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公開番号2024141515
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053213
出願日2023-03-29
発明の名称流路切替システム、及び腹膜透析用医療装置
出願人テルモ株式会社
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類A61M 1/28 20060101AFI20241003BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】腹膜透析液を注液するための注液カセット及び腹膜透析液を排液するための排液カセットを一度の使用で廃棄することなく複数回に亘って連続的に使用することを可能にする流路切替システム、及び腹膜透析用医療装置を提供する。
【解決手段】流路切替システム10は、腹膜透析液を腹腔B内に注入するための第1ポンプ112を備える注液カセット100と、腹腔内から腹膜透析液を排液するための第2ポンプ212を備える排液カセット200と、注液カセット及び排液カセットの各々と接続される流路切替カセット300と、流路切替カセットが備える流路の閉鎖及び開放を制御するための流路切替ユニット400と、を有し、流路切替カセットは、腹膜透析液を流通させることが可能な第1流路310を有し、流路切替ユニットは、第1流路の開放及び閉鎖を選択的に切替可能な切替部425を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
腹膜透析液を腹腔内に注入するための第1ポンプを備える注液カセットと、
腹腔内から腹膜透析液を排液するための第2ポンプを備える排液カセットと、
前記注液カセット及び前記排液カセットの各々と接続される流路切替カセットと、
前記流路切替カセットが備える流路の閉鎖及び開放を制御するための流路切替ユニットと、を有し、
前記流路切替カセットは、
腹膜透析液を流通させることが可能な第1流路を有し、
前記流路切替ユニットは、
前記第1流路の開放及び閉鎖を選択的に切替可能な切替部を有する、流路切替システム。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記流路切替カセットは、
腹膜透析液を保持する透析液バッグから腹膜透析液を受け入れるための複数の第1ポートと、
前記注液カセットへ腹膜透析液を送液するための第2ポートと、を有し、
前記第1流路は、
前記複数の第1ポートの各々が配置された位置と対応した位置において分岐する複数の分岐流路と、
前記複数の分岐流路が合流するとともに、前記複数の第1ポートと前記第2ポートとの間を繋ぐ合流路と、を有し、
前記流路切替ユニットの前記切替部は、前記複数の分岐流路の各々と対応する位置に配置された複数のクランプ部を有し、
前記流路切替ユニットは、前記複数の分岐流路に配置された前記複数のクランプ部の各々による前記第1流路の閉鎖及び開放を個別に制御することができるように構成されている、請求項1に記載の流路切替システム。
【請求項3】
前記流路切替カセットは、
前記注液カセットから送液される腹膜透析液を受け入れるための第3ポートと、
腹腔内との間における腹膜透析液の流通を可能にする第4ポートと、
前記排液カセットへ腹膜透析液を送液するための第5ポートと、
前記排液カセットから送液される腹膜透析液を受け入れるための第6ポートと、
使用済みの腹膜透析液を排液バッグへ送液するための第7ポートと、を有し、
前記第1流路は、前記第3ポートから前記第6ポートとの間を連通するように形成されており、
前記流路切替カセットの前記切替部は、前記第1流路において前記第3ポートから前記第6ポートの各々に繋がる所定の位置に配置された複数のクランプ部をさらに有し、
前記流路切替ユニットは、前記複数のクランプ部の各々による前記第1流路の閉鎖及び開放を個別に制御することにより、前記注液カセット、前記排液カセット、及び前記排液バッグとの間における腹膜透析液の流通を制御することができるように構成されている、請求項2に記載の流路切替システム。
【請求項4】
前記注液カセットは、
腹膜透析液が流通可能な注液流路と、
前記流路切替カセットから腹膜透析液を受け入れるための注液側第1ポートと、
腹膜透析液を前記流路切替カセットへ送液するための注液側第2ポートと、を有し、
前記排液カセットは、
腹膜透析液が流通可能な排液流路と、
前記流路切替カセットから腹膜透析液を受け入れるための排液側第1ポートと、
腹膜透析液を前記流路切替カセットへ送液するための排液側第2ポートと、を有する、請求項3に記載の流路切替システム。
【請求項5】
前記流路切替カセットは、
前記流路切替カセット内に配置された前記第1流路を構成するチューブと、
前記チューブが設置された筐体と、を有し、
前記流路切替ユニットは、
前記筐体と機械的に接続可能に構成された本体部と、
前記本体部に配置され、前記流路切替カセット内に配置された前記チューブの押圧及び押圧の解除に伴って前記チューブの開放及び閉鎖を切り替えることが可能に構成された前記切替部と、を有する、請求項1に記載の流路切替システム。
