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公開番号2024143827
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056728
出願日2023-03-30
発明の名称脳治療支援システムおよび脳治療支援プログラム
出願人テルモ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61M 3/00 20060101AFI20241003BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】脳の治療領域に溶液を効率的および安全に送達することができる脳治療支援システムおよび脳治療支援プログラムを提供すること。
【解決手段】脳治療支援システム2は、撮像された体内の画像に基づいて脳脊髄液が存在する領域の形状を算出する形状算出部211と、形状算出部211により算出された脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて脳脊髄液が存在する領域における酸素または薬剤等の治療物質の濃度分布を算出する流体解析部212と、流体解析部212により算出された濃度分布に基づいて、脳脊髄液が存在する領域に送達される液体の流量に関する情報と、脳脊髄液が存在する領域に液体を送達するカテーテルの種類と、カテーテルの配置位置との少なくともいずれかを出力するパラメータ出力部213と、を備える。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
脳の治療領域に治療物質を含む液体を送達する治療を支援する脳治療支援システムであって、
撮像された体内の画像に基づいて脳脊髄液が存在する領域の形状を算出する形状算出部と、
前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を注入した際の前記治療物質の濃度分布を算出する流体解析部と、
前記流体解析部により算出された前記濃度分布に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報と、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を送達するカテーテルの種類と、前記カテーテルの配置位置と、の少なくともいずれかを出力するパラメータ出力部と、
を備えたことを特徴とする脳治療支援システム。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記脳脊髄液が存在する領域に向かって送達される前記液体の流量を測定する流量測定部をさらに備え、
前記流体解析部は、前記流量測定部により測定された前記流量および前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて前記濃度分布を更新し、
前記パラメータ出力部は、前記流体解析部により更新された前記濃度分布に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の脳治療支援システム。
【請求項3】
前記流体解析部は、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記治療物質の濃度を取得するとともに、取得した前記濃度に基づいて前記濃度分布を更新し、
前記パラメータ出力部は、前記流体解析部により更新された前記濃度分布に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の脳治療支援システム。
【請求項4】
前記流体解析部は、前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて前記脳脊髄液が存在する領域における前記脳脊髄液の圧力をさらに算出し、
前記パラメータ出力部は、前記流体解析部により算出された前記脳脊髄液の圧力にさらに基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の脳治療支援システム。
【請求項5】
前記脳脊髄液が存在する領域に向かって送達される前記液体の圧力を測定する圧力測定部をさらに備え、
前記流体解析部は、前記圧力測定部により測定された前記圧力および前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて前記脳脊髄液の圧力を更新し、
前記パラメータ出力部は、前記流体解析部により更新された前記脳脊髄液の圧力にさらに基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報を出力することを特徴とする請求項4に記載の脳治療支援システム。
【請求項6】
前記液体は、高酸素溶液または酸素を分散させた液体であり、
前記脳治療支援システムは、脳梗塞の治療を支援するシステムであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の脳治療支援システム。
【請求項7】
脳の治療領域に治療物質を含む液体を送達する治療を支援する脳治療支援システムであって、
撮像された体内の画像に基づいて脳脊髄液が存在する領域の形状を算出する形状算出部と、
前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を注入した際の前記治療物質の濃度分布を算出する流体解析部と、
を備え、
前記流体解析部は、前記液体の送達を開始してから所定時間後の前記治療領域付近における前記治療物質の濃度を算出することを特徴とする脳治療支援システム。
【請求項8】
前記流体解析部により算出された前記濃度に基づいて、前記液体が前記治療領域付近に到達する到達時間を算出する到達時間算出部をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の脳治療支援システム。
