋼板コンクリート製で内側と外側の表面は鋼製である。LOCAベント管8とペデスタル61は原子炉格納容器3の一部を構成する。
【0009】
図8に示すように円筒壁3aの内部には垂直方向に子午線鉄筋14が配筋されている。子午線鉄筋14の直径は約0.051mである。子午線鉄筋は多数設けられているが図8では1本のみを示している。子午線鉄筋14の数が多いほど円筒壁3aの構造強度が大きくなる。本従来例では、子午線鉄筋14は半径方向に5段設けられていて各段には円周方向に最大320本設けられている。即ち、子午線鉄筋14の最大の本数は1600である(図12を参照)。最大と言っているのは必ずしもすべての個所に子午線鉄筋14を設けるわけでないからである。必要に応じて最大1600本設置可能ということである。
【0010】
図10および図11を参照して、従来の第1の原子力プラントの原子炉格納容器の鉄筋コンクリート製格納容器の基礎スラブの構成についてその概要を説明する。
(図10:RCCVの基礎スラブの説明)
図10は、従来の第1の原子力プラント(ABWR)の鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)12の基礎スラブ13の構成の例を示す平面図である。図10において、基礎マット64の内部に基礎スラブ13が設けられている。基礎スラブ13も鉄筋コンクリート製である。図10において、基礎スラブ13は円形で外径は約33mである。中心部にはペデスタル61(図8を参照)が接続されている。図10では幅約1.7mのペデスタル基底部61bのみを示す。ペデスタル61の中心線61cを基礎スラブ13内に延長した直線が基礎スラブ13の中心線13aになっている(図11を参照)。図10では中心線13cの位置を+で示している。外周部には厚さ約2mの鉄筋コンクリート製の円筒壁3a(図8を参照)が接続されている。図10では幅約2mの円筒壁基底部3bのみを示す。基礎スラブ13には少なくとも一部が基礎スラブ13内にあり基礎スラブ13の中心線13aを放射角の中心として放射状に延びて円筒壁基底部3bを貫通する多数本の放射状鉄筋16が配筋されている。図10では放射状鉄筋16を細線で示している。放射状鉄筋16の直径は約0.038mである。本従来例では、放射状鉄筋16の本数は320本である。320本の放射状鉄筋16は1.125度の均一の角度で配置されている。320本の放射状鉄筋16をすべて描くと多すぎて判別しにくくなるので、図10ではこのうち1/10の32本のみを示している。また、放射状鉄筋16の一部は本数を減じながらより中心線23aに近いところまで配筋されているが図10ではこの部分は表示していない。図10では放射状鉄筋16が320本配筋されている部分のみを表示している。放射状鉄筋16は円周方向に320本あり全体で放射状鉄筋群16aを構成している。
(【0011】以降は省略されています)

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