【請求項6】
前記流路切替ユニットは、ユーザーから入力された指示に基づいて前記切替部の動作制御を行う制御部を有する、請求項1に記載の流路切替システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の流路切替システムと、
前記注液カセット及び前記排液カセットが装着可能に構成された腹膜透析装置と、を有する腹膜透析用医療装置であって、
前記腹膜透析装置は、前記注液カセット内に流入した腹膜透析液を加温するヒーターを有する、腹膜透析用医療装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、流路切替システム、及び腹膜透析用医療装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、自宅等で患者自身が腹膜透析を行えるように構成された腹膜透析装置が知られている。例えば、特許文献1には、腹膜透析液を送液するためのポンプ及び腹膜透析液を所望の温度に加温するための加温部(加温チューブ)を備えるカセットと、カセットを装着可能な装置本体と、を備える腹膜透析装置が開示されている。
【0003】
上記のカセットは、腹膜透析液を流通させるための流路を備える。また、上記の装置本体は、流路の閉鎖及び開放を制御するためのクランプ部を備える。腹膜透析装置は、カセットが装置本体に装着された状態において、流路の各部に対応するように配置されたクランプ部を動作させることにより、使用前の未注入の腹膜透析液を患者の身体へ注液することを可能にするための流路の区画と、患者から排液された使用済みの腹膜透析を排液バッグへ排液するための流路の区画を切り替えることが可能な構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-182255号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の腹膜透析装置のように、1つのカセットの内部に未注入の腹膜透析液が流通可能な流路と使用済みの腹膜透析液が流通可能な流路を任意のタイミングで切り替えて区画することが可能な構成を備える場合、使用するカセットの個数を削減することができるため、腹膜透析に要するコストの削減等を図り得ると考えられる。
【0006】
しかしながら、カセットの内部に形成された流路中に、未注入の腹膜透析液と使用済みの腹膜透析液の各々が流れるような共用部分が存在すると、患者の身体への腹膜透析液の注入と患者の身体からの腹膜透析液の排液とを繰り返し行うような場合に、未注入の腹膜透析液中に使用済みの腹膜透析液が混入し、未注入の腹膜透析液の汚染が生じる可能性がある。そのため、特許文献1の腹膜透析装置を使用する場合、腹膜透析液の注液及び排液を実施する都度、カセットを廃棄することで細菌の感染リスクに備える等の対策が必要になる。ただし、前述たしように、カセットにはポンプ等の機械的な構成要素が備えられているため、使用の都度廃棄すると、腹膜透析に要するコストの削減が図り難くなる。
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、腹膜透析液を注液するための注液カセット及び腹膜透析液を排液するための排液カセットを一度の使用で廃棄することなく複数回に亘って連続的に使用することを可能にする流路切替システム、及び腹膜透析用医療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記(1)~(7)のいずれかの手段によって達成され得る。
【0009】
(1)腹膜透析液を腹腔内に注入するための第1ポンプを備える注液カセットと、腹腔内から腹膜透析液を排液するための第2ポンプを備える排液カセットと、前記注液カセット及び前記排液カセットの各々と接続される流路切替カセットと、前記流路切替カセットが備える流路の閉鎖及び開放を制御するための流路切替ユニットと、を有し、前記流路切替カセットは、腹膜透析液を流通させることが可能な第1流路を有し、前記流路切替ユニットは、前記第1流路の開放及び閉鎖を選択的に切替可能な切替部を有する、流路切替システム。
【0010】
(2)前記流路切替カセットは、腹膜透析液を保持する透析液バッグから腹膜透析液を受け入れるための複数の第1ポートと、前記注液カセットへ腹膜透析液を送液するための第2ポートと、を有し、前記第1流路は、前記複数の第1ポートの各々が配置された位置と対応した位置において分岐する複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路が合流するとともに、前記複数の第1ポートと前記第2ポートとの間を繋ぐ合流路と、を有し、前記流路切替ユニットの前記切替部は、前記複数の分岐流路の各々と対応する位置に配置された複数のクランプ部を有し、前記流路切替ユニットは、前記複数の分岐流路に配置された前記複数のクランプ部の各々による前記複数の第1流路の閉鎖及び開放を個別に制御することができるように構成されている、上記(1)に記載の流路切替システム。
(【0011】以降は省略されています)

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