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公開番号2024160189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-13
出願番号2021156771
出願日2021-09-27
発明の名称治療デバイスキット
出願人テルモ株式会社
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類A61K 31/704 20060101AFI20241106BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】より抗腫瘍効果の高い手法を提供することを目的とする。
【解決手段】免疫原性細胞死を引き起こす抗がん剤と、抗がん剤を直接腫瘍組織に投与可能な投与デバイスと、を有する治療デバイスキットであって、抗がん剤は、投与デバイスを用いて投与されることで抗腫瘍免疫の活性化を誘導する、治療デバイスキット。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
免疫原性細胞死を引き起こす抗がん剤と、
前記抗がん剤を直接腫瘍組織に投与可能な投与デバイスと、を有する治療デバイスキットであって、
前記抗がん剤を前記投与デバイスを用いて投与されることで抗腫瘍免疫の活性化を誘導する、治療デバイスキット。
続きを表示(約 730 文字)【請求項2】
前記抗がん剤が免疫チェックポイント阻害剤と、組み合わせて投与されるように用いられる、請求項1に記載の治療デバイスキット。
【請求項3】
前記免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗PD-L2抗体および抗CTLA-4抗体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の治療デバイスキット。
【請求項4】
前記腫瘍が固形がんである、請求項1~3のいずれか1項に記載の治療デバイスキット。
【請求項5】
前記抗がん剤が、ドキソルビシン、エピルビシン、オキサリプラチン、パクリタキセルおよびこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか1項に記載の治療デバイスキット。
【請求項6】
前記投与デバイスが、体外から腫瘍まで穿刺可能な長さの注入針を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の治療デバイスキット。
【請求項7】
前記投与デバイスが、前記注入針を格納する外筒を備える、請求項6に記載の治療デバイスキット。
【請求項8】
前記投与デバイスが前記抗がん剤を投与すると同時に注入圧力を測定および報知する、請求項1~7のいずれか1項に記載の治療デバイスキット。
【請求項9】
前記投与デバイスが注入針の先端あるいは側面に薬液排出孔を持つ、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイスキット。
【請求項10】
前記投与デバイスが、前記注入針内に抗がん剤を安全に充填するための機構を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイスキット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、治療デバイスキットに関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
がん治療における化学療法で用いられる抗がん剤の投与方法として静脈投与は標準的な投与方法である。しかしながら、抗がん剤の静脈投与は、腫瘍内に到達できる薬剤量が少なく、治療効果が低減する場合があり、また、全身性の副作用が表れるといった問題点がある。
【0003】
一方、免疫系を疾患の治療に応用する、がん免疫療法が注目を集めている。免疫系の機能は、一般に、液性免疫および細胞性免疫という2種の機構を介して発現する。細胞性免疫は、がん細胞の殺傷・排除を行う能力を有しているため、がん免疫療法において重要な働きとなることが判明している。細胞性免疫を構成する細胞の中でも、細胞傷害性T細胞(以下、単にCTLとも称する)は、がん細胞を殺傷する主な働きを担っている。
【0004】
CTLの誘導は、通常、以下のように発現する。すなわち、ウイルス感染細胞やがん細胞で産生されるタンパク質等の内因性抗原が、ユビキチン化された後、プロテアソームによってペプチドにまで分解される。分解されたペプチドは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子と結合し、得られた複合体が抗原提示細胞の表面でCD8陽性T細胞に提示されて、CD8陽性T細胞が活性化される。そして、活性化されたCD8陽性T細胞が、CTLへと分化する。CTLの誘導は、効果の高いがん免疫療法に必要な要因となっている。
【0005】
例えば、特許文献1では、抗原特異的免疫応答を高めるためのワクチン用アジュバントとしてのMHCクラスIIリガンドまたはMHCクラスII様リガンドが開示されている。
【0006】
一方、異なる免疫システムを利用することで、薬剤の組み合わせによる抗腫瘍効果の増大を期待して、2つの薬剤を組み合わせるがん免疫療法についても検討がなされている。例えば、特許文献2では、PE38短縮型シュードモナス(Pseudomonas)外毒素に融合された単鎖可変領域抗体を含む免疫毒素と、免疫チェックポイント阻害剤と、を組み合わせてなる、腫瘍を治療するための医薬が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2001-510806号公報
特表2018-533626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の通り、効率よく抗腫瘍免疫を誘導/活性化し、より抗腫瘍効果の高い手法が求められている。
【0009】
したがって、本発明は、より抗腫瘍効果の高い手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、免疫原性細胞死を引き起こす抗がん剤と、抗がん剤を直接腫瘍組織に投与可能な投与デバイスと、を有する治療デバイスキットであって、抗がん剤は、投与デバイスを用いて投与されることで抗腫瘍免疫の活性化を誘導する、治療デバイスキットである。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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