【請求項9】
前記到達時間算出部が算出した前記液体が前記治療領域付近に到達する到達時間が最短となる前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を送達するカテーテルの種類および前記カテーテルの配置位置の少なくともいずれか一つを、推奨されるパラメータとして出力するパラメータ出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項8に記載の脳治療支援システム。
【請求項10】
前記カテーテル内部における前記治療物質の濃度を測定する濃度測定部をさらに備え、
前記流体解析部は、前記濃度測定部により測定された前記治療物質の濃度に基づいて、前記所定時間後の前記治療領域付近における前記治療物質の濃度を更新することを特徴とする請求項9に記載の脳治療支援システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、脳の治療領域に液体を送達する治療を支援する脳治療支援システムおよび脳治療支援プログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
脳梗塞の治療において、血栓溶解療法や血栓回収療法などの治療方法が確立されている。しかし、出血リスクやアクセス不良による影響から、これらの治療が困難な場合が少なくない。このため、脳梗塞の治療の多くは、内科的治療に留まっている。
【0003】
脳梗塞の治療の1つとして、酸素化した脳脊髄液などの高酸素溶液を患者の髄腔内に注入し、酸素が欠乏している脳細胞に酸素を直接供給することが提案されている。特許文献1には、脳に高酸素化溶液(高酸素溶液を含む。)を送る脳血管障害治療デバイスが開示されている。
【0004】
高酸素溶液を効率的にペナンブラ領域に送達するためには、頭蓋内の酸素濃度分布を知る必要がある。しかし、頭蓋内の酸素濃度分布は、主に頭蓋内腔の形状に依存する。そのため、頭蓋内の酸素濃度分布を一般化することは、困難である。また、脳梗塞の治療中に頭蓋内の圧力が高くなりすぎると、頭蓋内圧亢進症(すなわち脳組織が負荷を受けることで発症する様々な症状)が発生するおそれがある。一方で、脳梗塞の治療中に頭蓋内の圧力が低くなりすぎると、低髄液圧症候群(すなわち脳組織の位置を保てなくなることで発症する様々な症状)が発生するおそれがある。
【0005】
また、特許文献1に記載された脳血管障害治療デバイスは、生体内に配置された酸素濃度測定部を備え、酸素濃度測定部の測定値に基づいて溶液の注入流量制御を行っている。しかし、実際の治療領域において酸素濃度を測定することは、例えば治療領域へのアクセスなどの点において困難性を伴う。この点において、特許文献1に記載された脳血管障害治療デバイスには、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/181126号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、脳の治療領域に溶液を効率的および安全に送達することができる脳治療支援システムおよび脳治療支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、(1)脳の治療領域に治療物質を含む液体を送達する治療を支援する脳治療支援システムであって、撮像された体内の画像に基づいて脳脊髄液が存在する領域の形状を算出する形状算出部と、前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を注入した際の前記治療物質の濃度分布を算出する流体解析部と、前記流体解析部により算出された前記濃度分布に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報と、前記脳脊髄液が存在する領域に前記液体を送達するカテーテルの種類と、前記カテーテルの配置位置と、の少なくともいずれかを出力するパラメータ出力部と、を備えたことを特徴とする脳治療支援システムである。
【0009】
上記(1)の脳治療支援システムによれば、流体解析部は、形状算出部により算出された脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて、脳脊髄液が存在する領域における治療物質の濃度分布を算出する。そして、パラメータ出力部は、流体解析部により算出された濃度分布に基づいて、脳脊髄液が存在する領域に送達される液体の流量に関する情報と、脳脊髄液が存在する領域に液体を送達するカテーテルの種類と、脳脊髄液が存在する領域に液体を送達するカテーテルの配置位置と、の少なくともいずれかを出力する。そのため、本発明に係る脳治療支援システムは、患者毎に異なる脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて、液体の流量に関する情報と、カテーテルの種類と、カテーテルの配置位置と、の少なくともいずれかのパラメータを治療前に適正化することができる。これにより、本発明に係る脳治療支援システムは、脳の治療領域に溶液を効率的および安全に送達することができる。
【0010】
(2)上記(1)の脳治療支援システムは、前記脳脊髄液が存在する領域に向かって送達される前記液体の流量を測定する流量測定部をさらに備え、前記流体解析部は、前記流量測定部により測定された前記流量および前記形状算出部により算出された前記脳脊髄液が存在する領域の形状に基づいて前記濃度分布を更新し、前記パラメータ出力部は、前記流体解析部により更新された前記濃度分布に基づいて、前記脳脊髄液が存在する領域に送達される前記液体の流量に関する情報を出力することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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